学校における食育の推進
学習指導要領の改訂 第1章 総則 第1 教育課程編成の一般方針 3 (前略)特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,体育科の時間はもとより,家庭科,特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。 「食育の観点もふまえつつ・・・」
家庭科改訂の趣旨 改善の基本方針: 心身ともに健康で安全な食生活のための食育の推進を図るため,食事の役割や栄養・調理に関する内容を一層充実するとともに,社会において主体的に生きる消費者をはぐくむ視点から,消費の在り方及び資源や環境に配慮したライフスタイルの確立を目指す指導を充実する。
教員養成における 「食に関する指導」の教育 小学校免許取得者 家庭教材研究・小学校専門家庭 小学校専門生活・総合演習 中学校家庭科免許取得者 食物関連科目 大学院 総合教育特別研究
小学校免許取得者 食に関する指導の手引から 「食に関する指導の内容」 食に関する指導の全体計画・年間計画 「食に関する指導の内容」 食に関する指導の全体計画・年間計画 栄養教育と食事教育の観点を踏まえた 授業案の作成
食に関する指導の手引 文部科学省 平成19年3月作成
学校における 食育の推進の必要性
食育基本法(H17制定) 食育推進基本計画(H18-22) 第3 食育の総合的な推進に関わる事項 1.家庭における食育の推進 第3 食育の総合的な推進に関わる事項 1.家庭における食育の推進 2.学校における食育の推進
食事の重要性 心身の健康 食に関する 指導の6つの目標 食品を 選択する能力 感謝の心 社会性 食文化
食に関する指導の内容① 食事の重要性(食事の重要性、食事の喜び、楽しさを理解する。) 心身の健康(心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事のとり方を理解し、自ら管理していく能力を身に付ける。) 食品を選択する能力(正しい知識・情報に基づいて、食物の品質及び安全性等について自ら判断できる能力を身に付ける。)
食に関する指導の内容② 感謝の心(食物を大事にし、食物の生産等にかかわる人々へ感謝する心をもつ。) 社会性(食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を身に付ける。) 食文化(各地域の産物、食文化や食にかかわる歴史等を理解し、尊重する心をもつ。)
栄養教育と食事教育 食育 栄養教育 食事教育 食品の知識 食卓での会話 選択する能力 我が家の味 など など 身体的健康 精神的健康
食事の重要性 栄養教育の視点 食事教育の視点 体の健康 社会性 食に対する 感謝の念 食文化 食品を 選択する能力 豊かな人間性
6つの目標の視点から、食に関する指導の実践の現状について考えてみましょう (個人→グループ) <全体での共有> どの目標? 場? 紹介したい実践 実践する上の課題 など
食事の重要性 心身の健康 食に関する 指導の6つの目標 食品を 選択する能力 感謝の心 社会性 食文化
―学校全体での系統性を持った指導推進のために― 食に関する指導の 全体計画の作成
特別支援学校における全体計画
幼稚園における全体計画 「楽しく食べる子どもに ~食からはじまる健やかガイド~」 (財団法人 日本児童福祉協会)
受講生の勤務校の計画状況 作成への関わりについて 連携(学内・学外)
学内での連携 学校全体での 取り組み (教師間) 栄養教諭との連携 養護教諭との連携 学内研究 研究会
学校園における 食に関する指導の実際
食に関する指導を行うにあたって ①実態を把握 ②課題を見出す ③目標を設定する(全体計画参照) ④計画を立てる ⑤実践する(家庭での実践を促す) ⑥評価する
場:学校給食・昼食の時間、各教科 特別活動、総合的な学習の時間 全校集会、委員会活動、クラブ活動 形態:講義、演習 体験活動(栽培、調理、実験、見学など) 対象:全校、学年、学級、異学年
生活科:給食から学ぶ 今日の給食にどれだけの人が関わっているだろう? 調理員さん、栄養士さん、農家の人、漁師さん、牛乳を運ぶ人、牛乳を配達する人・・・・・
家庭科:弁当作り 香川県綾南小学校
「弁当の日」は柔軟に無理なく取り組もう (福岡・福岡市立下山門小学校) 給食のない日を選ぶ 「お手伝い」からのステップアップで保護者も安心 子どもの力に合わせてコースを設定 <4年生> ○完璧コース:子どもの力だけでつくる。買い物とご飯は 家族の協力を得てもOK。 ○おすすめコース:親と子どもが一緒に台所に立ってお弁当をつくる。 ○ベーシックコース:おにぎりをむすんで、お弁当におかずをつめる。 ○エンタコース:つくった人に感謝の言葉を表現豊かに伝える。
家庭科:弁当作り 小学校5年後半から6年生にかけての実践 1.弁当作りのポイント 2.主菜作り 3.副菜作り 4.計画 5.弁当作り
家庭科:牛乳の不思議(実験)
味覚教育 分析力・表現力を高め 「自分を知る」 「相手を敬う」 力が育つ 五感を使って 味わう
家庭科:味覚授業
総合学習:松阪牛からの学び 畜産現場・屠殺場の見学 調べ学習→発表会 版画絵本の作成 松阪牛を使った 給食献立の作成
食育科 愛知県西尾市立寺津小学校 生活科や家庭科の授業時間を振り替え、総合学習の観点を加味して、隣接する寺津中学校と小中一貫で正式な教科としている。 食をテーマにする授業を導入することで給食の食べ残しがなくなったり、感謝や思いやりといった豊かな心の育成、親子・人間関係の構築など、児童・生徒だけでなく家庭や地域にも変化が現れている。
中学校選択家庭科:弁当作り 回 授業内容 第1回 弁当作りのポイントについて1 第2回 弁当作りのポイントについて2 調理実習の計画 第3回 調理実習「主菜作り」 第4回 調理実習「副菜作り」 第5回 第3,4回 調理実習の報告 弁当の献立作成 第6回 調理実習「弁当作り」 第7回 弁当作りの報告会
この実践をきっかけに・・・・ ・「いただきます」「ごちそうさま」 ・弁当を通しての親子の会話 ・「今度作る時は・・・」「家でやってみたい」
中学校理科+家庭科: ニジマスの解剖と調理 食と命を考える授業
中学校家庭科:保育実習 近隣の幼稚園の園児向けの食教育教材を作成し、実践を行う 自分よりも年下の子どもたちに「教える」という経験から、新しい知識を学び、自分自身の生活を振り返ることができた
中学校学活・道徳 誰でもできる実践を →道徳、学級活動における実践 ↓ 家庭科、保健の授業との関連を考える 学内での研修会
幼稚園(保護者):講演会・調理実習
幼稚園(保護者):レシピ集作成
味覚週間は1990年、料理評論家のジャン=リュック・プティルノー氏と砂糖業者団体の提唱で始まった。毎秋、全国各地で討論会、関係施設の一般公開、市、農場見学などの多くのイベントが開催され、大勢の食の愛好家で賑わう。味覚週間は何よりもまず、教育を目的としている。3,000人を超えるシェフや職人が学校を訪れ、子どもたちに味覚の基本を教える。他方、大人たちは星付きレストランで、お得な期間限定の特別メニューを味わえる。 味覚のレッスン 1990年のイベント創設以来、学校を舞台とする味覚のレッスンは、味覚週間に欠かせない活動の一つである。毎年、大勢のシェフや食の職人が、全国各地の教育機関で授業を行う。 味覚アラカルト 格付けレストランは、塩味もしくは甘味のある料理と、フランス内外のブドウ畑で生産されたワインとの調和をテーマに特別メニューを用意する。グルメファンにとっては、意外性が生みだす妙味に舌鼓を打つ絶好の機会となる。 全国でイベント開催 フランス全国でイベントが開催される。具体的には、臨時の市、一般公開の日、商業イベント、祭り、味覚ラリー、シンポジウム、討論会、見学などがある。これらの催しは市役所、県会、商工会議所、ホテル学校、市民団体、美術館・博物館、県会で受章した農業者、ANIA(全国食品産業協会)加盟企業などが中心となって企画され、食を愛する大勢の人々で賑う。 味覚の才人 今や国民的行事となった味覚週間では、2005年から味覚の才人コンクールが開かれている。有名シェフで構成される審査委員会によって、カテゴリーごとに6人の受賞者が選ばれる。「味覚の才人賞」の授賞式はパリのエドワール7世劇場で、ジャン=リュック・プティルノー氏が司会を務め、多くの著名人が出席して行われる。
高校での実践 フードマイレージ メディアリテラシー 実験・実習
授業以外での実践 全校集会:「○×クイズ」 給食委員会、保健委員会、栽培委員会など 料理クラブ
学内外の教員の連携 三泗地区 指導書・食教育教材づくり 「学級活動」での実践 担任と栄養教諭のT・T 伊賀地区 生活実態アンケート 指導書・食教育教材づくり 「学級活動」での実践 担任と栄養教諭のT・T 伊賀地区 生活実態アンケート 担任と栄養教諭が連携して実践研究 教材・指導資料づくり、実践交流 小学校6年間の指導計画作成
家庭との連携 ~保護者を巻き込んだ実践~ PTA活動:親子料理教室、レシピ集の作成 参観日 家庭訪問での確認 実習などへのお手伝い要請 保護者への発信:学級だより、学年だより 保健だより、給食だより
家庭での食育の実践ポイント 共食を増やそう 食事を楽しい雰囲気で 毎日の食事を工夫 (望ましい食事の見本) 調理体験・ 「食」を話題に 1.食事が楽しいと感じるような雰囲気作り 2.「共食」の機会を増やす:コミュニケーションを図る。テレビはみない 3.毎日の食事の工夫(望ましい食事の見本を) お弁当の工夫・・・給食のようにバランスのとれた食事の見本であるよう 4.調理体験や生活体験(手伝い等)の場を積極的に設ける 5.「食」を話題にする機会を増やす・・・給食だより 調理体験・ 生活体験を増やそう 「食」を話題に
学校給食を生きた教材として 活用した食育の推進
学校給食の役割 健康の増進、体位の向上 給食時間、教科、特別活動、総合的な学習の時間などでの活用
給食の時間における 食に関する指導の特質 実践活動 習慣化 個に応じた指導 教科等の学習との関連
学校給食を活用した指導の流れ 各教科等において学校給食を活用することによって、児童生徒に栄養バランスのとれた食事内容や食についての興味・関心を引き出すなど、多様で高い教育効果が得られる
全学年への給食指導 キャラクター:かみかみ星人 1分クイズ 漢字:「咀嚼」 俳句:目に青葉 山ほととぎす ○○○○○ 漢字:「咀嚼」 俳句:目に青葉 山ほととぎす ○○○○○ 実物を見せる、実物に触れる
学校における食育の推進の評価
評価の基本的な考え方 ・各教科等における個々の食に関する指導に対する評価 ・全体としての食育の推進体制等の評価
評価の方法 学校の実状や児童生徒の実態に応じて目標を適切に設定することが重要 「食に関する指導の6つの目標」 P(Plan)→D(Do)→C(Check)→A(Action) 計画 実践 評価 改善・修正 次の実践へ P(Plan):目標とともに目指すべき成果やそれに向けた取組に関する計画。事前の実態調査を綿密に行い、指導計画をたてる。 D(Do):計画に基づいた実行即ち指導。 C(Check):評価。指導の効果等を評価。 A(Action):評価の結果を踏まえ、修正すべき点は修正をし、更に次の指導へとつなげ、目標達成へ導く。
食教育教材・サイトの紹介
食生活指導用教材(文部科学省)
そのまんま料理カード
農林水産省:なぜ?なに?食育!!
(財)食品産業センター:あぐりチャンネル
(財)食品産業センター:あぐりチャンネル「イネ」のページ
5 A DAY 協会ホームページ
野菜350gはどれくらい? トマト 中1/2個(プチトマトなら5個)、ほうれん草 約3株、にんじん 中1/2個、キャベツ 大きめの葉1枚、もやし 少量パック(150g)の半分
食生活情報サービスセンター:e-shokuiku.com
食事の重要性 心身の健康 社会性 食品選択能力 食文化 感謝の心 学校における食に関する指導 教員・保護者の 意識向上 心身の健康 社会性 食品選択能力 食文化 感謝の心 学校における食に関する指導 給食 多様な主体から 学ぶ 系統的 体系的 組織的 継続的 意欲的・積極的に 取り組める 「食育の推進に関する施策についての基本的方針」のなかの学校における食育に関連するキーワード 体験活動 楽しく実践できる 家庭での実践へ