海上コンテナ輸送における 船社戦略についての検 討 流通情報工学課程 99760 増森 大輔 指導教官鶴田 三郎 黒川 久幸
研究背景・目的 船社戦略モデル 船社戦略についての検討 まとめ 目次
研究の背景 劇的な急変 1970 年代 1000TEU 級 が主流 急激な大型化 現在の主流船型 5000TEU 級 海運アライアンスの変遷
研究の目的 検討の必要性 密度の経済性 範囲の経済性 ネットワークの経済性 船社の取るべき戦略の意思決定支援 船社戦略モデルの構築
目次 研究背景・目的 船社戦略モデル 船社戦略についての検討 まとめ
船社戦略モデルの全体像 サービス一覧 船社行動モデル荷主行動モデル船社行動モデル 最適行動 規模の経済性 の優れた船社が自社貨物を多く獲得する
荷主モデルの目的関数 荷主における費用最小化 船社別1 TEU あたりの運 賃 船社別のコンテナ配分量 :決定変数
船社における利益最大化 船社モデルの目的関数 1 TEU あたりの運 賃 コンテナ流動量 航路開設状況 年間のコンテナ輸送 費 :決定変数
世界のコンテナ需要データ
船社データ 国際輸送ハンドブック: 2000 年 Others :現状表現のための仮想 船社 COSCO+K-Line+Yangming :小型船を用いる船社 Maersk Sealand :大型船を用いる船社
モデルの妥当性 実績値と算出結果の航路別船腹量での比較 実績値: 2000 年版 国際輸送ハンドブック
目次 研究背景・目的 船社戦略モデル 船社戦略についての検討 まとめ
船社戦略に関する検討事項 船型を変化させた場合の戦略 「小型化の戦略」をとった場合の 航路開設行動 保有船舶の増加戦略コンテナ需要が変化した場合の戦略
保有船舶の増加戦略 独占市場の形成 制約をはずした場合 429 隻投入 基準値 総利益運賃収入総利益運賃収入総費用 Maersk-Sealand COSCO-K Line-Yang Ming (億 円)
Maersk Sealand 「大型化の戦略」 最大積載量 (TEU) 総利益 ( 億円 ) 基準値
COSCO+K-Line+Yangming 「大型化の戦略」 中途半端な大型化は 利益減少となる 最大積載量 (TEU) 総利益 ( 億円 ) 基準値 Others 社の最大積載量
COSCO+K-Line+Yangming 「小型化の戦略」 最大積載量 (TEU) 総利益 ( 億円 ) 基準値 Others 社の最大積載量 「小型化の戦略」は堅実な戦略
積み残し状況と 「小型化の戦略」時の航路開設行動 COSCO 2000TEU COSCO 1500TEU COSCO 500TEU COSCO 1000TEU 開設航路状況 200,000TEU 以上 200,000TEU ~ 50,000TEU
目次 研究背景・目的 船社戦略モデル 船社戦略についての検討 まとめ
まとめ( 1 ) 船社の取るべき戦略の意思決定支援を行うた め、船社戦略モデルを構築した。 この船社戦略モデルを用いて検討を行い、船 社の船型及び航路開設行動に関する戦略には、 「大型化の戦略」 の他 「小型化の戦略」 があることがわかった。
まとめ( 2 ):「大型化の戦略」 密度の経済性の追及により、現需要において は、平均船型 6000TEU 程度の大型化が利 益向上となる。 中途半端な大型化は利益減少となり、他社の 平均船型を上回ることが利益向上につながる ことがわかった。よって、資本投入の決定が 重要であると言える。 「大型化の戦略」 は、他船社の 戦略を考慮し、自社戦略を決定す る寡占市場であると言える。
まとめ( 3 ):「小型化の戦略」 「小型化の戦略」のほうが資本投入を考慮して堅実 な経営戦略であると考えられる。 往復路における、 「積載率の向上戦略」 で利 益向上となることがわかった。 「小型化の戦略」 はニッチ市場への進出で あると言える。
アジア地域における Feeder 輸送の現状
74 年を 100 とした場合の 港湾コンテナ取扱量
コンテナ積み残し状況 積み残し貨物量 500,000TEU 以上 200,000TEU 以上 1,000,000TEU 以上 200,000TEU ~ 50,000TEU 一方路の貨物量だけが多い航路 往路・復路とも、ある程度の貨物量がある航路
「小型化の戦略」における 航路開設行動 COSCO 2000TEU COSCO 1500TEU COSCO 500TEU COSCO 1000TEU 開設航路状況 200,000TEU 以上 200,000TEU ~ 50,000TEU
コンテナ需要予測を基に 需要を変化させた場合 最大積載量( TEU ) 総利益 ( 億円 ) 現在:総利益 ( 億円 ) 5 年後:総利益 ( 億円 ) 10 年後:総利益 ( 億円 ) 10 年後の最適船型 5 年後の最適船型 現需要の最適船型 基準値
コンテナ需要を等倍させた場合 需要 1.6 倍の最適船型 最大積載量( TEU ) 総利益 ( 億円 ) 1.0 倍:総利益 ( 億円 ) 1.2 倍:総利益 ( 億円 ) 1.4 倍:総利益 ( 億円 ) 1.6 倍:総利益 ( 億円 ) 需要 1.2 倍の最適船型 需要 1.4 倍の最適船型 需要 1.0 倍の最適船型 基準値
需要増加に対する船型増加
船社戦略モデルの構造 荷主行動モデル A 船社行動モデル B 船社行動モデル C 船社行動モデル A 船社 積み残し貨物 最適配船行動 サービス一覧 最適配船行動 と B 船社の
COSCO+K-Line+Yangming 「小型化の戦略」:費用利益率
COSCO+K-Line+Yangming 「大型化の戦略」:積載率
COSCO+K-Line+Yangming 「小型化の戦略」 :積載率
荷主モデルの制約条件 荷主の貨物配分量 コンテナ需要量
船社モデルの制約条件( 1 ) コンテナ船の最大積載 量 船社の所有船舶数 就航隻数 航海回数
船社モデルの制約条件( 2 ) 航海回数 コンテナ需要量
コンテナ輸送費用の構成
コンテナ輸送費用の定式化 運航費 船費
運航費 燃料費 入出港費 燃料油単価 航海距離 燃料消費量係数 排水量 航海速力 最大積載量 航海回数
船費 船員費 修繕費 償却費 利息 修繕費係数 就航隻数 償却費係数 利息係数 船価 船員数 船員費単価
研究の目的 アライアンスの変遷・コンテナ船の大型化 船社戦略モデルの構築 船社の取るべき戦略の意思決定支援 船社戦略モデルの構築 船社の取るべき戦略の意思決定支援
アライアンスの変遷 14 グルー プ 6 グルー プ
コンテナ船型の推移
海運業における規模の経済性 密度の経済性 範囲の経済性 ネットワークの経済性 神戸商船大学 吉田茂 :「ネットワークサービスとコンテナ船の大型化」 より 密度の経済性とは、船舶の大型化による経済性 ネットワークの形態変化による経済性 範囲の経済性は、異なるサービス間の 資源の共同利用による経済性