木造住宅の耐震補強への取り組み 名古屋工業大学社会開発工学科建築系 助教授 井戸田 秀樹 ■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」
木造住宅の耐震補強への取り組み 自己耐震診断の問題点について 本プロジェクトにおける耐震補強の進捗状況 耐震補強のこれだけは知っておきたい 自己耐震診断の問題点について 本プロジェクトにおける耐震補強の進捗状況 耐震補強のこれだけは知っておきたい
自己耐震診断の問題点について 自己耐震診断における わが家の耐震診断の存在意義と問題点 自己耐震診断における わが家の耐震診断の存在意義と問題点 ■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」
自己耐震診断の意義 耐震補強の推進 – 所有者が自分の住宅の耐震性能を理解・把 握 – 現状のリスクを正しく認識 – 住宅の耐震性能に関心 自己耐震診断(わが家の耐震診断)の存在意義 本プロジェクトで自己診断の実施 → 130戸 以上 耐震補強の推進 – 所有者が自分の住宅の耐震性能を理解・把 握 – 現状のリスクを正しく認識 – 住宅の耐震性能に関心 自己耐震診断(わが家の耐震診断)の存在意義 本プロジェクトで自己診断の実施 → 130戸 以上 ■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」
耐震診断結果 耐震判定 1.5以上 安全です 1.0~1.5 一応安全 です 0.7~1.0 やや危険 です 0.7未満 倒壊または大 破 壊の危険があ ります 耐震判定 1.5以上 安全です 1.0~1.5 一応安全 です 0.7~1.0 やや危険 です 0.7未満 倒壊または大 破 壊の危険があ ります ■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」
自己耐震診断 啓蒙 → 簡便さ 啓蒙 → 簡便さ 精密診断や耐震補強(お金がかかる) を実施する動機付け 精密診断や耐震補強(お金がかかる) を実施する動機付け 精度は? → 少なくとも安全側(厳し 目) 精度は? → 少なくとも安全側(厳し 目) 自己診断 ←→ 専門家による精密診断 (比較検証) 自己診断 ←→ 専門家による精密診断 (比較検証) 啓蒙 → 簡便さ 啓蒙 → 簡便さ 精密診断や耐震補強(お金がかかる) を実施する動機付け 精密診断や耐震補強(お金がかかる) を実施する動機付け 精度は? → 少なくとも安全側(厳し 目) 精度は? → 少なくとも安全側(厳し 目) 自己診断 ←→ 専門家による精密診断 (比較検証) 自己診断 ←→ 専門家による精密診断 (比較検証)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 精密診断の実施 自己診断実施者に精密診断実施の依頼 自己診断実施者に精密診断実施の依頼 56戸の所有者から了解 56戸の所有者から了解 → 住宅を訪問し精密診断を実施 → 住宅を訪問し精密診断を実施 精密診断の実施者 精密診断の実施者 → 名工大教官+4年次学生 → 名工大教官+4年次学生 「木造住宅の耐震精密診断 (建築防災協会) 」に 準拠して実施 「木造住宅の耐震精密診断 (建築防災協会) 」に 準拠して実施 自己診断実施者に精密診断実施の依頼 自己診断実施者に精密診断実施の依頼 56戸の所有者から了解 56戸の所有者から了解 → 住宅を訪問し精密診断を実施 → 住宅を訪問し精密診断を実施 精密診断の実施者 精密診断の実施者 → 名工大教官+4年次学生 → 名工大教官+4年次学生 「木造住宅の耐震精密診断 (建築防災協会) 」に 準拠して実施 「木造住宅の耐震精密診断 (建築防災協会) 」に 準拠して実施
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 建築年代 1982年以降(1 4) 1951年~1981年 (39) 1925年以前 (3) 1926年~1950 年(0)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 建築面積 50m 2 以下 (2) 50~100m 2 (15) 100~150m 2 (36) 150m 2 以上 (3)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 わが家の耐震診断表 診断項目 – A. 基礎,地盤 – B. 建物の形 – C. 壁の配置 – D. 筋かい – E. 壁の割合 – F. 老朽度 診断項目 – A. 基礎,地盤 – B. 建物の形 – C. 壁の配置 – D. 筋かい – E. 壁の割合 – F. 老朽度 ■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 耐震判定(総合評点) 1.5以上 安全です 1.0~1.5 一応安全 です 0.7~1.0 やや危険 です 0.7未満 倒壊または大 破 壊の危険があ ります 耐震判定(総合評点) 1.5以上 安全です 1.0~1.5 一応安全 です 0.7~1.0 やや危険 です 0.7未満 倒壊または大 破 壊の危険があ ります 判定指標 = A×B×C× D×E×F 判定指標 = A×B×C× D×E×F A. 基礎,地盤 B. 建物の形 C. 壁の配置 D. 筋かい E. 壁の割合 F. 老朽度 偏心率 壁量
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 評点算出のフロー 実地調査
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 総合評点 壁仕様別精密診断評点 自己診断評点 = 0.109
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 地盤・基礎 老朽度
基礎・老朽度 精密診断評点 自己診断評点 =0.260 基礎老朽度
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 偏心率に関わる項目(1)
偏心率に関わる項目(2)
偏心率 所有者 専門家 (精密診断法 計算で算出)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 偏心率(2) 専門家 (精密診断法 計算で算出) 専門家 (簡易診断法)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 壁量
壁量(1) 所有者 専門家
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 壁の割合の詳細計算 東西方向の壁長さを計算 壁の長さの合計 東西方向の壁長さを計算 ・・ ・・ = 12.0
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 所有者 専門家 壁量(2) 同一図面 から算出
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 壁量の計算間違い 東西方向の壁長さを計算 壁の長さの合計 東西方向の壁長さを計算 = 22.0 × ・・ ・・ = 12.0 ○
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 所有者 専門家 壁量(訂正後)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 まとめ 偏心率関連の評点の精度が悪い → 簡易診断法の限界 → 簡便な計算法が必要? 壁量関連の評点が危険側 → 平面図が描ければ計算ミスを なくすことで精度は大きく向上 偏心率関連の評点の精度が悪い → 簡易診断法の限界 → 簡便な計算法が必要? 壁量関連の評点が危険側 → 平面図が描ければ計算ミスを なくすことで精度は大きく向上
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 本プロジェクトにおける耐震 補強の進捗状況(1) 補強方法を具体的に提示 – 費用 – 適用範囲 – 効果 – 工期 補強方法を具体的に提示 – 費用 – 適用範囲 – 効果 – 工期
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 本プロジェクトにおける耐震 補強の進捗状況(2) モデル住宅を複数業者で耐震診断 耐震補強案の提示 費用,適用範囲,補強効果,工期,等を公開 セミナーで議論 – 補強業者の公募(12月末),耐震診断の実施 (1月) – 補強方法の公開セミナー(2月頃) モデル住宅を複数業者で耐震診断 耐震補強案の提示 費用,適用範囲,補強効果,工期,等を公開 セミナーで議論 – 補強業者の公募(12月末),耐震診断の実施 (1月) – 補強方法の公開セミナー(2月頃)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 耐震補強の これだけは知っておきたい 精密診断なき補強はあり得ない 建築士に相談 補強費用の理解と確認 精密診断なき補強はあり得ない 建築士に相談 補強費用の理解と確認
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 耐震補強方法(1:基礎)
耐震補強方法(2:土台)
耐震補強方法(3:仕口)
耐震補強方法( 4 :耐力壁)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 耐震補強方法( 5 :ラーメン補 強)
■ 名古屋工業大学「東海・東南海地震防災合同プロジェクト」 参考ホームページ 静岡県ホームページ 「耐震ナビ」 日本建築防災協会 日本建築学会