平成21年11月26日 於:福井商工会議所 松岡会計事務所 坪田幸裕 緊急資金繰り対策 ~金融機関の融資対応について~ 平成21年11月26日 於:福井商工会議所 松岡会計事務所 坪田幸裕
緊急資金繰り対策として取扱っている商品 要 件 融資限度額 期間 経営安定資金 資金繰り円滑化資金 設備資金・運転資金 8,000万円 要 件 融資限度額 期間 経営安定資金 ① 最近3か月間の平均売上高が 前年同期比3%以上の減少 ② 最近3か月間の平均売上総利 益率または平均営業利益率が ほか、いずれか 設備資金・運転資金 8,000万円 7年以内 据置1年 以内を含む 資金繰り円滑化資金 ① 上記①、②の要件の他、 H21.3.31以前に借り入れた 県の制度融資の借入残高を有 すること。 ② 経営改善計画に基づき返済条 件の緩和を図ることにより、 資金繰りおよび経営の改善が 期待できること の全てを満たすこと 借換資金・事業資金 10年以内
事例紹介 ①返済月額の変更 既存借入 借換 毎月の返済額が30万円減少 H18年借入 借入額 3,000万円 返済期間 5年 既存借入 H18年借入 借入額 3,000万円 返済期間 5年 返済月額 50万円 H21年 返済残高 1,200万円 返済期間 残り2年 借換 借入額 1,200万円 返済期間 5年 返済月額 20万円 借換後 返済残高 1,200万円 返済期間 残り5年 毎月の返済額が30万円減少
事例紹介 ②借入額を増額して運転資金を捻出 既存借入 借換 月額返済額を変えず、3,000万円の資金を捻出 H18年借入 既存借入 H18年借入 借入額 3,000万円 返済期間 5年 返済月額 50万円 H21年 返済残高 1,200万円 返済期間 残り2年 借換 借入額 4,200万円 返済期間 7年 返済月額 50万円 借換後 返済残高 4,200万円 返済期間 残り7年 月額返済額を変えず、3,000万円の資金を捻出
保証協会って何? ※注意 保証協会が代位弁済を 行っても、債務者が返済 の義務を免れるというわ けではありません! ①保証申込 ③融資 中小企業者 ※注意 保証協会が代位弁済を 行っても、債務者が返済 の義務を免れるというわ けではありません! ①保証申込 ③融資 ④返済 ⑥返済請求 金融機関 保証協会 ⑤代位弁済 ②保証承諾
金融機関の融資までの流れ 決算書 信用格付 方針検討
金融機関 信用格付とは? 公共的・社会的役割 信用格付 債務者区分 返済不能リスクを測定 金融機関が倒産しないために、貸出についてリスク管理を行う 金融機関 信用格付 債務者区分 返済不能リスクを測定
信用格付と債務者区分 正常先 リスク 信用格付 債務者区分 低 高 要注意先 破綻懸念先 実質破綻先 破綻先 ① リスクなし ① リスクなし ② ほとんどリスクなし ③ リスク些少 ④ リスクはあるが良好水準 ⑤ リスクはあるが平均的水準 ⑥ リスクはやや高いが許容範囲 ⑦ リスク高く管理徹底 ⑧ 警戒先 ⑨ 延滞先 ⑩ 事故先 正常先 リスク 要注意先 破綻懸念先 実質破綻先 破綻先 高
正常先 要注意先 債務者区分について 業績が良好であり、かつ財務内容にも特段の問題がないと認められる債務者 元本返済もしくは利息支払いが事実上延滞しているなど、財務内容や貸出条件に問題がある債務者
破綻懸念先 実質破綻先 債務者区分について 現状では経営破たんの状況にはないが、今後経営破たんに陥る可能性が大きい債務者 法的、形式的な経営破たんの事実は発生していないものの、今後再建の見通しが立たない債務者
債務者区分について 破綻先 法的・形式的な経営破たんの事実が発生している債務者
信用格付はどうやって決まる? ①定量評価 ②定性評価 決算書を元に、数量的に分析・評価 (客観的評価) 赤字 or 黒字 債務超過かどうか 決算書を元に、数量的に分析・評価 (客観的評価) 赤字 or 黒字 債務超過かどうか 収益力と借入金残高は適正か(借入償還年数) など ②定性評価 決算書に表れない部分を分析・評価 (主観的評価) ヒト(経営者の資質、経営方針、後継者の有無・・・) モノ(商品・サービス、市場、競合他社・・・) カネ(資金繰り) コンプライアンス(法令遵守) など
定量評価:当期純利益 当期純利益 黒字 単年度・一過性の赤字 赤字 連続赤字 返済できるのか?できないのか?
定量評価:債務超過かどうか 負債の 方が多い! 全財産を売却しても借金を返済できない!(債務超過) ※建物は築50年で、売却価値は0 決算書の貸借対照表 貸借対照表の実態 流動資産 800 流動負債 300 流動資産 500 流動負債 300 回収不能 売掛金 300 固定負債 400 固定負債 400 自己資本▲200 自己資本 300 負債の 方が多い! 全財産を売却しても借金を返済できない!(債務超過) 固定資産 200 建物 200 ※建物は築50年で、売却価値は0
借入償還年数 定量評価:借入償還年数 実態借入金÷キャッシュフロー (当期純利益+減価償却費) 実態借入金 (当期純利益+減価償却費) 実態借入金 ※実態借入金=借入金総額-運転資金-現預金
実態借入金と借入償還年数 実態借入金= 借入金総額-正常運転資金(収支ズレ)-現預金 実態借入金 正常運転資金 (収支ズレ) 資産 負債 借入金総額-正常運転資金(収支ズレ)-現預金 資産 負債 売掛金・受取手形 買掛金・支払手形 借入金 正常運転資金 (収支ズレ) 在庫 現預金 未使用の借入金 何に使われている? 実態借入金 実態借入金÷CF =借入償還年数
借入償還年数 定量評価:借入償還年数 実態借入金 実態借入金÷キャッシュフロー (当期純利益+減価償却費) (当期純利益+減価償却費) ※実態借入金=借入金総額-運転資金-現預金 ~10年 10年~20年 20年~ 正常先 要注意 破綻懸念先以下
定量評価 定量評価 例 当期純利益 債務超過 借入償還年数 他多数 債務者区分 信用格付
定性評価 方針検討 信用格付 判断基準の例 ヒト(経営者の資質、経営方針、後継者の有無など・・・) モノ(商品・サービス、市場、競合他社・・・) カネ(資金繰り) コンプライアンス(法令遵守) 方針検討 信用格付 19