ヒューマンエラーとその防止 策 ー 実験心理学の立場よ り ー 大山 正
注意の範囲 (1)
人間の情報処理( A)
感覚・知覚・認知のエラー 感覚能力の限界 視力・聴力の不足・色覚異常 (明確な表示、色覚バリアフリー、 高齢者) 知覚のエラー 錯視(誰にでも起こる) 認知のエラー 注意の範囲・文脈効果
人間の情報処理( B)
記憶・判断・反応のエラー 短期記憶のエラー 容量の限界・音または形に類似による混同 (チャンク化、オーストラリアーオース トリア) 長期記憶のエラー 想起の困難・意味の類似による混同 (検索の手がかり、田中ー佐藤、スイスー オーストリア) 判断のエラー 要求の葛藤、感情の影響、固執 反応のエラー 動作の未分化、未習熟、古い習慣の残存
医師のエラーの防止網
スイスチーズ・モデル(リーズ ン)
人の特性・感性に合った表示 色表示 暖色ー寒色、コントラス ト 形表示 複雑性・規則性・直線性 垂直・水平軸 人の基本軸 色・形の複合 弁別しやすさの倍増 グループ化 チャンク化 ディジタル 対 アナログ 冗長性 ヒト・フタ、朝日のあ、 Alfa
色と温度感 ( サーモグラフ)
ΔV – ΔC 図
形(線図形) Oyama, T., Yamada, H., & Iwasawa, H. (199 3)より 1 2 3 4 5 6 7 8
方向がバラバラなダイアル
ダイアル方向の組織化
改良品デザイン
グループ化したスウィッチ
数字呼称 1(ひと)2(ふた)3(さん)4(よ ん)5(ご) 6(ろく)7(なな)8(はち)9 (く)0(まる) 例 17時20分 「ひとななふたま る」
ABC の伝達
朝日の「あ」、いろはの{い} あ:朝日のあ、い:いろはのい、う:上野のう、え:英 語のえ、お:大阪のお、 か:為替のか、き:切手の き、く:クラブのくけ:景色のけ、こ:子供のこ、 さ:桜のさ、し:新聞のし、す:すずめのす、せ:世界 のせ、そ:そろばんのそ、 た:たばこのた、ち:ち どりのち、つ:つるかめのつ、て:手紙のて、と:東京 のと、 な:名古屋のな、に:日本のに、ぬ:沼津の ぬ、ね:ねずみのね、の:野原のの、 は:はがきの は、ひ:飛行機のひ、ふ:富士山のふ、へ:平和のへ、 ほ:保険のほ、 ま:マッチのま、み:三笠のみむ: 無線のむ、め:明治のめ、も:もみじのも、 や:大 和のや、ゆ:弓矢のゆ、よ:吉野のよ ら:ラジオの ら、り:りんごのり、る:るすいのる、れ:れんげのれ、 ろ:ローマのろ、 わ:わらびのわを:尾張のを ん:おしまいのん、 ゛:濁点、゜:半濁点
ディジタル表示とアナログ表示
知覚と反応の対応の自然さ 位置の対応 アフォーダンス 一般的な操作の方向 基準化の必要 誤操作の防止
改 良 案
ドアの取っ手のデザイン (アフォーダンス )
一般的な操作方向(岡田, 2003 )
水道蛇口の例
配置の規格化の必要性(川村、 2004 )
配置の規格化の必要性(五十嵐、20 06)
誤操作の防止(岡田,003)
まとめ 人の情報処理過程とヒューマンエ ラー (注意力がボトルネック) 集団活動とコミュニケーションのエ ラーとその防止 人と機械の相互協力 人の認識能力・感性に合った表示 人の運動能力に合った操作器 機器操作盤の規格化の推進