日本で成功する LCC の研究 西田 梨花
LCC とは・・・ LCC とは、ローコストキャリア( Low Cost Carrier )の略で、格安航空会社 を指す。基本的に単一機材を使い、過密ダイヤで運行している。また、座 席間隔を狭くして座席数を増やし、さらに機内食を有料にするなどしてお り、新たな収益モデルを確立している。同時にブランケットやイヤホンな どを備え付けていなかったりと、あらゆる面でコストカットを図り、それ らを運賃に反映させ、低価格の航空券を販売している。近年、日本にも海 外の LCC が多く就航し、その破格の価格設定が話題となっている。日本では、 ピーチ・アビエーションやジェットスター・ジャパン、エアバニラなどが これにあたる。 LCC の対義語として FSC が挙げられる。 FSC とは、フルサービスキャリア ( Full Service Carrier )の略で、基本的に機内食やヘッドホン、アメニティ等 を無料で提供するなど、フルサービスを行う航空会社を指す。日本では、 大手航空会社である ANA や JAL がこれにあたる。
LCC の問題点(1) LCC の一番の問題として、遅延や欠航が多いという点が挙げられるだ ろう。遅延の原因としては、 LCC の経費節約のために行われている、一 つの飛行機を効率よく運行させるために、駐機時間を大幅に短縮して いることが関係している。このダイヤ設定は LCC の最大のコストカット の核でもあるため、遅延・欠航については今後もしばらくは解決され ない課題となっていくことが予想される。
LCC の問題点(2) ● ピーチアビエーション ● JAL
体験 ● 目的 実際にLCCのサービスをより知るために、実際に搭乗体験を行った。 乗り心地や値段の他に、サービス面や接客、チェックインや手荷物など搭 乗にかかる手間について重点的に見ていった。 ● 内容 ピーチ・アビエーション2回 ジェットスター・ジャパン2回 ● 時期 2013年9月~10月
アンケート調査 ● 目的 LCC の認知度や、サービス面、安全面でのイメージを調査する。また、 消費者にとって、安さがどの程度魅力的に映っているのか、安さがサー ビス面、安全面のイメージを損なっていないかを調査する。 ● 対象・性別 大学生(18才~23才)・男女、合計41人 ● 実施時期 2013年10月中旬
アンケート結果(1) ● LCC に乗ったことがありますか (乗った理由) 「ツアーよりも個別で手配した方 が安かったから」 「交通費を安く済ませたかったか ら」 (乗らなかった理由) 「 LCC に乗るタイミングが今まで になかった」 「安全性に疑問がある」 ※実際に乗った人の平均搭乗金額 7071円
アンケート結果(2) ● 飛行機に乗るのに、安すぎて不安 (乗りたくない)と思う金額はいくら ですか? ● 飛行機に乗るのに、安い(乗ってみたい)と 思う金額はいくらですか? 平均 2622 円 平均 436 2円
結論 (1) 機内食の充実 (2)FSC と一線を画する接客のスタイル (3) PR 活動、安全性のアピール → 安さをアピールしていくのではなく、 FSC とは違う魅力で勝負していく ことが必要とされるのではないか。
まとめ 日本で長期的に LCC を運営していくには、安さを追い求めるよりも 顧客満足度の向上に努める必要がある。そして顧客満足度を挙げるた めには、日本人特有のきめ細やかな接客や、本来 LCC では削られるべ き機内サービスの充実などが今後、求められていくであろう。また、 LCC 最大の特徴である安さが仇となり、安全性のイメージを損なって いるということも明らかとなったので、今度は、「 LCC は安全安心」 という PR もより行っていく必要があるとされる。