誰でもいつでも利用できる 視覚障害リハビリテーションを目指して ウイズ蜆塚支える会での講演(2019.4.13) 誰でもいつでも利用できる 視覚障害リハビリテーションを目指して 視覚障害リハビリテーション協会 吉野由美子
自己紹介 私の年齢は71歳 身長124cm 体重70kg ロービジョン(弱視) 左0.2 右0.02 (矯正視力) 身長124cm 体重70kg ロービジョン(弱視) 左0.2 右0.02 (矯正視力) 大腿骨の発育不全による肢体障害者・腰椎圧迫骨折により移動時電動車いす・杖を使い分ける
私の履歴 1947年(昭和22)11月東京生まれ 1955〈昭和30〉年 教育大学付属盲学校(現筑波大学付属)小学部入学 1955〈昭和30〉年 教育大学付属盲学校(現筑波大学付属)小学部入学 1970〈昭和45〉年 日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科に初めての点字受験生として入学、1974年卒業 1974年から2年間名古屋ライトハウス明の星声の図書館にて中途視覚障害者の相談教務などを行う
視覚リハの普及はライフワーク 1974年名古屋ライトハウス明けの星声の図書館に就職。中途視覚障害者の相談業務に携わる 「一人でトイレに行けない」「歯磨きもできない」など,私の知っている視覚障害者とは別の人たちに会ってショックを受ける この出会いが視覚リハの普及を私のライフワークに決定する
我が国の視覚障害者の状況
数字で見る視覚障害者像 2016年(平成28)生活のしずらさ等に関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査) では 2016年(平成28)生活のしずらさ等に関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査) では 視覚障害の身体障害者手帳取得者 31万2000人と推計(障害者全体の約7%) 内65歳以上の高齢視覚障害者が約69% 18歳未満5,000人 超少子化超高齢化
社団法人日本眼科医会の研究班が行った研究 報告2009(平成21年9月) URLhttp://www. gankaikai. or 社団法人日本眼科医会の研究班が行った研究 報告2009(平成21年9月) URLhttp://www.gankaikai.or.jp/info/20091115_socialcost.pdf 「視覚障害がもたらす社会損失額、8.8兆円!! ~視覚障害から生じる生産性や QOLの低下を、初めて試算~」
上記研究による 視覚障害者の数 アメリカの視覚障害の定義を使って分析 失明 188,000人 ロービジョン(弱視) 1,449,000人 アメリカの視覚障害の定義を使って分析 ロービジョンとは、良い方の眼の視力が0.5以下 0.1以上 失明 良い方の眼の視力が0.1以下 視覚障害 ロービジョン+失明 失明 188,000人 ロービジョン(弱視) 1,449,000人 合計 1,637,000人 年齢別に見ると70歳以上半数 60歳以上が72%
視覚障害者の推移・将来予想 (上記研究からの引用) 視覚障害者の推移・将来予想 (上記研究からの引用) 2030年には視覚障害者数は200万に達すると推計
視覚障害者の現状から見えてきたこと 視覚障害があることで日常生活に困っている方は、身体障害者手帳所持者の5倍程度いると推計。 視機能を活用できるようにすれば、視覚を使って読み書きができ、生活ができる人が多数である。 高齢視覚障害者が7割以上を占めている。 高齢の中途視覚障害者が急速に増加していくと予想できる。
リハビリテーションとは 視覚障害リハビリテーション とは リハビリテーションとは 視覚障害リハビリテーション とは
リハビリテーション 言語の意味 「再びふさわしい状態にする」 語源 中世ヨーロッパにおいて、リハビリテーションとはキリスト教教会から破門された人が、破門をとかれて名誉を回復することをいう。 そこから、リハビリテーションは、「全人間的復権」を意味する リハビリテーションサービスの始まりは、第1次世界大戦以後とされている。戦争で負傷した負傷兵や炭鉱労働者等の障害者の増加に伴う対策
リハビリテーションの定義 -1982年国連「障害者に関する世界行動 計画における定義- リハビリテーションの定義 -1982年国連「障害者に関する世界行動 計画における定義- リハビリテーションとは、身体的、精神的、かつまた社会的にもっとも適した機能水準の達成を可能にすることによって、各個人が自らの人生を変革して行くための手段を提供していくことを目指し、かつ、時間を限定したプロセスである。
視覚リハにまつわる思い出 病気から全盲になり退院した方の話 「いろいろと工夫したら見えなくても生きていけるということを学んだ」 病気から全盲になり退院した方の話 「いろいろと工夫したら見えなくても生きていけるということを学んだ」 高齢中途視覚障害者の話 「こんなに好きな時代小説が聴けるんなら全部聴く(読む)まで死ねねえな」 ある主婦の話 「これから見えなくなったらどうしよう、どうやって安全に暮らせるのか」
視覚障害リハビリテーションとは 視覚障害リハビリテーションとは、その人がそれまで培ってきた経験や保有視覚、視覚以外の感覚(触覚、聴覚など)、補助具を活用したり、社会サービスを利用したりする方法を知り、目が悪くなったために「できにくくなったこと」を「できる」ようにしていくこと。
視覚障害リハビリテーションの 目的(年齢別) 視覚を使わなくとも、あるいは見えにくくなっていても、生きていけると言う事を、簡単な事で、本人に自覚を持ってもらって、失った自信を取り戻してもらう事からはじめる 若年層では、学校への復学・復帰 中高年では、職業復帰・社会的な役割を果たせるようになること 高齢視覚障害者では、特にそのQOLの向上を図ること
具体的な事例はブログへの 掲載許可が取れていないので カットしています。
見えない・見えにくいとできないと 思い込んでいた事が、ちょっとした工夫でできるようになると、「次はこれもしたい、あれもしたい」と意欲がわいてくる。 これが大切、リハの原点 ↓ 視覚リハ専門家の腕の見せ所
視覚リハの専門家とは 見えない・見えにくいということがどんなことなのか理論的に、体験的に理解することを使命とし 見えない・見えにくいことで起こる困難を解決する方法を学び、実践する人 見えない・見えにくい方の必要性に応じて、困りごとの解決策を一緒に考える人
介護保険制度と 視覚障害リハビリテーション サービスについて
まとめに変えて 日常生活で困ったら、いつでもどこでも、年齢などに関係なく視覚リハサービスを利用してください。 下の狭い範囲が視覚リハではない 視覚障害者の困りごとを解決して行くあらゆる営みが視覚リハです 困りごとを一緒に解決する専門家が視覚リハ専門家です 下の狭い範囲が視覚リハではない 私はもう高齢だからとか、今更白杖で単独歩行をするなんて無理、今更点字を覚えるなんて 日常生活で困ったら、いつでもどこでも、年齢などに関係なく視覚リハサービスを利用してください。
ご静聴ありがとうございました