と ば たら なら
<仮定条件> この新幹線は京都駅に ○ 着くと/着いたら 5分間停車する。 ○ 着けば/着くなら 5分間停車する。 <既定条件> この新幹線は京都駅に ○ 着くと/着いたら 5分間停車した。 × 着けば/着くなら 5分間停車した。
「と」は自然に必然的の成立する世界 (1) 「と」 条件の「と」(「原形・ない形」+と)は習慣や必然的結果・確定事実を表します。 彼は家に帰ると、パソコンに向かっている。<習慣> 春になると、暖かくなります。<自然現象> 右に曲がると、駅があります。<客観事実> 日が沈むと、急に寒くなった。<既定・過去> 家に帰ると、手紙が来ていた。<発見> 薬を飲むと、病気が治った。 <結果>
特別注意事項 「と」は必然・確定事実の世界なので、依頼「てください」や義務「なけれななりません」や勧告「方ががいい」や希望「たいです」や勧誘「ませんか/ましょうか」など、人間の意志や感情に関係する文末表現を使うことができません。 ボーナスが出ると × パソコンを買おう。 (意志) × パソコンを買ってください。(依頼) × パソコンを買いなさい。 (命令) × パソコンが買いたい。 (希望) × パソコンを買った方がいい。(提案) △ パソコンを買うだろう。 (推量)
「たら」は人為的に成立する世界 2) 「たら」 2) 「たら」 「たら」は個別的・偶発的に成立することや、意志・希望のような人為的な世界を表します。文末で人間の意志や感情に関係する文末表現(助動詞)を使うときは「たら」と覚えましょう。 ボーナスが出たら、 パソコンを買います (未来) パソコンを買ってください(依頼) パソコンを買いましょう(意志) パソコンを買いたいです。(希望) パソコンを買った方がいいです。(提案) パソコンを買うだろう。(推量)
たらの用法 1、仮定 ( 「ば」に置き換えられる場合が多い。 ) 安かったら買います。 特別の場合: ( 「ば」に置き換えられる場合が多い。 ) 安かったら買います。 特別の場合: 実際にはなかったことを仮定して、話し手の後悔や残念な気持ちを表現する用法もあります。 (「ば」 も使われる) お金があったら旅行に行けるのに。 元気だったら水泳をするのに。
2 発見 窓を開けたら海が見えた。 デパートに行ったら休みだった。 3 結果 薬を飲んだら治った。 # 2、3は「と」に置き換えられます。 窓を開けると海が見えた。 デパートに行くと休みだった。 4 確実な未来 王さんに会ったらこれを渡してください。 大阪についたら電話をください。
特別注意事項(一) 習慣・反復の「と」と一回性の「たら」 特別注意事項(一) 習慣・反復の「と」と一回性の「たら」 習慣を表すときに一番よく使われるのが「と」です。「たら」を使うと一回性の出来事になるので、習慣や反復現象には使えないのです。 天気がいいと、僕はいつも公園を散歩します。 彼は家に帰ると、パソコンに向かっている。 彼はいつも食事時間になると、やってくる。 逆に、下例のようなその時だけの一回性の出来事には「たら」が適切です。 ほしいの?ほしかったら、あげますよ。 高かったら、買いませんが、安かったら、買います。
例題1>(a)(b)の中に入る適当なものはどれですか。 母 :家に( a )、いつもテレビの前に座って、ほんとうに困った子ね。試験前になって慌てても、遅いのよ。すぐ勉強しなさい。 子 :うるさいな。この番組が( b )、すぐ始めるよ。 a. (帰ると/帰ったら/帰れば/帰るなら) b. (終わると/終われば/終わったら/終わるなら)
特別注意事項(二) 後件の出来事を当然な事態と受け止めて叙述する 例: 日が沈むと、急に寒くなった。 トンネルを抜けると、そこは雪国だった。 例: 日が沈むと、急に寒くなった。 トンネルを抜けると、そこは雪国だった。 意外感や驚きが現れる 薬を飲んだら、熱が下がった。 彼の家に行ったら、あいにく留守だった。 家に帰ると、妻は夕ご飯の支度をしていた 家に帰ったら、妻は夕ご飯の支度をしていた
<例題2>(a)(b)の中に入る適当なものはどれですか。 学生:だめで元々だと思って、A大学を受けて( a )合格したので、うれしくて…。 先生:おめでとう。ほんとうによかったね。 学生:運がよかっただけです。 先生:ううん。君に実力が( b )、合格できなかったと思うよ。 a. (みると/みたら/みれば/みるなら) b. (あると/あれば/ないと/なければ)
「ば」は人の想念や想像の世界 (3) 「ば」は人の想念や想像の世界 仮定形「ば」は、頭や心の中で描く想像や想念の世界です。そのため、実際に発生したこと(=既定事実)が表せません。いつも「もし=if」の世界なのです。つまり、後件の文末で完了形(「た形」)が使えないのです。 話せば((⇔話したら)、わかってくれる。(判断・推量・期待) 話したら(×話せば)、わかってくれた。(既定・過去)
特別注意事項(一) 「ば」の後ろには普通過去形は来ませんが、次のような文では過去形が来ます。 1) 実際にはなかったことを仮定する。話し手の後悔や残念な気持ちが入ります。 お金があれば旅行に行けたのに。 2) 過去の習慣 子供の頃天気が良ければよく外で遊んだ。
特別注意事項(二) {ば」は前件が状態性の「ある/いる/できる/可能形」や形容詞の時は、「たら」と同様に後件で意志・依頼・義務や希望などが使えますが、動作性の意志動詞の時には使えません。 <意志表現が使えるとき> お金があったら(⇔あれば)、家を買いたい。 できたら(⇔できれば)、わたしにお金を貸してください。 安かったら(⇔安ければ)、買うつもりです。 悲しかったら(⇔悲しければ)、思いきり泣けばいい。 <意志表現が使えないとき> 田中さんに会ったら(×会えば)、よろしくお伝えください。
特別注意事項(三) 「と」と「ば」の区別 明日になると、結果がわかる。 明日になれば、結果がわかる。(≒わかるはずだ/わかってほしい) 「私はお酒を飲むと、顔が赤くなるんです」のように、確定事実には「ば」は使いません。逆に、「努力すれば、きっと合格できますよ」のような例では、合格するかどうか、不確かさも残っているので、「と」は使いにくくなります。
特別注意事項(四) 疑問詞の位置と「ば」「たら」 特別注意事項(四) 疑問詞の位置と「ば」「たら」 「A ばB」文の焦点は前件Aにあるため、疑問詞が前件に来るときには「ば」が使えますが、後件に来るときには使えません。 一方「AたらB」は疑問詞が前件に来るか後件に来るかに関係なく使えます。 どうしたら(⇔すれば)いいですか いつ行ったら(⇔行けば)いいですか こうしたら( ×すれば)どうですか
A :あのうすみません。東京駅にはどう( a )いいでしょうか。 B :あそこに信号が見えますね。そこを右へ曲がって、まっすぐ( b )東京駅です。 a.b. (行くと/行って/行けば/行くなら)
「なら」特殊な仮定の世界を表す 見たり聞いたりしたことを条件にする 「なら」(口語の「んだったら」)は少し特殊な仮定表現を作ります。会話で一番よく使われるのは、相手から聞いたことや、相手の様子を見て知ったことなど、既知のことを条件にする用法で。これ「なら」だけが持つ用法です。この表現は「と・ば・たら」で表すことができません。
<見て> 「ちょっと買い物に行ってきます」 「買い物に行くなら(⇔行くんだったら)、この手紙も出してきてください」 <聞いて> 「今日はボーナスも出たし、なにかおいしいものが食べたいですねえ」 「それなら(⇔それだったら)、今日はどこかで外食しませんか」
特別注意事項(一) 1、「なら」は話し手が他から情報を得てそれをもとに話す時良く使われます。 2、「なら」の後に続く文は、アドバイスや助言や要求や判断になる事が多いです。 3、形容詞、名詞+なら は 二つの用法があります。一つはこの用法でもう一つは「ば」の仮定法です。例:雨なら行きません。
特別注意事項(二) 動詞の「原形+なら」 ご飯を食べるとき、手を洗います。<原形+とき=その前に> ご飯を食べるとき、手を洗います。<原形+とき=その前に> → ご飯を食べるなら、手を洗いなさい。(「たら」は使えない) ご飯を食べるとき、箸を使います。<原形+とき=その時に> → ご飯を食べるなら、箸を使いなさい。(「たら」は使えない) ご飯を食べたとき、食器を片づけます。<た形+とき=その後で> → ご飯を食べたなら、食器を片づけなさい。(「たら」も使える)
上海へ行くなら、船が一番安いですよ。(日本から上海まで船に乗る場合) 上海へ行ったら、船が一番安いですよ。(上海に着いてから、中国で船に乗る場合) 船で上海に行くなら(×行ったら)、予約した方がいいですよ。
A :じゃ、みんな、お先に失礼。 B :李さん、帰るの?( a )、私も一緒に帰るから、ちょっと待って。この書類を課長に( b )、すぐ戻ってくるから。 A :いいよ。そうだ!課長のところへ( c )、ついでにこの企画案も渡してきてくれ。 a (すると/それでは/そうしたら/それなら) b (渡すと/渡せば/渡したら/渡すなら) c (行くと/行けば/行ったら/行くんだったら)
(1) 「と」と「たら」 a. 市役所は二つ目の信号を右に(曲がると/曲がったら)、すぐです。 b (1) 「と」と「たら」 a. 市役所は二つ目の信号を右に(曲がると/曲がったら)、すぐです。 b. 食事が(終わると/終わったら)、勉強しなさいよ。 c. もっと安くして(くれると/くれたら)、買ってもいいよ。 d. 私は船に(乗ると/乗ったら)、船酔いするんです。 e. 山田さんの家へ(行くと/行ったら)、あいにく留守だった。
(2) 「と」と「ば」 a. (寒いと/寒ければ)、ストーブをつけてください。 b. ドアを(開けると/開ければ)、田中さんがいた。 c (2) 「と」と「ば」 a. (寒いと/寒ければ)、ストーブをつけてください。 b. ドアを(開けると/開ければ)、田中さんがいた。 c. 泥棒は警官を(見ると/見れば)、逃げ出した。 d. 部屋に(入ると/入れば)、カレーライスのいいにおいがした。 e. あなたのお父さんが生きて(いると/いれば)、きっと喜んだでしょう。
(3)「たら」と「なら/んだったら」 a. A:ちょっと買い物に行ってきます。 B:買い物に(行ったら/行くなら)、この手紙を出してきて。 b. (結婚したら/結婚するなら)、やさしい人がいいわ。 c. 李君が(来たら/来たなら)、この本を渡しておいてくれない。 d. (飲んだら/飲むなら)乗るな!(乗ったら/乗るなら)飲むな!(交通標語) e. パソコンを(買ったら/買うんだったら)、秋葉原が安いよ。
1 ひまが ( あると あったら ) 手伝ってください。 2 TV を ( つけると つければ ) ニュースをやっていた。 3 コーヒーを ( 飲むなら 飲めば )あの店がいいです。 4 辞書を ( ひくなら ひけば ) 分かります。 5 四月に ( なったら なるなら ) お花見に行きましょう。 6 ( できれば できると) 早く 帰りたい。 7 主人は朝 ( 起きるなら 起きると ) すぐ水を飲む。 8 パスポートが ( 必要だと 必要なら ) 持ってきます。