家計の保険需要分析 京都大学大学院 小林研究室 関川 裕己
研究の背景 家計の地震保険加入率 (2005 年度末 ) 火災保険への付帯率(%) 出典 : 損害保険料率算出機構
3 研究の目的 家計はなぜ災害保険を購入しない? 災害の特徴 ⇒希少性、損害の分散が大きい 保険は個別リスクにのみ対応可能 流動性(貯蓄など金融資産)保有の保険機 能 ⇒すべての種類の金銭的リスクに対処できる 注目点
4 従来の研究概要 自然災害リスクを誤認し, 過小評価して いる ( Kunreuther, 1997 ) 自然災害を経済的リスクとして 取り扱ってい ない (斉藤 誠,2006 )
5 問題へのアプローチ 家計の災害保険需要に注目 災害の希少性、巨大性 保険は個別リスクにのみ対応可能 期待効用理論
6 モデル化の前提 1. 災害による資産損失リスクのみを考える 2. 家計の効用水準は富の大きさにより決定 3. 各災害は等しい生起確率、等しい損害量 4. 各災害の生起確率は非常に小さい 5. 各災害による損害量は非常に大きい 6. 1 種類の災害に、 1 つの個別保険が存在 ただし、 0<W 0 <A 、 0<W 1 <A
7 モデル化の前提
8
9 モデル 期待効用水準 EU ただし、
10 モデル 個別保険 純保険金 保険価格
11 モデル 災害保険全体 純保険金 集約的保険価格
12 予算制約下の期待効用最大化問題
13 予算制約下の期待効用最大化問題 ラグランジュアン 1 階条件
14 最適保険需要 家計はリスク回避的 ⇒相対的リスク回避度rが一定の効用関数を仮 定 効用関数 1 階条件
15 場合分け
16 場合分けー CASE1
17 場合分けー CASE 2
18 保険者がリスク中立の場合 保険料=期待被害額 フルカバー保険 が成立
19 保険者がリスク中立の場合
20 家計がリスク中立の場合 家計の効用関数 集約的保険価格
21 家計がリスク中立の場合 予算制約下の期待効用最大化問題
22 家計がリスク中立の場合