増資インサイダー問 題 2012/06/22 加島 小泉 林
増資インサイダーとは 企業の公募増資等のインサイダー情報を 入手したヘッジファンド等が 空売りを用いて利益を得ること 公募増資の 情報を得る 買い戻し 公募増資発表 &空売りで 株価下落 空売りを 行う 利益 を 得 る!
増資インサイダーとは 例えば … 1 株 700 円で 100 万株を空売 り 増資後 1 株 500 円で 100 万株買い戻し 株価が 低下 7 億円 5 億円 2 億円の 利益!
公募増資のスキーム 会社が 公募増資 決定 公募増資 実行 公募増資 発表 価格決定
公募増資のスキーム 会社が 公募増資 決定 公募増資 発表 約 2 か月
公募増資のスキーム 価格決定 公募増資 発表 最低 10 日 *株価は下がる傾向 ( 株式の希薄 化 ) *ディスカウント率を決める
公募増資のスキーム 価格決定 公募増資 発表 *株価は下がる傾向 ( 株式の希薄 化 ) *ディスカウント率を決める この期間に空売りをした投資家 は 新株の発行を受けられない 日本版レギュレーション M
公募増資のスキーム 公募増資 実行 価格決定 投資家応募
増資インサイダー取引の現 状 近年証券取引等監視委員会による 増資インサイダーの課徴金勧告が相次いでい る
増資インサイダー取引の現 状 今月 6 月に証券取引監視委員会は 米ファースト・ニューヨーク証券に 1468 万円の課徴金を課すように勧告
増資インサイダー取引の現 状 企業の非公開情報を知りうる立場にある引受部門と 投資家に銘柄選定のアドバイスをする営業部門の間に チャイニーズ・ウォール と呼ばれる情報障壁 * 法人担当部門を他の部門から物理的に隔離 * 法人関係情報の電子ファイルを 容易に閲覧できなくする * 社内に情報管理部門を設ける 守らないと最大5億円の過怠 金! 機能しなかっ た!
増資インサイダー取引の現 状 ①主幹事証券の営業担当者が 業務内容の中でインサイダー情報を伝えた ②大手の機関投資家である信託銀行が当事者 ③投資家の資金を使ったインサイダー取引 「前例のない事 案」
増資インサイダー取引の現 状 営業担当者とファンドマネジャーとの関係も 問題 外資系証券会社との競争激化 ⇒顧客の機関投資家はサービス内容等で証券会社の営業社員を 個別に点数付けし、それをもとに株の発注額を決めていた
増資インサイダー取引の現 状 何故情報が漏れてしまうのか? 主幹事を務める証券会社の 投資銀行部門 → 営業部門 → 社外へ 近年のケース プレヒアリング制度から 情報流出することがほとんど 今までのケース
増資インサイダー取引の現 状 何故情報が漏れてしまうのか? プレヒアリング制度と は 企業が増資を正式に決定する前に 幹事証券会社が海外の証券会社や大口の機関投資家に その企業の新株をどの程度買えるかを聞き取る 新株の売れ残りリスクを軽減する事前需要調査のこ と 情報を利用した取引は しないという守秘義務文書 を 取り交わすが … 外資系証券会社を中心にこ れが守られていないのが現 状 プレヒアリングは インサイダー取引の温床になるとして 2007年に禁止された 国内のみ適用され、海外では行うことが可 能! しか し
増資インサイダーに関する規 制 新株割り当て先公表 日本では証券会社が増資先の企業に 新株の売り手先を伝えることができない 企業は自らの増資にどんな投資家が応じたか を 知ることができない なぜ公表することができないの か
増資インサイダーに関する規 制 新株割り当て先公表 バブル期 値上がりが確実だった新株を発行企業からの指示で 特定の個人や企業に優先的に配分 一部の投資家のみ優遇 規制当局は発行企業の介入を防ぐために 企業が新株の割り当てに直接関与することを禁止!
増資インサイダーに関する規 制 新株割り当て先公表 規制当局は発行企業の介入を防ぐために 企業が新株の割り当てに直接関与することを禁止! 証券会社は新株の割り当て先をチェックされない → 証券会社の裁量が広がる 悪用すれば、ヘッジファンドに対し、 内々に空売りの決済に必要な新株を渡すことが可能 増資インサイダー抑止のため 日証協は今年半ばをめどに 新株配分先を発行企業に開示することを 義務づける方向で最終調整 そこ で!
論点 増資インサイダー取引の防止