保育実践に科学遊びを生かそう ~子どもの好奇心・探求心を育てる~ (科学する心と科学あそび) 2007年7月23日(月) 瀧川 光治(樟蔭東女子短期大学)
1歳2か月頃 1歳1か月頃
4歳児(年中)
5歳児(年長)
(1)好奇心が土台となって、「探索的な活動」を育てることが、「協同的な探求活動」につながる 協同的な探索活動・探求活動 探求的な行動・活動 / 探求心 探索的な行動・活動 / 探索心 好 奇 心 0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 5歳 6歳 小学校
(2)発達に合わせた大きな意味でのねらい 1歳児 探索的な活動を引き出す さわる、試す、くりかえす 2歳児 探索的な活動の幅を広げる さわる、試す、くりかえす、 意識的に試してみる 3歳児 探索的な活動から探求的な活動への橋渡し(探すから探るへ) 意識的に試してみる、 みてみて(自分のやっていることの共感を得る)
4歳児 協同的な探索 活動・探求活動へ さわる、試す、くりかえす、 意識的に試してみる、 みてみて(自分のやっていることの共感を得る)、 みつけたよ(自分の発見の共有) 5歳児 協同的な探究活動を深める みつけたよ(自分の発見の共有)、 ふしぎから問題解決へ
2.「科学する心」とは? 科学する心 = 子どもの好奇心や探索心・探求心 ↓ くすぐられる、誘発される 科学する心 = 子どもの好奇心や探索心・探求心 ↓ くすぐられる、誘発される 子どもの探索的な活動・探求的な活動が生まれる(「?→!」の活動)
3.「好奇心」とは? ○ 「おもしろそう!」「知りたい!」「やりたい!」「私も試してみたい!」という欲求。 ○ 「おもしろそう!」「知りたい!」「やりたい!」「私も試してみたい!」という欲求。 ○ 好奇心が出発点となって,子どもは身の回りの自然や社会的事象について多くの知識を獲得していく。
○ 好奇心のあらわれ ・じーっと見ている → 目的意識を持ったまなざしがある ・繰り返している → 何度も試して確かめている行動 ○ 好奇心のあらわれ ・じーっと見ている → 目的意識を持ったまなざしがある ・繰り返している → 何度も試して確かめている行動 ・喜んでそのことに取り組んでいる様子が見られる → そのことを楽しめている(満足感・充実感)
3.探索的な活動・探求的な活動とは 子ども 探索活動 探求活動 対 象 対象に対する興味・好奇心 対象に対して「?」(なにかな? どこかな? なんで? ふしぎだな?の気持ちを持って、かかわっている (=目的意識を持っている状態)
子ども 対 象 ふしぎ? 何だろう? 探索活動 探す(さがす) 探 探る(さぐる) 子ども 対 象 謎解きの 深まり 探求活動
探索も探求も「?」→「!」の 過程としてとらえる 「こうかな」「こうしてみたら?」 「何だろう?」 ・意識的に試す ・意識的に見る ・予想の確かめ かかわる 対 象 子ども 応答がある 確かめられたことをフィードバック
知的な面と情動的・意欲的な面を 一体としてとらえることの必要性 知識が関係付けられる 目的意識をもった活動(問題解決行動) 気付く・発見する まなざし 考える 感じる 「表にみえる活動」と 「内面」の両側面 全身でかかわる
探求活動/科学する心といっても、科学の原理や法則性を発見することだけに一生懸命にならないで、遊びをどう広げるかという視点を持つことが大事。 小学校教育につながっていく「芽生え」を大事にする。
○ 紙コプター・・・好奇心のイメージづくり、何度もためす(上から落としてみる) → 色紙、両面色紙、画用紙で大きさや色を変えてみる。高いところから飛ばしてみる。 ○ 紙トンボ ・・・どうしたら上手にまわせる(とばせるかな)? 何度もためす → 飛ばし方にこつがいる。羽の角度を変えたり、大きさを変えてみる。
大人としては、予想することの意味を知る、科学の原理を学ぶ ○ ストローの吹き矢 → 遠くに飛ばすには、どうすればよいか。遊び方を広げる。息(空気)の力を知る。 ○ 糸電話 → 長さを変える、素材を変える、遊び方を変える
「トイレットペーパの芯めがね」「ペットボトルで雨水量はかり」「虫眼鏡」など → 自然を知る(探索・探求)のためのツール
○やじろべえ、おきあがりこぼし、ゆらゆらシーソー人形 おもりのはたらきを知る → ゆらゆら上手にゆれるものを作るには、どうすればよいか。
穴おとし、ビー玉ころがし 低年齢のためす・くりかえすおもちゃ 低年齢のためす・くりかえすおもちゃ → 穴の開いた空き箱、ダンボール箱やペットボトルを使って、穴の中に物を入れて落としみる。
トレインカースロープや、レールの上をビー玉が転がる様子をみる。
自分たちでつくるビー玉ころがし、ピタゴラスイッチ どうしたらおもしろくできるか → 年長あたりの協同的な探求活動
ゴム鉄砲、パッチンカエル、ゴムロケット ・・・ゴム動力のしかけ(仕組み)の不思議さ
テーマを持って1週間~数週間 継続できる活動 「光のふしぎ」「風を感じる」「いろいろな音をさがそう」「水に浮くもの沈むものをみつけよう」「春(夏・秋・冬)探しをしよう」「環境マップ」など