空間データ(地理情報)の構造 測量学実習 第3回.

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空間データ(地理情報)の構造 測量学実習 第3回

本日の概要 既成図数値化(紙地図空間情報の入力処理) 空間情報の構造 紙地図と数値地図 ハンドデジタイジング スキャニング ラスタとベクタ リレーショナルデータベース 紙地図と数値地図 紙地図 地理情報標準第2版 メタデータ 座標系 空間参照 品質要素

デジタル測量の重要な概念 測量誤差    ↓ 地図の精度 空間データの品質評価 空間データの製品仕様書 電子国土

紙地図のハンドデジタイジング ハンドデジタイザとは、平面上でカーソルまたはペンを当てて、その図形位置情報を計測し、コンピュータに入力する装置で、「座標入力装置」とも言われる。 一般的に、A2サイズ以上のものを扱う装置を「ハンドデジタイザ」といい、それ以下の大きさのものを扱う装置を「タブレット」という。 ハンドデジタイザを使用した地図の入力方法としては、手動図面方式や、コンピュータによる自動図面方式のオートデジタイザなど以下のような方式がある。 表.デジタイザによる入力方式とその特徴 図.ハンドデジタイザ

紙地図のスキャニングとラスタ/ベクタ変換 スキャナとは、手作業のために労力と時間がかかるハンドデジタイザによる入力を自動化するために開発されたもので、「イメージスキャナ」と呼ばれ、自動的に地図を読み込む装置。 既存の地形図の文字や記号をイメージ(画像)情報に変換し、図面を読み取る装置へ転送し、「0」と「1」の情報で表すラスタ型データに変換する。 スキャナには以下の4つのタイプがある。 スキャナヘッド (1)ドラム型スキャナ (2)ビデオスキャニング スキャナヘッド スキャナヘッド 図面の移動方向 図面の移動方向 (3)フラットヘッド型スキャナ (4)ロールフィールド型スキャナ

紙地図のスキャニングとラスタ/ベクタ変換 スキャナによる処理方法 ①スキャナ用図面の作成 ②スキャナによる読み取り(ラスタ化) ラスタデータ ③ラスタ/ベクタ変換(ベクタ化) ベクタデータ ④データの修正 ⑤属性(非空間)データとラスタ(空間) デー  タの結合

ラスタデータとベクタデータ ベクタデータ 実世界の個別の図形で表現  ベクタデータファイルの例   ・CADファイル   ・シェイプファイル   ・イラストレーターファイル など ラスタデータ   実世界をセルで表現  ラスタデータファイルの例   ・CADファイル   ・シェイプファイル   ・イラストレーターファイル など ベクタデータ ラスタデータ

主題属性とリレーショナルデータベース (a) 施設図面 (c) テーブル 実際のGISデータは(a)図のように、メッシュで区切られて何百枚~何万枚の図面で管理している。レイヤにはレイヤ番号が付与され、それぞれのレイヤテーブルは属性にリレーションが存在する。 (b) メッシュレイヤ構造

紙地図 紙地図は、下記のような多様な分類ができる 一般図 ⇔ 主題図 実測図 ⇔ 編集図 大縮尺地図 ⇔ 小縮尺地図  紙地図は、下記のような多様な分類ができる 一般図 ⇔ 主題図 実測図 ⇔ 編集図 大縮尺地図 ⇔ 小縮尺地図 基本測量図 ⇔ 公共測量図 ⇔ その他の地図 現況図 ⇔ 計画図 陸図 ⇔ 海図 紙地図 ⇔ 立体地図・触地図など ⇔ (電子地図) 測量図 ⇔ 絵図 ⇔ 絵地図 ⇔ 認知地図          古地図  イラストマップ(鳥瞰図・虫瞰図)

絵図(古地図)  主な絵図には、下記のようなものがある。 行基図 荘園絵図 国絵図 町絵図 村絵図(検地絵図) 地租改正絵図 皇国地誌附図

土地所有関係の法的地図 地籍図 地籍調査によって作成された地図 1/500が多い 法17条地図(土地登記簿付属地図) 地籍図   地籍調査によって作成された地図   1/500が多い 法17条地図(土地登記簿付属地図)   地籍図   土地改良事業・土地区画整理事業等の土地所在図   など 公図(土地台帳付属地図)   不正確な見取り図

紙地図の表記 真位置 建物記号の場合 建物の内部に記号を示せない場合、建物に対して示す記号の位置を、建物の上、下、右、左の順に選択。 紙地図の表記  真位置 建物の記号 (1) ~(4)の順に表示位置を選定 建物記号の場合  建物の内部に記号を示せない場合、建物に対して示す記号の位置を、建物の上、下、右、左の順に選択。 平面図形の場合   記号の中心点 側面図形の場合  記号の下辺中央 破線の交点が真位置

紙地図の表記 取捨選択 表示する項目の選択や、項目の一部を選択 総描 まとめて1つに表す 屈曲の数を減らして表す 転位 紙地図の表記  取捨選択   表示する項目の選択や、項目の一部を選択 総描   まとめて1つに表す   屈曲の数を減らして表す 転位   近接した地物を真位置から移動して表示する 表示の際の記号化による拡大と転位

地理情報標準第2版(JSGI2.0) ISO/TC211によるISO19000シリーズに準拠して作成(ただしISO/TC211を網羅しているわけではない) ISO19000シリーズ      ↓ 地理情報標準第2版 公共測量作業規定 製品仕様による数値地形図データ作成ガイドライン(案)

地理情報クリアリングハウス・ゲートウェイ(分散検索システム) メタデータとクリアリングハウス メタデータ  空間データを説明するためのデータ データ記述(データのタイトル、作成日付、内容の説明など) データの所有者 アクセス経路 アクセス権 データの変更度 クリアリングハウス  インターネットを使い、メタデータで検索する 地理情報クリアリングハウス・ゲートウェイ(分散検索システム)   http://zgate.gsi.go.jp/

空間参照 座標による空間参照(直接参照) 地形図閲覧サービス http://mapbrowse.gsi.go.jp/  地形図閲覧サービス  http://mapbrowse.gsi.go.jp/ 地理識別子による空間参照(間接参照)  ・住所  ・郵便番号  街区レベル位置参照情報ダウンロードサービスhttp://nlftp.mlit.go.jp/isj/

座標系、測地系、座標参照系 座標系 ・UTM座標系 ・平面直角座標系 測地系 長半径 扁平率  ・UTM座標系  ・平面直角座標系 測地系                  長半径      扁平率  ・ベッセルの地球楕円体 6377397.15m  1:299.152813  ・GRS80          6378137m    1:298.257222101  ・WGS84          6378137m    1:298.257223563 座標参照系  ・座標系 と 原子(緯度・経度・標高等)

座標系(UTM座標系) UTM座標系  現在、国際的に共通して広く用いられていて、日本では、国土地理院が全国整備した、縮尺1/25,000及び1/50,000地形図、そして縮尺1/200,000地勢図等に用いられており、市町村の面積調べ等がこの座標系の基に行われている。    西経180°を基準経線として、6°ごとの経度帯に区分し、全世界を60系とする。投影距離の誤差を相対的に±4/10,000以内に収めるよう座標原点に縮率0.9996を与え、かつ座標原点より東西270km以内を適用範囲とした座標系を設けている。

座標系(平面直角座標系) 平面直角座標系  日本独自の規格でガウスの等角投影法によって表示させ、座標を決めたものである。経度の幅を約2度以内として日本列島を19の区域に分け、各区域ごとに、19個の座標系(plane right coordinates)を設けている。この座標系は、国土地理院発行の縮尺1/2,500及び1/5,000国土基本地図、そして縮尺1/10,000地刑図に用いられている。また、縮尺1/500、1/1,000、1/2,500の地形図作成等の公共測量に広く用いられている。  この座標系はUTM座標系と比較して、位置的に4倍精度の高い地図投影変換が可能となっている。    この座標系の原点は、都府県及び支庁(北海道) の行政界を考慮して設定されている為、実用的であっても経度、緯度に統一性がないのは欠点といえる。

データ品質要素 完全性:地形、地物の漏れ、過剰 論理一貫性:データの構造、データの属性、それらの関係に関する論理的な規則 位置正確度:地物の位置の正確度 時間正確度:地物の時間属性と時間関係の正確度 主題正確度:主題属性の正確度と地物の分類及び関係の正しさ

地形図等の精度 公共測量作業規定第71条 表:作業規定の精度

数値地図の種類 数値地図50mメッシュ(標高) 数値地図250mメッシュ(標高) 数値地図2500(空間データ基盤) 数値地図25000(空間データ基盤) http://www.gsi.go.jp/ ゼンリン http://www.zenrin.co.jp/ ダイケイ http://www.daikei.co.jp/ 東急不動産 パスコデジタルマップ http://www.pasco.co.jp

25000レベルGIS基盤情報  下記の10項目  道路 (位置、名称、国道番号、高速道or一般道、有料or無料、幅員、橋、トンネル、雪覆い)  【ベクタ】  鉄道 (位置、名称、JR線orその他、駅、橋、トンネル、雪覆い)  【ベクタ】  河川 (位置、名称、一条河川or二条河川)  【ベクタ】  水涯線 (位置、湖岸線)  【ベクタ】  海岸線 (位置)  【ベクタ】  行政界 (位置、確定境界or未定境界、都道府県界or市区町村界) 【ベクタ】  基準点 (位置、種類、標高値)  【メッシュ】  地名 (位置、名称)  公共施設 (位置、名称、国or地方公共団体)  標高 (位置、標高値)

2500レベルGIS基盤情報 行政区域・海岸線(町丁目/大字まで区分) ベクタ線情報でポリゴンを構成 点情報(位置参照情報)  行政コード、名称 街区(住居表示の「番」)  ベクタ線情報でポリゴンを構成 点情報(位置参照情報)  街区符号 道路中心線(ネットワーク)  ベクタ線情報で道路ネットワークを構成  主要なものの名称 鉄道、駅 ベクタ線情報、駅については点情報 名称(路線名) 内水面、公園等の場地(都市公園、飛行場等) ベクタ線情報でポリゴンを構成 名称 公共建物 ポリゴン 種別・名称 測地基準点(三角点) 点情報 名称

本日の課題 課題4 下記の内容を報告せよ ・氏名 ・学生番号 ・e-mailアドレス ・実家の住所 ・実家の郵便番号 ・実家の市町村コード   下記の内容を報告せよ   ・氏名    ・学生番号    ・e-mailアドレス    ・実家の住所    ・実家の郵便番号    ・実家の市町村コード    ・実家の街区レベル位置参照情報    ・実家のある位置の1/25000地形図の図名と索引番号    ・実家のある位置の緯度経度(日本測地系と世界測地系とで)

参考URL 国土地理院 (http://www.gsi.go.jp/) GISアクションプログラム2002-2005一部改定(http://www.gsi.go.jp/GIS/icma/icmapdf/actionpro2003.pdf)