初級ミクロ経済学 -消費者行動理論- 2014年9月29日 古川徹也 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
消費者行動理論の目的 消費者が消費するような財・サービスの市場で,需要曲線が右下がりとなるための理論的基礎を与える。⇒「なぜ右下がり?」に答えるもの。 労働市場において,労働供給曲線が右上がりとなるための基礎を与える。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
個別需要曲線と市場需要曲線 消費者行動理論で導く需要曲線は,個別需要曲線と呼ばれる個々の消費者の需要曲線。 通常の需要・供給曲線図で使う需要曲線は,個別需要曲線を水平方向に足し合わせた市場需要曲線 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
合理的な消費者 消費者に関する合理性の仮定:消費者は,予算制約の下で効用を最大化する。 予算制約:①所持金,②所得(給料),③稼げる金額,というどの意味でもよいが,いずれにしろ上限がある。 効用:満足度のこと。食べたり飲んだり,サービスを受けたりすることで,「うれしい」と思うような気分。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
予算制約とは 予算制約(所得の制約):選択の範囲が限られていると言うこと。 選択の範囲が限られてない=欲しいものを無限に手に入れることができる。 選択の範囲が限られている=欲しいものを手に入れる範囲が限られている。 「限られている」ことを,図を使って示してみよう。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
基本モデル いま,世の中に2種類の財しかないと仮定する(この仮定は,これからしばしば出てくる)。 それらを第1財,第2財と名付ける。 第1財の消費量または需要量を ,第2財の消費量または需要量を と表す。 それぞれをどれだけ消費または需要しているかを,図に表すと・・・ 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
座標と消費 平面上における点が,消費の組み合わせも表していると考える 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
支出額を式で表す 第1財の価格が1万円,第2財の価格が2万円であったとする。 第1財を ,第2財を だけ購入したとき,支出額はいくらか?支出額を とする。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
支出額がちょうど10万円になる 組み合わせは? 第1財,第2財の価格が同じ場合に,支出額がちょうど10万円になる第1財,第2財の組み合わせを表す式は? これを書きなおすと 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
支出額がちょうど10万円になる 組み合わせを図に表す 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
ポイント:図や式で考える ミクロ経済学では,図や式で考えることが多い。 人々の行動を「式」や「図」で理解すると,言葉で理解するよりも誤解が少なくなる。 このようにイメージできる力は,きっと将来役に立つはず。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
対応関係 第1財の消費量(購入量=需要量) ⇒ 平面の第1座標 第2財の消費量(購入量=需要量) ⇒ 平面の第2座標 支出額 ⇒ を使った式 ⇒ 平面の第1座標 第2財の消費量(購入量=需要量) ⇒ 平面の第2座標 支出額 ⇒ を使った式 ある一定の支出額を満たす購入量の組み合わせ ⇒ 平面の右下がりの直線 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
支出額が10万円を超えない 組み合わせは? 第1財,第2財の価格が同じ場合に,支出額が10万円を超えない第1財,第2財の組み合わせを表す式は? あるいは これを書きなおすと 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
支出額が10万円を超えない 組み合わせを図に表す 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
消費者の目的と図の関係 消費者は,三角形の中で自分の効用を最大にする組み合わせを選ぶ。 効用に関して「どちらの財も,多ければ多いほど望ましい」という仮定をおくと,内側は選ばれない。 通常は,等号が成立する組み合わせ(直線上)だけを考えれば十分である。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
一般的な表現とプライステイカー それぞれの価格を特定せずに, とする。 所得も特定せずに, で表す。 それぞれの価格を特定せずに, とする。 所得も特定せずに, で表す。 すると予算制約は,不等号を入れなければ, と表せる。 プライステイカーの仮定:各消費者は,価格と所得を与えられたものとして行動する。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
一般的な表現 このような直線を、予算線と呼ぶ。 2014年9月29日 初級ミクロ経済学
相対価格の変化 相対価格低下 相対価格上昇 2014年9月29日 初級ミクロ経済学