「ふるさと納税」と 地方の内的発展について 2012/07/07 1076501C 赤澤彩香. 概要 「ふるさと納税」とは ①理念 ②「ふるさと」の定義 ③しくみ ④自己負担 ⑤意義 地方自治体の現状 山口県上関町の事例 企業誘致の賛否の理由 「ふるさと納税」の可能性 政策提言.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
2.一極集中と多極分散. 連携の在り方 都市の発生 分業の発生規模の経済 ・地域特化の経済 ・都市化の経済 集積 大都市の形成.
Advertisements

年末調整 ~ 概念と業務と COMPANY ~. 納税の義務 所得に応じた税金を国に支払う義務があります。 「確定申告」とは、1年分の自分の収入や経費から、 所得や税金の計算をして申告することです。 なぜ年末調整? 確定申告は、1年間の所得税をまとめて支払うことになり、 納税者にとって、負担が大きいため、
ふるさと納税 の現状と課題 経 小藪 裕太 経 小島 悠生 経 籔中 美希 経 今野 紗江 経 日朝 大輔 経 田中 竜也.
東海地方のふるさと納税 増田ゼミ 北原 浅井 鈴木. ふるさと納税 近年よく耳にするふるさと納税。 納税額が多い地域と少ない地域では金額に何倍もの差が出る。 それはなぜか?
1 経済学-第 6 回 所得税③+住民税 2008 年 5 月 16 日. 2 日本の所得税をめぐる議論 ( 続き )  確定申告と源泉徴収  所得控除 ( 給与所得控除 ) 住民税 ( 個人 ) 課税対象 課税プロセス-均等割と所得割 所得控除 「ふるさと納税」制度 納付税額計算の具体例.
ふるさと納税 名古屋大学 柳原光芳ゼミナール. 発表の流れ  研究動機  ふるさと納税の概要説明  研究の流れ  地方交付税とは  ふるさと納税による地方交付税への影響の分析 ( 結果 )  ( 国から地方自治体 B に資金が流れていた場合の考察 )  ( 地方自治体 A から地方自治体.
ふるさと納税について 富山大学 岩田ゼミ 冨増 晃士朗 宮下 悠太 吉田 陽 亮. はじめに … 2015 年 4 月の制度改正により、 最近ふるさと納税が盛り上がり を見せている。 それに伴い、一定額以上の寄付をした場合 に貰える【お礼の品】に多様性が生まれて いる。 その中でもお礼の品が頻 繁に取り上げられる.
1 経済学-第 13 回 年金② 2008 年 7 月 4 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  国民年金保険料未納問題.
1 経済学-第 14 回 年金③ 2008 年 7 月 11 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  制度上の問題点 ( 続 )  国民年金第 3 号被保険者問題  離婚のリスクと年金分割.
1 財政-第 9 講 4. 租税理論と税制改革 (3) 2008 年 5 月 13 日 第 1 限.
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved.1 所得控除 課税所得=収入-控除 – 控除の例 基礎控除 給与所得控除 配偶者控除、配偶者特別控除 その他.
1 経済学-第 5 回 所得税② 2008 年 5 月 9 日. 2 所得控除 ( 続き )  配偶者特別控除  勤労学生控除 日本の所得税をめぐる議論  確定申告と源泉徴収  所得控除 納付税額計算の具体例.
近畿税理士会 平成 27 年 中学生用Ⅱ. 1. 税理士って何です か? 納税者(個人や会社)が税金を納める計算をするお手伝いをし ています。 税金のことでわからないことがあったら相談にのります。 納税者の代わりに税務署などと、話し合いをします。 信頼のバッジ 1.
1 経済学-第 9 回 医療保険① 2008 年 6 月 6 日. 2 日本の公的医療保険  制度の目的  制度体系  給付と負担.
1 とき:平成 18 年 12 月 3 日 ( 日 ) 場所:仙台サンプラザ 講師:平野由希子(税理士・宅地建物取引主任者) 相続対策としての賃貸事業.
租税の基礎理論 財政学(財政学B) 第 2 回 畑農鋭矢 1. 日本の税負担は重いのか? 主要先進諸国の税負担率(%, 対 GDP 比) 出所:畑農・北野・中東 「租税構造の国際比較 」 PRI Discussion Paper Series 03A-22 .
ミクロ経済学I 10 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2016年7月6日
産業経済学A 12 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2016年7月19日

中学生のための 租 税 教 室 南九州税理士会 はじまりはじまり!.
公共経済学 24. 地方分権と政府間の役割分担.
ベーシックインカム導入の是非 肯定派 神谷・棚倉・水田・安塚.
消費税10%導入の是非                    肯定派 大岸・福田・山田.
地域社会論 第6回 Ⅵ.産業構造 11月16日.
租税の基礎理論 財政学(財政学B) 第1回 畑農鋭矢.
大阪都構想の是非 否定派 嘘 成田・下田・山本.
マッチング拠出は日本で発展するか ~肯定派~
テーマ:市町村合併を推進すべき 11HRディベート大会 平成15年9月25日(木) <否定側> ●山口美希 ●内村華奈子 ●今井優香
課税自主権の活用(超過課税および法定外税)
中学生のための租税教室 南九州 税 理 士 会 .
「国公立大学法人化」は正しかったのか? ~そのひずみが持つ構造と修正に向けた提言~
京都・神戸のみならず国内外拠点との差別化が難しい
第一回草津・箱根・熱海温泉 観光協会サミット 観光協会の将来像 平成28年3月16日
高額医療・高額介護合算療養費制度の参考事例
東京財団上席研究員 中央大学法科大学院教授 森信茂樹
法人税引き下げの是非 否定派 工藤・山下・神谷・蔵内.
貯蓄税導入の是非 ~否定派~ 松村・田邉・川村・藤山.
市民公益税制の導入について 資料2 (策定の趣旨)《指針からの抜粋》
竹山・堺市長のお話から(局長・部長研修)
長崎県内全市町と長崎県は、 個人住民税の特別徴収を完全実施します! 個人住民税は所得税と同様に 事業主による徴収と納入が必要です!
書評 生活保護VSワーキングプア ~若者に広がる貧困~ 大山典宏 PHP新書
低い 高い 人口1人当たり税収額の偏在度の変化 全 体 平成元年度 全 体 平成17年度 固定資産税 5.7兆円 個人住民税 (所得割)
所得税の年末調整 -源泉徴収の意味- 平成16年11月24日(水) A106教室.
地方自治のしくみ 作成.
市民公益税制について 個人が一定の団体等に対して寄附をした場合、所得税及び個人住民税の税額控除が受けられる制度です。 制度の目的
租税の基礎理論 財政学B(財政学) 第2回 畑農鋭矢.
公共経済学 20. 労働所得課税.
地域活性化に向けて c 小尻 麻未.
平成29年10月 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室
NPOのミッション・課題 ・・・・・・ミッションが命!!・・・・・・
公共政策大学院 鈴木一人 第7回 政治と経済の関係 公共政策大学院 鈴木一人
道州制の基本的な制度設計 4 道州の事務 1 道州の性格 5 道州の議会 2 道州の区域 6 道州の執行機関 7 大都市等に関する制度
公共経済学 24. 地方分権と政府間の役割分担.
リンカーンクラブサロン 統治から協治へ 2017年12月16日 リンカーンクラブ事務局 佐藤修.
公共経済学 21. 労働所得税.
税金はどこへ行った? 防災 減災 少子 高齢 産業 創出 税金はどこへ行った? 誕生の キッカケ 税金はどこへ行った? でこう 変わった!
技術投資を促進するセミナー.
経済学-第7回 住民税+消費税① 2008年5月23日.
財政-第12講 4.租税理論と税制改革(6) 2008年5月20日 第2限
企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律
討議テーマ① 現行憲法に緊急事態条項を 創設すべきという意見がありますが どう思いますか?
地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要
経済学-第8回 消費税② 2008年5月30日.
(注1) 「○譲与税」の後のカッコの中の値=「○税」の税収のうち地方に譲与される割合 所得税 道府県民税 法人税 市町村民税 事業税 相続税・贈与税 固定資産税 地価税  1998年以降当分の間非課税 都市計画税 印紙税 特別土地所有税 登録免許税 不動産取得税 消費税 酒税 石油ガス譲与税(1/2)
総務省の各部局について説明します 行政 管理局 行政 評価局 統計局 自治 行政局 自治 財政局 自治 税務局 消防庁
経済学-第3回 租税体系 2008年4月25日.
確定申告のお知らせ                                  柏原税務署.
ミクロ経済学I 13 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年7月5日
現金を贈与する事で合理的に相続税を減らし、当該贈与金額を 保険料に充当する事により一時所得のメリットを活用するプランです
道州制から考える国のかたち c 三浦 留奈.
Presentation transcript:

「ふるさと納税」と 地方の内的発展について 2012/07/ C 赤澤彩香

概要 「ふるさと納税」とは ①理念 ②「ふるさと」の定義 ③しくみ ④自己負担 ⑤意義 地方自治体の現状 山口県上関町の事例 企業誘致の賛否の理由 「ふるさと納税」の可能性 政策提言

「ふるさと納税」とは①理念 地方団体ごとの税収格差を是正すること なぜ、税収格差がおこるのか? 個人住民税:住所地の地方団体から行政サービスを受けている者 が負担すべきもの、いわば「地域社会の会費」 → 収入は人口構成で左右される では、自分の「ふるさと」に個人住民税の一部を移譲し たらどうか! 子供時代 地方(ふるさと)に 居住 働き盛り 都市に居住 老後 再び地方に居住

「ふるさと納税」とは②「ふるさと」の 定義 自分が「ふるさと」だと思うところが「ふ るさと」 自分の生まれ育った場所にとどまらず、二地域居住先の 地域、ボランティア活動を通じて縁ができた地域、来自 分のふるさとにしたいと思う地域 etc… また、都道府県か市町村かも問わない

「ふるさと納税」とは③しくみ 受益と負担の直接一致しない者に、課税すること はできるのか? 寄付金税制 任意の「ふるさと」の地方自治体に対して、任意の価格を設定す る、寄付のかたちをとる (下限額を超えたもののみ、)個人住民税・所得税から、自治体 に払った金額のほぼ全額(一部自己負担額あり)を控除する

「ふるさと納税」とは④自己負担 なぜ「税」なのに自己負担が発生するのか Ex. <年収 700 万円 夫婦+子ども 2 人 所得税率 10% 住 民税率 10% 4 万円寄付>の場合、 4700 円の自己負担 ①寄付にかかる納税者の姿勢の真剣さに影響を及ぼす懸 念があるため ②寄付者の住所地の地方団体には税収の減少に加え事務 量の増加という負担を強いることになり、当該団体の理 解を得にくくなる恐れがあるため

「ふるさと納税」とは⑤意義 総務省「ふるさと納税研究会報告書」より 1. 納税者の選択: 国民にとって税を自分のこととして考え、納税 の大切さを自覚する貴重な機会 2. 「ふるさと」の大切さ: 美しい郷土を愛し、育ててくれた「ふ るさと」の恩に感謝する本来の人間性への回帰の貴重な景気 3. 自治意識の進化: 「納税」を受けたい全国各地の地方団体は、 その魅力をおおいにアピールする必要が出てくる。自治体間競争 が刺激され、この切磋琢磨は、「ふるさと」の地方団体と住民に、 納税をしてもらうにふさわしい地域のあり方をあらためて考えて もらう重要な機会

地方自治体の現状 ― 山口県上関町の事例 人口: 3195 人 ( 2012 年 4 月 1 日) 基盤産業:漁業、農業 発電所の立地をめぐっ て、賛成派(推進派) と反対派で断絶してし まっている(現在は小 康状態)

地方自治体の現状 ― 企業誘致の賛否の理由 賛成派:過疎が進み、基 盤産業が弱いため、税収 も少なく雇用もない。外 の企業を誘致して発展さ せなければ、人は集まら ず、町はなくなってしま う。 反対派:この町の自然を 壊したくないし、そもそ も危険なものを受け入れ たくない。

「ふるさと納税」の可能性 企業誘致、工場・発電所建設などの外部の力によ る発展の問題点 反対派/賛成派に分かれることによる地域コミュニティ の分断 その地域の個性や自然環境が失われてしまう危険性 税収が少ないために、危ないものを引き受けざるを得な い地方/それによって利益を受ける都市となってしまう 危険性 「ふるさと納税」は地方自身の魅力をうったえ、それに 応じた「税」を得られるチャンスであり、地方の内部の 力による発展を促進する可能性があるのではないか

政策提言 「ふるさと納税」が地域の発展を促す緊急の必要がある 政策とみて、利用者をより広くのばすことを第一条件と する。 寄付・控除申請を自分で行う代わりに自己負担額 0 円にす るか、現行制度のまま手続きが簡素であるが自己負担を 負うかを選択できる制度にする 利用した者に対し、控除だけでなく何らかの利点を与え る