地震 麻の葉セミナー資料 2005 年 9 月 17 日 ( 土 ) 山賀 進 地球の構造 ( 静的) 図提供:吉井敏尅氏 地殻 マント ル 外核 内核 ← モホ面.

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2. 地震. 2.1 地震と災害 地震災害 濃尾地震の被害写真 地震断層の出現 — 揺れ による圧死 濃尾地震の例 内陸地震。 1891 年(明治 24 年 ) 10 月 28 日午前6時 38 分。深 さ 10 〜 20km 。 M8.0 。震度 7 つ まり激震。死者.
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土木構造物の点検の流れ 平成24年11月28日 大阪府都市整備部 事業管理室 平成24年11月28日(水) 09:30 ~ 第1回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部 会 資料-3 1.
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C08011:大澤直弥 C08012:太田邦亨 C08013:大場友和 C08014:大矢英雅 C08015:岡井成樹
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1891年濃尾地震について 地震概要と建物被害.
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2018年9月6日胆振地方中東部の地震 (試作版:地震発生から12時間以内の公開を想定)
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地震 麻の葉セミナー資料 2005 年 9 月 17 日 ( 土 ) 山賀 進

地球の構造 ( 静的) 図提供:吉井敏尅氏 地殻 マント ル 外核 内核 ← モホ面

地球の構造 ( 動的) 低速度層 ( 少し柔らかい) 密度急増層 (急にかたくなる) かたい モホ面 地表 70 ~ 100 km マントルマントル リソスフェ ア ( プレー ト) アセノス フェア リソスフェアは低速度層の上を(滑って)動く

地球表面はプレートにおおわれてい る

地震帯はプレートの境界であ る このような図をあとでつくります。

日本列島は 4 枚のプレートが衝 突している複雑な場所 財団法人全国地質調査業界連合会

プレートの境界で起こる地震 地震調査研究推進本部

沈み込むプレートと地震 このような図もあとでつくりま す。

実際はもっと複雑である(地震三兄弟) 長男タイプ 長い間隔をへて 巨大地震 次男タイプ わりと規則的 に地震を起こ す。高角断層 の場合は巨大 津波の危険性。 三男タイプ 気まぐれ。 いつどこで 起こるかわ からない。 震源が都市 に近い可能 性がある。

地震とは断層である 地震調査研究推進本部 震源と震源断層地表地震断層( 1995 年 1 月兵庫県南部地 震)

アスペリティ(固着域) 「なゐふる」第 33 号( 2002 年 9 月) 東北大学災害制御セン ター

震度とマグニチュード 震度はある場所での揺れの程度 – 日本では震度0~7(5と6はそれぞれ強弱) – 最近大きな震度を起こす地震が多いのは観測点が増えたため? マグニチュード( M )は地震の規模 – マグニチュードが1大きくなるとエネルギーは約 30倍、0.1大きくなると 1 . 4 倍。 – ※ マグニチュードの算出方法はいろいろある 気象庁は “ 気象庁マグニチュード( M j) ” 大地震はモーメントマグニチュード( M w) –→ 細かい数値には意味がない(誤差の範囲) M >7なら大地震、 M >8なら巨大地震、 M >9なら超巨大地 震

地震波 (ガタガタ、グラグラ、ユ ラユラ) 防災科学技術研究所 縦波 ≠ 縦揺れ 横波 ≠ 横揺れ ※ ほかに表面波がある

地震津波発生のメカニズム 産業技術総合研究所提供の画像に加筆

津波襲来(1) 波高は数 m ~十数 m 波長は数 10km ~数 100km ふつうの海面 参考:ふつうの波(波長がまったく違う) 数 m ~十数 m 上陸するときは秒速 10m 程度 (時速 30 ~ 40km 程度)

津波襲来(2) ghgh 津波の速さ = g:重力加速度( 9.8 m/s ) h:海の深さ 2 深さ 4000m の海で津波は 200m/s (時速 720km )の速さ。 陸に近づき海底が浅くなると遅くなるので、前面が切り 立ってくる。 2004 年 12 月 26 日スマトラ島沖地震による津波

地盤の液状化(1) 新潟地 震 1964 年新潟地震( M 7.4)

(a)液状化前のゆる詰めの砂 (b)液状化した瞬間全粒子が浮遊状態にある (c)下部は液状化が終了し、上部では液状化が続いてい る (d)全層にわたって液状化が終了して、砂は密に詰まっ ている 地盤の液状化(2)

山崩れ(1) 善光寺地震 善光寺地震( 1847 年 M 7. 4) 地震学会 Web 版広報誌「なゐふる」(第 37 号、 2003 年 5 月)

山崩れ(2) 島原大変肥後 迷惑 インターネット博物館「雲仙普賢岳の噴火とその背 景」 撮影者:九州大学名誉教授 太田一也氏

地震の予知(1) 岩盤の歪み → 限界 → 破壊(断層が動 く) 歪みのうちにとらえる – 地殻変動のデータ( GPS による連続観測) – 地殻変動に伴う現象 地震活動の変化、電磁気的異常、地下水の変化など 過去の地震 活断層(動く可能性のある断層) – (未発見の活断層も多い、とくに南関東は分厚い 堆積物におおわれていて岩盤が見えない= 1855 年 安政の江戸地震( M 6.9、死者 4 千名以上)の断 層?)

地震の予知(2) どこがどの程度危険かはわかってきた – 起こる場所、規模(マグニチュード)の予想 – ただし起こる時期については精度の低い確率予報 時期 ( とくに日にちまで)を特定した予報は デマ –FM 波の伝搬異常、大気イオン濃度、地震雲など の民間予報は気にする必要がない( ← マスコミの 態度の問題) 動物の異常行動も後から振り返って「そういえば」が 多い –→ 起こる起こると言い続けれていれば必ず当た る (予知したい・してもらいたいという欲望の先走り)

南関東の評価 地震調査研究推進本部

1923年9月1日関東地震の関東地方における震度分布 (武村,2 003) 年関東地震のときの揺れ

次の大地震は? 地震調査研究推進本部

次の巨大地震は? 地震調査研究推進本部

M 7クラスになると? 地震調査研究推進本部 ※ 1995 年 1 月兵庫県南部地震、 2004 年 10 月中越地震、 2005 年 8 月宮城県南部沖地震が M 7クラスの地震

他の地域の大地震は? 場所規模( M)30 年間で起 こる確率 備考 三陸沖7.1~7. 6 90% 宮城沖7.5前後99%今回の地震? 東海8級84%試算値 東南海8.150% 南海8.440% 地震調査研究推進本部

地震が起こる可能性はどこにもあ る

結論 事前の防災対策 直前予報 (ナウキャスト地震情報、 P 波速度> S 波速度を利用) » –2005 年 8 月 16 日の宮城県沖地震では主要動の 14 秒前に警告 津波予報 もし起きたとしたときの対策 地震を防ぐことはできないが震災は防げ る!

お終い