障害者の災害時に備えた 危機管理対応について

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障害者の災害時に備えた 危機管理対応について 2011.11.22 社団法人秋田県手をつなぐ育成会 合同協議会 障害者の災害時に備えた 危機管理対応について 岩﨑 惠美子

この東日本大震災が私達に教えてくれたこと 1.電気が止まる・・・・    ・エレベーター、駐車場、 2.地震には津波がついてくる    ・海辺の人とその後ろの開発した住宅地の人の経験の差、知識の差    ・津波では車では逃げない    ・高い所へ逃げる    ・施設の開放・・・・高速道路なども 3.都市での大きな揺れによって出た、さまざまな障害    ・看板の落下、アーケードや大きな施設の天井の落下    ・高層マンション、ビルなどでの被害・・・・階層によって異なる     ・タワーパーキングの脆さ

この東日本大震災が私達に教えてくれたこと 4.避難所のあり方    ・市で決めた避難所の場所の適否    ・数の少なさ    ・自治体が管理しやすいように纏めたことでの問題点       …指定避難所以外には支援せずなどの問題が続出 5.輸送手段の混乱が支援を遅らせた(ガソリン、軽油・・・そして灯油など)    ・輸送手段がないために遺体の搬送にも十分行えなかった。    ・被災直後は薬、慰留関係者など、医療に関係するものの     輸送、配送が上手く行かなかった 6.災害の種類や程度によって、災害医療は異なる    ・津波での溺死がほとんどで、緊急の医療は少なかった    ・地域医療の実態が反映された状況があぶり出された       …高齢者、生活習慣病、

この東日本大震災が私達に教えてくれたこと 7.帰宅困難者・震災難民    ・仙台市ではアーケード街などで過ごす人、ホテルなどで過ごす     人が多かった。    ・駅は天井などが壊れて人を入れることが出来ずに・・・    ・街では特に若者・・・行き場所のない若者が多く見られた。      若者の多くはお金もなく、避難所にも入れず、               所属する仕事場も被災してゆく所がなくなり、      路上生活者が増えた。

震災に影響した要因 1.季節 2.人口…都市、町、村など 3.地域(海か都市か、山か・・・) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4.日頃の地域住民習慣・・・・教育 5.自治体の考え方・・・危機管理能力 6.町内会の力

個人でできる最低限度の準備 1.食べ物 2.トイレ 個人でも可能・・・・・バケツ、ペットシーツ 老人や子供のオムツなどを使用 3.水は必ず用意 「冷蔵庫の中の物を食べる」・・・・と言うけれども揺れて恐怖心で 自宅に居れない 「3日目には支援物資が届く」・・・と言われてきたが、あまりに被害 地域が広く、来なかった。 ※一番困ったこと・・・・ガソリン、灯油がなかったこと → 経産省が大手と組み、統制 → 病院、消防などは困り、地元の小さな 企業から分けてもらう

東日本大震災での医療上の問題点 多くが溺死、低体温 外傷などは流されて傷を受けた人がほとんどで、家、家財道具等の下敷きなどは少ない   外傷などは流されて傷を受けた人がほとんどで、家、家財道具等の下敷きなどは少ない 生活習慣病患者が多く、薬を持ち出せなかった。   急変などへの対応

地震・津波による災害時に注意する感染症 災害初期 避難場所での感染症 ・インフルエンザ ・ノロ ・呼吸器疾患(風邪など) +粉塵による喘息などの呼吸器疾患の悪化 ・ケガ、転倒などによる感染症 土壌中の病原体による感染症 ・破傷風 ・レジオネラ症 数週間後 水溜りに蚊などが繁殖 →日本脳炎 食料品、ゴミ、瓦礫などのなかでハエが発生 食べ物のゴミなどでネズミが繁殖 →レプトスピラ症、ハンタ腎出血性症候群

被災地域の衛生昆虫の発生状況 ・ 瓦礫の中の生ゴミ ・ 津波で流された魚介類 ・ 有機物の多いヘドロ ・ 打ち上げられた海藻   ・ 瓦礫の中の生ゴミ    ・ 津波で流された魚介類   ・ 有機物の多いヘドロ    ・ 打ち上げられた海藻   ・ 動物の排泄物、死体    イエバエ…感染症の媒介に関わる→今回は発生が少ない    キンバエ    クロバエ(人の住居などには入ってこない)    ニクバエ 等

被災地域の衛生昆虫の発生状況 ◆蚊類 ・通常は淡水で発生 ・汽水に発生する蚊・・・トウゴウヤブカ ・津波で出来た水溜りでは塩分濃度が高いため コガタアカイエカ ヒトスジシマカ → 発生は見られていない。 ◆その他の衛生昆虫 ヒゼンダニ ブユ、ヌカカ、ネコノミ トコジラミなど 写真:国立感染症研究所

衛生昆虫のリスク ★★ 危険性中程度 ★ 低い ▪ 極めて低い ★★ イエバエ …腸管感染症 ★ コガタアカイエカ …日本脳炎 ★ ヒトスジシマカ …デング熱 ★ ヒゼンダニ …疥癬 ▪ ヒトスジシマカ …チックングンヤ ▪ アカイエカ …ウェストナイル熱 ▪ コロモジラミ …塹壕熱、発疹チフス ▪ ノミ …ペスト イエバエ コガタアカイエカ ヒゼンダニ コロモジラミ 写真:国立感染症研究所

東日本大震災の人的被害 ■死者数 15,696人(8月13日現在) 6,434人(阪神淡路大震災) 行方不明 4,666人 ■死亡原因 1.水死 92.5% 2.圧死、傷害死 4.4% 3.火災による焼死 1.1% 4.原因不明 2.0% ■年齢 9~20歳代 4%以下 60~69歳 19.1% 70~79歳 24.0% 80歳以上 22.1%

グローバル化 グローバル化…大航海時代に起源がある 本格的に始まったのは19世紀 疾病の世界的な流行 世界経済の変化    本格的に始まったのは19世紀 世界経済の変化  ・貿易の発達(物流ネットワークの発達)  ・異文化交流の機会増加  ・政治的な一元化  …WTO、IMF   ◆競争が世界規模になる …コスト   ◆地球規模化   ◆社会問題の世界化 疾病の世界的な流行 地球全体の環境問題 紛争への世界的関与

今回の震災で学んだこと !電源が消滅する ⇒自家発電の燃料の確保・・・・日常的に何時も満タン ⇒車も満タン ⇒冷蔵庫への食料の備蓄も   ⇒自家発電の燃料の確保・・・・日常的に何時も満タン   ⇒車も満タン   ⇒冷蔵庫への食料の備蓄も   !電話は通じなくなる   ⇒携帯電話は集中するために繋がらない。 しかし、メールは繋がる !家族との連絡を決めて置く    …家族も被害に遭っている可能性がある。     家族との連絡が取れなくとも消息を伝える手段を     決めておく。     家族が来るまで預かる覚悟は必要。

今回の震災で学んだこと !自分達で3~4日は生きることを考えて計画する必要がある。 自治体には限界があり、助けを求めても期待できないこと   自治体には限界があり、助けを求めても期待できないこと   を覚悟する必要がある。   !離れた地域の仲間との連携は大切   離れた仲間からの支援に助けられた。   近い仲間では、同じように被害を受けている可能性がある。   日頃からの交流で関係を蓄積する。 !地震の後には津波がくるとの前提で行動する。   車で逃げるのは危険。ただし、地震直後なら可能である。   津波は直ぐには来ない。   高台の逃げ場所を常日頃から想定しておく。  情報はカーナビなどで知ることが出来る。(テレビ代わりになる)

今回の震災で学んだこと ★常備すると良いと思われたもの ・頭を守るもの・・・ヘルメット ・気候などに対する備え 寒さ・・・低体温症   ★常備すると良いと思われたもの   ・頭を守るもの・・・ヘルメット   ・気候などに対する備え      寒さ・・・低体温症      暑さ・・・熱中症   ・飲み水   ・3日分くらいの食料   ・タオル、毛布など

今回の震災で学んだこと 避難所での感染症対策 ノロウイルス感染症やインフルエンザ程度など・・・  ノロウイルス感染症やインフルエンザ程度など・・・    手洗いができないので、アルコールなどの消毒手洗い    ハイターなどを準備しておく ハエなどの発生は見られたが、発生したハエ自体心配ない。   インターネットの発達した社会ではネットを使って、 必要な支援を求めることが可能になった。   → 隣近所の人々の支援も必要。     町内会、地域の民生委員など、医療機関

今回の震災で学んだこと 災害に対する恐怖心が強く、人々は避難所に集まる。 大勢でいることによって、安心感がある。   ある程度の時間が経たないと解決しない問題は多い。