GDPとは? GDP(Gross Domestic Product:国内総生産) 一定期間中に一国において作り出された付加価値を合計したもの。これは、一定期間中に一国において作り出された最終財の価値に等しい。 一定期間:通常3ヶ月あるいは1年 付加価値: 生産者が新たにつけ加えた価値。売上-中間財(他の財の 生産に使用する目的で購入される財)購入額 最終財:最終的な使用者によって購入される財。 (財は、生産要素→中間財→最終財と形態変化する。)
名目GDPと実質GDP 名目GDP:現行価格で評価したGDP 実質GDP:基準年の価格で評価したGDP GDPデフレーター:名目GDP/実質GDP 物価をはかる指標の一つ
[例]次のような最終生産物がAとBの2財しか存在しない経済を考える 2000年(基準年) 2001年(現行年) [例]次のような最終生産物がAとBの2財しか存在しない経済を考える 2000年(基準年) 2001年(現行年) ──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 ───────────────────────── A財 50 20 70 30 B財 60 25 80 35 2000年の名目GDP=2000年の実質GDP 2000年のA財の最終財の価値 50円×20=1000円 2000年のB財の最終財の価値 60円×25=1500円 2000年の最終財の価値 1000円+1500円=2500円 2001年の実質GDP 2001年のA財の最終財の価値 50円×30=1500円 2001年のB財の最終財の価値 60円×35=2100円 2001年の最終財の価値 1500円+2100円=3600円 2001年の実質GDP成長率 =(3600円-2500円)/2500円×100=44(%)
[例]次のような最終生産物がAとBの2財しか存在しない経済を考える 2000年(基準年) 2001年(現行年) ──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 ───────────────────────── A財 50 20 70 30 B財 60 25 80 35 2001年の実質GDP成長率 =(3600円-2500円)/2500円×100=44(%) ○(A財の数量+B財の数量)の成長率 {(30+35)-(20+25)}/(20+25)×100=44.4444% ○A財の数量の成長率とB財の数量の成長率の平均 A財の数量の成長率 (30-20)/20×100=50% B財の数量の成長率 (35-25)/25×100=40% (50%+40%)÷2=45%
──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 2000年(基準年) 2001年 ──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 ────────────────────────── A財 1 1 1 91 B財 10000 9 10000 9 2001年の実質GDP成長率 ={(1円×91+10000円×9)-(1円×1+10000円×9)}/(1円×1+10000円×9)×100 =(90091円-90001円)/90001×100 =0.09999999999999 (%) 各財を足し合わせて成長率をとってみたらどうか。 (A財の数量+B財の数量)の成長率 {(91+9)-(1+9)}/(1+9)×100=900% ダイヤモンドの数とりんごの数を単純に足し合わせることに意味があると思えない。
──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 2000年(基準年) 2001年 ──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 ────────────────────────── A財 1 1 1 91 B財 10000 9 10000 9 2001年の実質GDP成長率 ={(1円×91+10000円×9)-(1円×1+10000円×9)}/(1円×1+10000円×9)×100 =(90091円-90001円)/90001×100 =0.09999999999999 (%) 各財の数量の成長率の平均をとってみたらどうか? A財の数量の成長率 (91-1)/1×100=90000% B財の数量の成長率 (9-9)/9×100=0% (90000%+0%)÷2=90000%×0.50+0%×0.50=45000% 無価値なものの生産量の成長率と、価値あるものの生産量の成長率に、50%ずつという等しいウェイトを与えて成長率を求めるのは、いかがなものか。
[例]次のような最終生産物がAとBの2財しか存在しない経済を考える 2000年(基準年) 2001年(現行年) ──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 ───────────────────────── A財 50 20 70 30 B財 60 25 80 35 2001年の実質GDP成長率 =(3600円-2500円)/2500円×100=44(%) ○(A財の数量+B財の数量)の成長率 {(30+35)-(20+25)}/(20+25)×100=44.4444% ○A財の数量の成長率とB財の数量の成長率の平均 A財の数量の成長率 (30-20)/20×100=50% B財の数量の成長率 (35-25)/25×100=40% (50%+40%)÷2=45%
={(50円×30+60円×35)-(50円×20+60円×25)}/(50円×20+60円×25)×100 2001年の実質GDP成長率 =(3600円-2500円)/2500円×100=44(%) 2001年の実質GDP成長率= 44(%) ={(50円×30+60円×35)-(50円×20+60円×25)}/(50円×20+60円×25)×100 ={50円×(30-20)+60円×(35-25)}/(50円×20+60円×25)×100 50円 60円 = ────────── ×(30-20)+────────── ×(35-25) ×100 (50円×20+60円×25) (50円×20+60円×25) 50円×20 (30-20) 60円×25 (35-25) =────────── ×──── +────────── ×──── ×100 (50円×20+60円×25) 20 (50円×20+60円×25) 25 (30-20) 50円×20 (35-25) 60円×25 =──── × 100×────────── +──── × 100×────────── 20 50円×20+60円×25 25 (50円×20+60円×25) =A財の数量の成長率×基準年におけるA財のGDPシェア +B財の数量の成長率×基準年におけるB財のGDPシェア
[例]次のような最終生産物がAとBの2財しか存在しない経済を考える 2000年(基準年) 2001年(現行年) ──────────────────────── 1単位の価格(円) 量 1単位の価格(円) 量 ───────────────────────── A財 50 20 70 30 B財 60 25 80 35 2001年の実質GDP成長率 =(3600円-2500円)/2500円×100=44(%) =A財の数量の成長率×基準年におけるA財のGDPシェア +B財の数量の成長率×基準年におけるB財のGDPシェア ○A財の数量の成長率とB財の数量の成長率の平均 A財の数量の成長率 (30-20)/20×100=50% B財の数量の成長率 (35-25)/25×100=40% (50%+40%)÷2=45% =A財の数量の成長率×50% +B財の数量の成長率×50%
古本屋の売上はGDPに入らない? GDPは、ある一定期間に、どれだけの生産が行われたかを示す指標。 過去の生産されたものに関する取引は、GDPに含まれない。 鈴木さんから田中さんへの中古車の販売は、GDPに含まれない。再販売される中古品の価値は、GDPに含まれない。
古本屋の売上はGDPに入らない? その2 しかし中古自動車販売会社が、中古自動車を販売するために、顧客に行ったサービス(車の展示場を設けたり、宣伝を行ったり、書類を準備したり等)はGDPに含まれる。 年金支払い等の移転支払いは、生産によって生み出された所得を単に移動させるだけなので、GDPに含まれない。
三面等価の原則 生産面からみたGDP =支出面からみたGDP =分配面からみたGDP
[備考]内閣府経済社会総合研究所「SNA・1統計資料・国民経済計算確報・平成14年度確報(平成16年4月19日)・計数票・第1部フロー編 1.統合勘定(1)国内総生産と総支出勘定、及び、4.主要系列表(3)経済活動別国内総生産・名目より作成