背景 改正消防法 (平成 19 年 6 月公布、平成 21 年 6 月施行) 民間事業所に対し、以下の事項を義務付け 大規模地震等への防災管理業務の実施 防災管理者の選任 自衛消防組織の設置、等 改正消防法 (平成 19 年 6 月公布、平成 21 年 6 月施行) 民間事業所に対し、以下の事項を義務付け 大規模地震等への防災管理業務の実施 防災管理者の選任 自衛消防組織の設置、等 「大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドライン」 (平成 20 年 10 月消防予第 272 号通 知) 以下の事項ついて、ガイドラインを提示 消防計画の作成手順・基本構成 地震等の災害対応上のポイント、等 「大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドライン」 (平成 20 年 10 月消防予第 272 号通 知) 以下の事項ついて、ガイドラインを提示 消防計画の作成手順・基本構成 地震等の災害対応上のポイント、等 被害想定に基づく消防計画の作成等について更なる具体化を図るための調査検討を実施。 具体的には、以下のとおり。 1.被害想定手法に関する調査検討 : 被害想定手法の検討、被害想定の参考例の作成 2.消防計画作成に関する調査検討 : 被害想定を踏まえた消防計画の参考例の作成 3.訓練手法に関する調査検討 : 消防計画を踏まえた、標準的な消防訓練マニュアルの 作成 被害想定に基づく消防計画の作成等について更なる具体化を図るための調査検討を実施。 具体的には、以下のとおり。 1.被害想定手法に関する調査検討 : 被害想定手法の検討、被害想定の参考例の作成 2.消防計画作成に関する調査検討 : 被害想定を踏まえた消防計画の参考例の作成 3.訓練手法に関する調査検討 : 消防計画を踏まえた、標準的な消防訓練マニュアルの 作成 本事業の目的・実施内容 民間事業所における自衛消防力の確保に関する調査検討事業(報告書:概要)
● 実効性の高い消防計画の作成を行うための準備段階の作業として位置づけ、自らの状況を客観的に把握し、重点的に 対策が必要な事項等を判断した上で、的確に対応することができる体制を消防計画に反映させることができるような ものとする。 ● 各民間事業所においては、以下の点を十分に留意して、自らの実態を踏まえ、それぞれの被害想定を作成する。 考え方 ①震度6強程度の地震を考慮した上で、自らの特徴(建物や組織等)を踏まえ、危険性を客観的に把握する。 ②対策が必要なポイント等が明らかとなるようにする。 ③被害状況について必ずしも数値を算定する必要はないが、現実的・効果的な消防計画を作成するための参考となるよ うにする。 1.被害想定手法に関する調査検討: 被害想定手法の検討、被害想定の参考例の作成 被害想定手法(イメージ)各建物用途の被害の特徴(例) 複合商業施設(例) ・膨大な破損や散乱する備品類 ・建物構造が複雑 ・二次災害発生の危険(パニック、火気の延焼、等) → テナントや一般客の対応により、全館対応が困難と なる。 宿泊施設(例) ・対応人員の制約 ・部屋毎の閉じ込め発生の可能性 ・二次災害発生の可能性(パニック、等) → 多数の宿泊客・来館者に対し、限られた数の従業員 で対応する必要がある。 オフィスビル(例) ・火気使用が少ない ・在館者の大半が従業員 ・建物構造が単純 → 被害は限定的である。 被害想定は、被害の種類ごとに、具体的な被害の状況を検討し、被害 の影響が大きくなる事項が分かるようにする。 各建物用途の参考例をもとにした、被害の特徴は以下のとおり。
● 被害想定を踏まえて、リスクや課題に対する対応策を消防計画に反映。 ● 対応策が必ず消防計画の中に網羅されるように記載。 (ただし、被害想定の内容と対応策が必ずしも一対一で対応する必要はない。) 考え方 2.消防計画作成に関する調査検討: 被害想定を踏まえた消防計画の参考例の作成 消防計画の構成被害想定の消防計画への反映(例) 第 1 章 総則 計画の 目的等 防火・防災 管理者等 第2章 予防的事項 共通的 事項 出火防止 措置等 地震被害の 軽減措置等 第3章 応急対策的事項 共通的 事項 火災対応地震対応 警戒宣言時 の対策 第4章 教育訓練 従業者等の 教育 訓練の実施 ※共同防火・防災管理協議事項及び全体の消防計画についても別途あり。 被害想定 自衛消防組織 の編成表 防火・防災 管理委員会 自主点検検査 組織表 (別表) 物品管理表 訓練方法は、 消防訓練マニュアル に記載 ● 人的・物的被害が満遍なく発生。 ● 二次被害防止の観点から、多数 の一般客のパニック抑制が重要。 ● レストランフロアでは火災・延 焼の可能性もあり。 ■ 各班とも多めに人員を配置。 ■ 一般客対応を行う地区隊の各班 は厚めの陣容とする ■ レストランフロアは、初期消火 班の陣容を厚くする必要あり。 ● 宿泊客の安否確認、パニック抑 制のため、限られた従業員で宿泊 客の避難誘導を最優先で行う必要 あり。(特に、夜間は、対応可能 な従業員数が限定的) ● レストランフロアでは火災・延 焼の可能性もあり。 ■ 各階の避難誘導班の人員を多め に配置。(宿泊客の生命保護を第 一に、速やかな避難誘導・各客室 の確認・自力脱出困難者の救出等 に注力) ■ レストランフロアは、初期消火 班の陣容を厚くする必要あり。 ● 火災や大きな建物被害の可能性 は限定的。 ● 在館者はほぼ従業員であり、各 員が館内を熟知していることから、 パニックの発生の可能性は限定的。 ■ 被害は限定的であるため、重点 的な配置はないが、各班ともに網 羅的に配置。 (被害の傾向)(消防計画への反映) 被害想定は、主に自衛消防組織の編成に反映。(各民間事業所の実情を 踏まえつつ、大きい被害に重点的に対処可能な体制をとる。) (本文)
● 各民間事業所の訓練計画者は、組織の課題等を踏まえ、個別訓練(初動対応訓練、情報伝達・指揮統制訓練、班別 行動訓練)や総合訓練等を適切にアレンジする。 ● PDCAサイクルの一環として訓練を実施し、実施結果の検証により消防計画等の見直しを行う。 ● 大規模地震発生時には、自衛消防組織内の情報伝達や指揮統制が特に重要。 考え方 3.訓練手法に関する調査検討 :消防計画を踏まえた、標準的な消防訓練マニュアルの作成 訓練シナリオ(イメージ)PDCAサイクル 情報伝達・指揮統制訓練の実施時は、被害想定を踏まえ、下記のよ うなシナリオを作成して、状況を付与し、自衛消防組織の動きの習 熟を図るとともに対応行動を確認する。 計画の立案(Plan) ・被害想定や組織の課題等を踏まえ、訓練の目的・ 目標を明確化。 ・上記を踏まえ、効果的な訓練方法(シナリオ等) を計画。 訓練の実施(Do) ・事前に十分に対応行動を把握。 ・より実態に即した状況下で実施。 訓練の評価(Check) ・訓練の目的・目標を踏まえ、対応行動を確認。 ・改善すべき課題とその原因を明確化。 改善(Act) ・課題に対する対応策を検討。 ・消防計画、組織体制、装備品、訓練計画等を見直 し。 訓練を通じて、消防計画や自衛消防組織の体制等を定期的に見直す。