薬の効き方 B 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 テーマB「薬の効き方」の概略 薬の効き方 テーマB「薬の効き方」の概略 薬は、効き目を発揮する成分を中心にして作られています。服用した薬の成分はどのような経路で吸収され、患部(効き目を発揮して欲しい所)まで届くのか? また、薬の成分はその後どうなるのか?を学びます。 薬を安全にまた、最大の効果を発揮させるには薬が「血液に溶けている濃度(血中濃度)」を安全で最も効果を発揮できる範囲(至適範囲)に保つことが大事です。 ♪ナレーション では、薬はどのようにして効果を発揮するのか?を説明します。 その前に、薬はその使用目的により大きく次の4つに分類できます。参考にしてください。 1.原因療法 病気の原因となっているものを取り除くもので抗生物質が代表的なものです。 2.対症療法 病気による不快な症状を取り除くことを目的としたもので熱を下げたり、 痛みを和らげたりする解熱鎮痛薬、血圧を下げる血圧降下薬などが代表的なものです。 3.予防療法 病気の予防を目的としたもので、ワクチンなどです。 4.補充療法 身体の機能維持に不可欠な物質の不足を補うことを目的としたもので、ホルモン、ビタミンなどです。 ******************** ************ ★解説 ○薬は主に病気を治すために使われますが、その効能・効果は様々です。薬を使う目的から大きく分類すると次の4つになります。 痛みを和らげたりする解熱鎮痛剤、血圧を下げる血圧降下薬などが代表的なものです。 4.補充療法 身体の機能維持に不可欠な物質の不足を補うことを目的としたもので、ホルモン、ビタミンなどです 薬を決められた方法以外で用いることは身体に悪影響を与える可能性があることを指導して下さい。 【指導ポイント】 薬の体内動態、ADME(吸収⇒分布⇒代謝⇒排泄)、血中濃度の解説によって、 薬を服用すると何故身体の具合がよくなるのか?皆に考えてもらいます。(例:熱が下がる、痛みが少なくなる(無くなる)、咳が止まる等) 【強調ポイント】 早く身体を元の状態に戻すことで体力の消耗を防ぎ、その結果として自然治癒力が早く高まり病気が治ることを理解させてください。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料】 中学・高校・一般 B くすりの適正使用協議会
薬は体内を どのように巡るのでしょうか? くすりの適正使用協議会 ♪ナレーション 薬の効果が発揮されるには、患部(病気や傷のある部分、つまり、薬の効き目が発揮される部分)まで薬の成分が届く必要があります。服用した薬の成分が、体内でどのようにして運ばれるのかを考えてみます。 ******************** ************ ★解説 患部まで薬の成分が届く経路を指導します。 【指導ポイント】 【強調ポイント】 【辞書】 【豆知識】 【参考資料】 くすりの適正使用協議会
脳 肺 心臓 肝臓 胃 小腸 腎臓 吸収 分布 代謝 排泄 くすりの適正使用協議会 *膀胱と大腸・直腸・肛門を加えながら「排泄」を説明してください。 ♪ナレーション 服用した薬は体内でどのようにして吸収され、効果を発揮し、体外へ排泄されるのか、その経路を覚えてください。 その前に、「薬は血液の中に入ってはじめて効果を発揮する」という事を知っていますか? 例えば薬は、口から入って、胃や腸で溶け出た成分が小腸で吸収され、血液の中に入ります。そして、殆どの成分はまず肝臓で分解、代謝などされた後に、心臓から血液と一緒に全身に送り出されて身体内に分布します。このようにして、患部まで運ばれて効果を発揮するのです。 そして、薬は効果を表し始める一方で、徐々に身体外へ排泄されていきます。 元々人の身体には、「異物」を分解等して無害なものに変え、早く体外へ排泄しようという機能が備わっています。この作用を「代謝」といい、主に肝臓で行われています。一般的に、薬も身体にとっては「異物」ですから代謝されて変化した薬の成分の多くはやがて腎臓から小便の中や大腸から大便として排泄されるのです。(中には吸収されずに消化管の中だけで効くものや、肝臓で代謝を受けずにそのまま排泄されるものもあります)。 もちろん坐薬や注射等、剤形が違えばこうしたルートも変わってきます。 ******************** *********************** ★解説 【指導ポイント】 この図をADME(吸収⇒分布⇒代謝⇒排泄)の図といい、薬の体内動態を表しています。全体の流れを憶えさせて下さい。 【強調ポイント】 薬は血液中に入って患部だけでなく全身へ行き亘ります。従って、患部以外の所に副作用(例えば皮膚疾患など)が出ることがあるのです。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料(書籍、URLなど)】 小腸 腎臓 くすりの適正使用協議会
血中濃度 薬の「血中濃度」という 言葉を知っていますか? くすりの適正使用協議会 ♪ナレーション 薬の成分は血液と一緒に身体全体に行き亘ることによって患部へ届くことは解かってもらえたと思いますが、 薬が安全に最大の効果を発揮するにはもう一つ大切な要素があります。 それは「血中濃度」です。 皆さん薬の「血中濃度」って聞いた事がありますか? ******************** *********************** 解説 【指導ポイント】 薬の基本的な知識です。次のスライド以降を参考に指導して下さい。 【強調ポイント】 【辞書】 【豆知識】 【参考資料】 くすりの適正使用協議会
薬の「血中濃度」とは・・・ ●1日に3回服用する薬の場合 副作用が 現れる範囲 効き目が 現れる範囲 効き目が 現れない範囲 (毒性発現最小濃度) 効き目が 現れる範囲 (最小有効濃度) 効き目が 現れない範囲 ♪ナレーション それでは薬の「血中濃度」について詳しく説明します。 説明に入る前にグラフの見方ですが、 ①縦軸が薬の血中濃度です。3段に色分けされていますが、上段の赤の部分は血中濃度が濃すぎて「危険」(副作用がでる可能性が大きい)範囲です。下段の白の部分は血中濃度が低すぎて「効果が出ない」(効かない)範囲です。中段の青の部分が丁度良い範囲(至適濃度)です。薬を服用している間は薬の血中濃度を常にこの範囲に保つことが必要です。 ②横軸は時間経過です。(このグラフは1日に3回服用の例です) 血中濃度の説明 薬が血液の中に入ってから出ていくまでをもう少し詳しく見てみましょう。 血液を採取して血液中の薬の量(血中濃度)を時間を追って調べると画面のグラフのようになります。薬を服用すると、薬の血中濃度が段々と高くなっていき、やがてピークを迎え、その後、減っていくという山形の曲線が描けます。多くの薬では効果の強さは薬の血中濃度と関係しています。つまり、血液中の薬の濃度がある一定以上になると効果が発揮され、それ以下になると効果が消滅していく訳です。このグラフの曲線を血中濃度曲線といって、薬の効果発現までの時間、効果の持続時間を表しています。もちろん薬の種類によってグラフの曲線がもっとなだらかになったり険しかったりと様々で、薬の特徴に大きく関係しています。“飲み薬で1日に2回服用とか3回服用”の理由は、このように薬が効果を発揮している時間によるものなのです。 ** ** **************** ************ ★解説 【指導ポイント】 ○「薬」の効果の発現には血中濃度が関与しています。血中濃度というのは、血液の中の薬の濃度のことです。目的とする薬を安全に使用し、効果を発揮させるためには血中濃度を適切に保つことが重要です。至適濃度は、効き目が出る最小濃度と中毒などを起こさない最小濃度の間の濃度です。従って、「薬」は決められた「服用時間」と「服用量」を守る必要があるのです。 効果を早く出そうと思って、服用する量を多くしたり、回数を増やしたりしてはならないことを指導します。 【強調ポイント】 【辞書】 【豆知識】 飲み忘れた場合、(一般的な場合) ①服用し忘れたことに早く気がついた場合=「すぐに服用し、次に服用する時間を遅らせます」 ②気が付くのが遅く次に薬を服用する時間まであまり時間がない場合=忘れた回の服用はやめます。 ③決して、2回分を一度に服用してはいけません。 ④上記の対処方法は一般的な例です。 原則は医師や薬剤師に対処方法を確認すること。薬を受け取る時に確認しておくと安心です。 【参考資料】 くすりの適正使用協議会
薬は、決められた量の2倍服用したり、 服用回数を多くしたら、 病気が早く治るのでしょうか? くすりの適正使用協議会 ♪ナレーション 血中濃度のグラフを思い出して下さい。 皆さんはもう解っていますよね!! ******************** *************** 解説 【指導ポイント】 血中濃度のグラフを再度活用して血中濃度を常に至適濃度の範囲に保つことが安全で最大の効果をもたらすことを指導します。 「薬の量は多くても、少なくても、求める効果が出ません」。 【強調ポイント】 倍量や倍回数の服用は非常に危険です。絶対にしてはいけないことを指導します。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料】 くすりの適正使用協議会
薬の服用方法 薬の血中濃度のグラフを思い出して下さい。 薬が安全で最大の効果を発揮するのは「血中濃度」が至適な範囲の時です。 決められた用法(1日に服用する回数)と用量(1回に服用する量)を守ることでその状態が保たれます。 ですから、用法と用量を守る必要があります。 ♪ナレーション 血中濃度のグラフを思い出して下さい。 皆さんはもう解っていますよね!! ******************** *************** 解説 【指導ポイント】 血中濃度のグラフを再度活用して血中濃度を常に至適濃度の範囲に保つことが安全で最大の効果をもたらすことを指導します。 「薬の量は多くても、少なくても、求める効果が出ません」。 【強調ポイント】 倍量や倍回数の服用は非常に危険です。絶対にしてはいけないことを指導します。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料】 くすりの適正使用協議会
大切! 服用した薬が、決められた量や回数より多いと、 血中濃度が高くなり副作用を起こす場合があります。 また少ないと、血中濃度が低くて効果が発揮されないことがあります。 ♪ナレーション しつこいようですが薬を用いるときに最低限理解していなければならないことです。 次のスライドもそうですがシッカリ憶えてください。 「大切」! ******************** *************** 解説 【指導ポイント】 薬の量は多くても、少なくても、求める効果が発現できません。 【強調ポイント】 倍量や倍回数の服用は非常に危険です。絶対にしてはいけません。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料】 くすりの適正使用協議会
服用時間は守りましょう 大切! 薬の説明書に書いてある時間か、薬剤師に指定された時間に服用しましょう。 飲み忘れた時、どうするべきか?薬剤師に聞くのが基本です。 ♪ナレーション 服用する時間を守ることは正しい薬の使い方の基本です。 ******************** *************** 解説 【指導ポイント】 薬の量は多くても、少なくても、求める効果が発現できません。 【強調ポイント】 倍量や倍回数の服用は非常に危険です。絶対にしてはいけません。 特殊な病気のくすりは飲み忘れの時の対応についてあらかじめ薬剤師に聞いておくと安心できます。指導して下さい。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料】 くすりの適正使用協議会