18.交通社会における運転 者の資質と責任 イラスト)「神奈川県警察」 より イラスト)シートベルト 家族みんな 素材集-交通安全 「神奈川県警察」
①主体要因 (体調を整えて運転する・運転技術) ・シートベルトの着用( 1985 年義務 化) 乗車中死者の58.4%が未着用( 2001 年) ・チャイルドシートの着用( 2000 年 4 月義 務化) 幼児を守るのは、運転者の責 任 生命の尊重 自分も他人も 安全な運転のための資質 イラスト)「神奈川県警察」 イラスト)チャイルドシート 素材集-交通安全 「神奈川県警察」
②環境要因(周囲の状況に注意す る) ・携帯電話、カーナビゲーション( 1999 年 禁止 ) 28 人死亡 2418 人負傷 2 人死亡 205 人負傷 ③車両要因(車両の特性を把握す る) ・死 角 … 車体の構造上みえにくい範 囲 ・車両点 検 ・二輪車 (日常点検・定期点検・車 検) ( 転倒しやすい・危険性が高 い )
交通事故の責任 ①刑事上の責任(罰金刑・懲役 刑) 危険運転致死傷罪 2001 年 ②民事上の責任(損害賠 償) ③行政上の責任(免許停止・取り消し処分 など) 交通事故の補償 自動車損害賠償責任保険(強制保 険) 任意の自動車保険(民間保険会社) 交通事故の責任と補償
夢であれば早く醒めてほしいと何度思った事でしょう。朝、駅まで送り 「行ってきます」と笑顔で別れた娘と言葉も交わすことなく、病院での変 わり果てた姿との対面になろうとは。 1995年10月25日夕暮、当時高校2年生の長女は通学帰りの歩行中、 後から来たワゴン車に撥ねられ即死。わずか17歳でその全てを奪われ ました。現場は千歳の市道で、歩道のない直線道路。事故原因は、カー ラジオの操作に気をとられた運転者が、赤いかさをさした娘に気づかず、 5メートル余りも撥ね飛ばすという重大過失の「前方不注意」でした。 修学旅行を3週間後に控え、本当に楽しそうな高校生活の娘でした。その 日は友だちとの買い物の誘いを断り、家族と夕食を共にするため帰路を 急いだ優しい娘でした。髪や服装にこだわり、センス良く着こなすスタイリ ストの娘で、妹や母親と互いにアドバイスしていました。思春期特有の親 に対する反発も峠を越え、これから本当に良い母娘、父娘の関係ができ ると楽しみにしていた矢先でした。 手記「17歳で交通死した娘からの問い かけ (1999年7月道警交通部編集「癒されぬ輪 禍」より
遺された私たち家族の生活は一変しました。朝起きて食卓を囲めば、そ こに居るべき長女の爽やかな笑顔はなく、2度とあのさっそうとした姿を みることも、優しい声を聞くこともできません。娘がボーイフレンドからも らいう受け「サム」と名付けて可愛がった犬を、娘に代わって散歩させる 度に娘の無念を思います。街で娘に似た後ろ姿をみては立ち止まり、テ レビを見ても、場面ごとに娘を連想し時に涙が溢れます。旅行に出ても 家族キャンプや家族旅行の長女の笑顔が浮かびます。家族4人の楽し かった思いでの全ては、淋しさと娘の無念さを思う悔しい過去に変わっ てしまいました。 3年以上経った今も、娘のことを思わぬ日はなく、涙しない日はありま せん。「果無し」という言葉が今の私たちの心境に最も近い言葉なので す。私と妻は次女の存在だけを支えに、張り裂けそうな悲しみに耐えて 生きています。娘は病魔と戦ったわけでもなく、避けがたい自然災害に 巻き込まれたわけでもありません。娘に何らの過失も無かったことは裁 判でも明らかにされました。娘は一方的に、人為的な強制力限りない未 来とそのすべてを奪われたのです。私は娘の仏前で未だに「安らかに」 という声はかけられません。 千尋からいつも「私がどうしてこんな目に遭わなくてはならなかったの?」 「私がその全てを奪われたこの犠牲は報われるの?」と問いかけられて いるような気がするからです。
「娘の死を無駄にして欲しくない」これが遺された者の痛切な願いです。 歩行者、自転車という交通弱者が車に轢かれたという報道に接するた びに、最大の人権侵害が日常的に横行している現実に「これでは娘が 浮かばれない」と胸が痛みます。その意味では多くの遺族が訴えている ように、交通犯罪に対する刑罰の軽さも指摘しなければなりません。娘 の加害者も重大過失でありながら、禁固1年は執行猶予つきで、実刑な しの寛刑です。厳罰の適用で交通犯罪を無くし、歩行者保護を徹底する とともに、生活道路での歩車分離や公共交通機関の整備など抜本的施 策を切に望みます。娘からの「問いかけ」に答えるために。 この手記を書かれた前田氏のホームページを紹介します。 (交通死-遺された親の叫び)