医療面接(生活指導)に使える解決志向アプローチ(SFA) 平成28年6月11日 第8回日常診療交流会 胃腸科藤クリニック 藤洋吐
診察の前日 「また中性脂肪が高くなっている。 やはり、私の手には負えないな。今度こそ 転院の話をしなければ・・・」
診察の当日 「奥さんの料理が多すぎて・・・」 「会社の仕事が営業で・・・」
医療は問題探し、 患者さんには解決探し。
解決志向アプローチ (Solution Focused Approach, SFA) 「なぜできないのか。」から 「どうすればできるのか。」
医療面接 失敗例 Aさん 57歳 男性 メタボリック症候群
「食習慣は大事ですよね。取り組み具合を1 から10でいったら?」 「うーん、そうですね。3ぐらいですかね。」 「どうして4までいかないのでしょうか?」 「付き合いが多くて・・・なかなか断れないん です。」
「どうして断れないんですか?」 「お客さんからのお誘いは・・・」 「お客さんより、ご自分の身体のほうが大切 でしょう。」 「・・・・」
医療面接 成功例 Aさん 57歳 男性 メタボリック症候群
「食習慣はだいじですよね。取り組み具合を 1から10でいったら?」 「うーん、そうですね。3ぐらいですかね。」 「3ですね。2ではなく3とおっしゃったの は・・・?」 「お菓子はやめているんです。」
「お菓子やめているんですね。どうやってやめれた のですか?」 「勧められても断っているんです。夜の接待よりは 断りやすいです。」 「へー、そうなんですね。周りの人は何ておっしゃっ ていますか?」 「娘が「頑張っているね。」と言ってくれました。」 「他には、どんなことに気づかれましたか?」
「会社より自分を大切にしようって思ったんです。」 「会社は家族と違って老後の面倒まで見てくれませ んよね。」 「なるほど、その通りですよね。 ではその取り組みが3から4になる為には、どんな ことならできそうですか?」 「そうですね。夜の接待も断れなくても飲む量を少し は減らせると思います。」
解決志向(SF) 3つの基本哲学 1、壊れていないものを直そうとしない。 2、上手く行っている事を繰り返す。 3、上手くいっていないなら、違うことをやる。
子供に 「宿題しなさい。」 「後片付けしなさい。」 3年間言い続けているんです。
例えば、 「今日は宿題あるの?」 「あるよ。」 「明日は野球あるの?」 「じゃあ宿題は今すぐやってもいいけど、後で やってもいいよね。」 「・・・じゃあ今からやる。」
コップに水が半分ある。 「半分ある。」プラス思考 「もう、半分しかない。」マイナス思考
解決志向(SF) 7つの戦略 1、OKメッセージ 2、プラットホーム 3、フューチャーパーフェクト 4、リソース 5、スケーリング 6、スモールステップ 7、フォローアップ
解決志向(SF)の戦術(スキル) プラス思考 オウム返し セルフコンプリメント 周囲との関係(関係性の質問) 他には・・・ 自己肯定感、自己効力感 ミラクルQ コーピングQ サバイバルQ ソリューショントーク
6月19日 日本コーチ協会福岡支部 「いいところ探しが変える職場の空気 ー解決志向(SFA)の社風改善」