和歌山大学全学FDワークショップ「授業改善に向けた私の工夫」

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和歌山大学全学FDワークショップ「授業改善に向けた私の工夫」 大人数授業における授業の工夫 富田晃彦(教育学部) 和歌山大学全学FDワークショップ「授業改善に向けた私の工夫」 2007年12月13日、G-102

富田と石塚教員(教育学部、物理)が担当している 教養科目「宇宙科学」は 受講登録者数が600を越えています。 この授業での担当経験を基に、以下をお話しします。 (1) どんな「やりくり」をしているのか。 ← 私の話の中心 (2) 他の大人数授業での状況を含め、400人を越える授業は   実際成り立たないことが多いことを訴えます。そして、   特定の教養科目に受講者が集中しないような方法の   検討を考えて頂きたいことを訴えます。 (3) ついでながら、FDの催しで、大学教員が来たくなる(?)   仕掛けを考えましょう、と提案します。

大学の授業を担当して、何に気を遣いたいか?  (1) 学問をしっかり伝えたい。  (2) 「伝えたい」より、「伝わるよう」に努力したい。    そのために → 受講生からの反応を大切にし、              双方向対話の環境を作りたい。 大学教員の「クセ」 (あらためて確認)  * 大学で仕事をしているのですから、     大学生が好きな人ばかり(のはず)です。  * 研究(互いに議論すること)が大好き。

やりくり、その1 授業用ウエブサイトを作成し、講義資料、 評価方法等のこまかな連絡、受講生全体 向けの返事などを掲載し、毎週更新。  → 受講生の顔、ひとりひとり見て話すことは不可能になって     しまっている。紙の配布物も不可能に近い。  → こちらからの提供物に、このように力を入れたとしても、     なんだか一方的で残念。

やりくり、その2 出席確認はメール送信で。個別の質問の 返事は富田からメールにて。ただし処理は すべて手作業。  → 流行の技術だからメール、ではなく、     致し方ないという気持ち。  → 毎回の紙資料配布、毎回の出席票回収は実際不可能。

結論: 400人を越えるような授業では、 実際にはやりくり困難 → メールの確認、返事、自習の講義資料の更新に 莫大な時間がかかる。 結論: 400人を越えるような授業では、      実際にはやりくり困難 → メールの確認、返事、自習の講義資料の更新に    莫大な時間がかかる。     授業は月曜日、メールの確認と返事に月-木曜、     講義資料の更新は金-土曜。完全にパンク。 → 受講生の7割(415人)はシステム工学部の学生。     興味を持って頂くことには大変感謝している。     所属学部以外の学生に出会えることは貴重なこと     であり、これについても感謝している。 → 学年での受講制限、開講時限の互いの調整の検討を

他の先生方からも意見を伺って参りました。 400人以上の受講生を持つ、 他の先生方からも意見を伺って参りました。     心理学A (米澤好史先生より)     哲学B (小関彩子先生より)     進路と職業 (佐藤史人先生より)     女性学/男性学 (天野雅郎先生より) 「宇宙科学」での話も総合しての結論  * 授業となれば、全力を尽くす。  * できる限りのことはしており、それなりに好評を得ていると     感じるところもある。  * しかし、あまりの大人数で、力を出し切れない。  * 講義内容によっては、これほどの大人数というのは、     まったく向いていない。受講生にも申し訳ない。

せっかくなので、提案 (特に大学の先生方へ) せっかくなので、提案 (特に大学の先生方へ) FDと聞いて、出かけて行きたくなる雰囲気を考えましょう。 → 授業見学に、FDの面と研究談話会(的)な面を    併せ持たせるのはいかがでしょうか? → 学問内容での質問(それは何でしたっけ?)、議論(別の    観点もあるが、その意見はどうなのか?)、討論(私は    違う立場を持っている!)など、我々が「渇望」している    もの。学生は、この種の「空中戦」も期待している…    のでは? (学生の意見を聞きたい)