高崎市教育センター 指導主事 永井 智幸 1
人口 35 万 5 千人 市制施行 112 年 2
研修検討委員会の開催 平成21年度から小・中学校の校長、教 頭、教育委員会事務局職員の代表者を委 員として開き研修内容や日数等について 検討した。 先進地の視察 平成18年度から行い、群馬県が実施す る初任者研修だけでなく、全国の初任者 研修を参考に内容を検討した。 3
校外研修のため子どもから離れることが 課題。 校内で研修に関わる教員が少ない。 授業力がついていない。 子どもとの人間関係ができないために授 業や学級経営がうまくいかない。 4
(1)板書の仕方や授業の流し方など教科 指導の基本的なスキルを身に付け、教材研 究により児童生徒の興味・関心・意欲を引 き出す指導を行うことができる。 (2)カウンセリングや教育コーチングの 基礎を学び、傾聴の大切さを理解し、児童 生徒の心情を汲み取った対応ができる。 5
Ⅲ 高崎市の初任者研修の重点 1 「初任者を校内で育てるこ と」 2 「教科の指導力をつけるこ と」 3 「人間関係づくり」 6
重点1 初任者を校内で育てる 初任者研修の校外研修を20日間 とする。 2年目研修3日、3年目研修2日とする。 初任者研修の校内における研修の時数を 年間300時間以上とする。 7
重点1-1 学校訪問指導 ねらい 初任者の状況を勤務校において把握することに よって、初任者の指導力の向上と校内の研修を支 援する。 訪問者 高崎市教育センター指導主事 期 日 5月以降の校外研修等のない平日 場 所 初任者の勤務校 8
研修内容 初任者の授業参観と授業検討会、管理職、 拠点校指導教員、校内指導教員との話し 合い。 研修時数 学校訪問指導の時間は、校外研修の 1 日分 とする。 9
実施の詳細 指導主事が初任者のクラスを訪問し、朝 の会から昼休みまで一緒に過ごす。 初任者2名配置の学校では、指導主事も 2名訪問して対応する。 5校時は、管理職との話し合いと指導教 員との話し合いを行う。 6校時に、午前中実施された授業や学級 経営、生徒指導について指導教員ととも に指導する。 10
学校訪問指導の成果 初任者と朝から昼まで、ともに過ごすこ とによって、初任者の良さや課題が分か るようになった。 校長や指導教員から話を聞くことによっ て校内の指導で困っている内容が掴め、 そのことを踏まえて6校時の指導を行う ことができる。 指導主事が初任者を指導する際に校内の 指導教員も同席することで、校内におい て初任者の授業を指導するポイントや指 導の仕方を学ぶ機会としている。 11
学校訪問指導の課題 指導主事8名(今年度9名)が初任者6 4名を訪問するための日程調整が難しい。 中学校の初任者を指導するにあたり指導 主事が免許教科以外を指導する場合があ る。 12
重点2 教科の指導力をつける こと 教科指導については、「板書の基礎基 本」や「授業づくりの構想」から始め、 「授業の振り返りと指導に生かす評価」 の講義・演習を行った。 小学校の教科や道徳の研修では模擬授業 を多く取り入れ、仲間で協議をしていく 中で体験的に学ぶことができた。 13
重点3 人間関係 づくり カウンセリングや教育コーチング を校外 研修の重点として取り入れた。 カウンセリングに関する講座は、5講座 行った。 教育コーチングは1講座であったが、1 日のまとめの時間や1日の始まりの時間 に教育コーチングの手法を使って体験的 に教育コーチングを学んでもらった。 14 重点3-1 カウンセリングや教育コー チング
重点3-2 グループ活動 拠点校方式の学校ごとの4名で1グルー プと、自校方式の4名1グループをつく り年間をとおして研修の際のグループと した。 登山の際には、グループで一緒に助け合 いながら妙義の山を歩いた。 バス学習の際には、バスの中でレクリ エーションを行う課題を出し、グループ ごとに実際に行った。 15
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重点3-2-① 自然体験研修 妙義青少年自然の家を利用し、1泊2日 の日程で実施した。 1日目 登山、野外炊飯、キャンプファ イヤー 夜間は、自由参加で交流会 2日目 1日目の体験をとおして課題解 決のワークショップを実施した。 17
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重点3-2-② バス学習 高崎市の名所旧跡であるかみつけの里博 物館、多胡碑、歴史民俗資料館、ガトー フェスタハラダを1日で巡り、児童生徒 を引率した際の留意点等について体験的 に学んだ。 移動中は、バスの中でグループごとにレ クリエーションを発表し、バスの中での 指導方法について参考とした。 19
人間関係づくりの成果 初任者64名を16グループに分け、活 発な意見交流を行った後、全体交流も行 い初任者全員で確認することができた。 同世代の共感が得やすく仲間意識が芽生 えた。 20
Ⅳ 一年目の成果と課題 成果 初任者の研修の振り返りや研修のまとめ に複数の初任者から「高崎の初任者でよ かった」という意見をもらった。 また、「毎回の研修で得るものが多く、 学校へ戻ってすぐに実践してみた」「高 崎の初任者の仲間で話し合うことができ て、また、学校に戻ってがんばるぞとい う気持ちになれた」といった感想もも らった。 21
課題 校内の研修において、学校訪問指導は役 立ったが、校内指導教員が初任者の授業 をなかなか見る時間がとれないといった 意見が多く出された。 22
課題への対応 年度当初の実施校連絡協議会を取りやめ、 前年度末の校園長会議において校内指導 の留意点について、「初任者研修 Q&A 」 という冊子を配布して徹底を図った。「初任者研修 Q&A 」 前年度末(3月30日)に希望研修会を 開催し、担当者に校内研修実施上の留意 点を説明した。 「初任者研修シラバス」を作成し、校内 指導の参考としてもらえるように配布し た。 「初任者研修シラバス」 23
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Ⅴ 2年目研修との交流 校内における若手教員の人材育成を高崎 市の重点として学校に案内した。 若手同士の話し合いのモデルを初任者研 修の中で取り入れ、学校で取り組む参考 としてもらえるように1コマを予定した。 26