メディア社会学(第2回) 2009年9月8日(火)
その学際性と固有性 何であれ、比較が重要な学問 1.社会学とは? その学際性と固有性 何であれ、比較が重要な学問
1.1社会学の目的 -行為の意味理解ー 学問分類の中での社会学 本屋さんの分類における社会学 社会学と社会調査 社会学の定義-無数 しかし共通項はあるのでは? → 行為の意味理解
「概念の意味」の延長としての(を支えるものとしての) 「行為の意味理解」 の3水準 [1] 動機、目的 [2] 概念の意味 「概念の意味」の延長としての(を支えるものとしての) [3] 世界観(意味世界)
〔3〕 世界観(意味世界) 究極のもの これを直接問う?→ 社会学の仕事? 宗教家、哲学者の仕事 では、社会学者は? 「人はなぜ生きているか」 「人はどのように生きるべきか」 「人はどこから来て、どこに行くのか」 これを直接問う?→ 社会学の仕事? 宗教家、哲学者の仕事 では、社会学者は?
哲学者等と社会学者の「問い」の対比① 哲学者: 「人はなぜ生きているのか」 倫理学者: 「人はいかに生きるべきか」 宗教学者or宗教家: 「人はどこから来て、どこに行くのか」 社会学者 → これらの「問い」に対する自分自身の答え は棚上げ
哲学者等と社会学者の「問い」の対比② 社会学者の「問い」 「人はなぜ生きているか」 ↓ ×(棚上げ) 「人はなぜ生きているか」 ↓ 「「人はなぜ生きているか」の答えを多くの人はどのようにもっているのか」 「Aの属性の人はBの属性の人より、「人はなぜ生きているか」の答えをCと考えているのではないか」 ×(棚上げ)
哲学者等と社会学者の「問い」の対比③ 上記Aの属性、Bの属性の例 マックス・ウェーバ『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 カルヴァン派とカトリック 属性とは? 宗教、母語、人種、性別、年齢、学歴、職業、年収、居住地、家族構成、その他 変化しづらいもの
哲学者等と社会学者の「問い」の対比④ あるいは別の例 A:「神(仏)の存在はあり、人の行為の目的は他人のために尽くすことにある」と考える人 B:「神(仏)の存在はあるが、人の行為の目的は自分の欲望を満たすことにある」と考える人 C:「神(仏)の存在はないが、人の行為の目的は他人のために尽くすことにある」と考える人 D:「神(仏)の存在はないので、人の行為の目的は自分の欲望を満たすことにある」
哲学者等と社会学者の「問い」の対比⑤ ー「世界観(意味世界)」から「概念の意味」へー 哲学者等と社会学者の「問い」の対比⑤ ー「世界観(意味世界)」から「概念の意味」へー 社会学 の仕事 人々の意味世界の探求 窮極から日常まで 色々な言葉の意味(概念)の相違 人々の意味世界の分岐
〔2〕概念の意味 -概念の多様性と意味世界の分岐の例:「結婚」①ー 以下のどれが「結婚」の必要条件? 1)ひと組の男女がまずいること 2)ひと組の男女(カップル)が愛しあっていること 3)ひと組の男女(カップル)が性的関係を保つこと 4)ひと組の男女(カップル)が性的関係を排他的に独占すること
〔2〕概念の意味 -概念の多様性と意味世界の分岐の例:「結婚」②ー 5)ひと組の男女(カップル)が生活を共にすること 6)ひと組の男女(カップル)が子供を作ること 7)ひと組の男女(カップル)が結婚式をあげて神仏の前で永遠の愛を誓うこと 8)ひと組の男女(カップル)が役所で結婚の書類を書く 9)ひと組の男女(カップル)が家計を一緒にする
〔2〕概念の意味 -概念の多様性と意味世界の分岐の例:「結婚」③ー そもそも「ひと組のカップル(男女)」という表記??? 結婚の必要条件 不明確化 ↓ 結婚概念が曖昧に 「同棲」「事実婚(内縁)」「結婚」「恋愛」 境界不明瞭化
〔2〕概念の意味 -概念の多様性と意味世界の分岐の例:「結婚」④ー 「恋愛」と「結婚」に求める意味合い → 人によって多様化 「恋人関係」の意味合いも ドラマや小説のネタ ある状態に当て嵌める言葉の相違 その言葉の意味合いの相違 家族や男女で
〔1〕動機、目的の多様性 ー「タイプ」の多様性と意味世界の分岐①ー 1.性格 2.容姿 3.地位 4.経済力
〔1〕動機、目的の多様性 ー「タイプ」の多様性と意味世界の分岐②ー 恋愛と結婚を結びつけるのは、どっち? タイプの違い→恋愛観の相違→恋愛という言葉の意味づけの相違→結婚観の相違→人生設計や生きることの意味(何のため、誰のため生きるか)の相違 人物本位の人 物質的安定性本位の人
性規範や結婚を宗教が管理しようとするのは何故?① 性のタブー ・・・ 宗教上の「法」(規範) 結婚式 ・・・ 神の下で誓う 性、愛、結婚←宗教は管理・統制 人々の生き甲斐、窮極の意味世界に関わる 「何故生きているか」が異なる人が、神罰も受けずに生きている ・・・ 堪えがたい
性規範や結婚を宗教が管理しようとするのは何故?② アメリカ大統領選の争点 妊娠中絶禁止・容認 同性愛者の結婚の禁止・容認 パターナリズムかアンチパターナリズムか
〔1〕動機、目的の多様性 「授業」履修理由の多様性と意味世界の分岐① 1.単位取得 2.友達に会う 3.就職に有利な知識を得る 4.知的向上心を満たす ↓ 進学理由、大学選択理由
3つの水準の関わり 具体的な 優先順位 [2] 概念規定 背景 [3]意味世界 [1] 動機 この優先順位に基づく時間やお金の配分 → 具体的な行動(行為)
「自己」概念の多様性① 西欧対東洋の世界観・死生観・自己観 明治期の作家たちの近代的自己の確立の悩み 家族を自分の延長?親戚は? 乃木殉死事件 家族を自分の延長?親戚は? ファン心理 ・・・ 自己の延長? 子供に降り掛かる不幸に対する親の意識 領土問題 ・・・ 国民感情
「自己」概念の多様性② 「親から貰った体を大切にする」 整形、歯の矯正、化粧、マスカラ、アイパット 整形、歯の矯正、化粧、マスカラ、アイパット 売春、売血、臓器売買、子宮貸す、精子バンク 生死の境界 例 臓器移植法 生命維持装置
1.2行為の意味理解の方法① -集団を分けるー 集団の分節化 ・・・ 一枚岩な把握 相互比較 「AよりもBの方がCであるのでは?」 という命題に
1.2行為の意味理解の方法② -「HOW」と「WHY」ー → 行為の意味理解
1.2行為の意味理解の方法③ -「WHY」を知る:クロス集計①ー 時間的に先行する変数(独立変数、説明変数、原因変数)・・・属性など 現在の意識や行動についての変数(従属変数、被説明変数、結果変数) 前者ごとに後者の結果が変わる
1.2行為の意味理解の方法④ -「WHY」を知る:クロス集計②ー 属性や過去の経験、記憶などの変数 原因変数といういい方 WHYの部分に多くかかわる。 属性的な原因変数、過去の経験→世界観、人生観→意識→行動
1.2行為の意味理解の方法⑤ ー「WHY」を知る:クロス集計③比較の観点ー 「Aを知る」 → 「非AとAとを比較することで初めて分かる」 若乃花は小兵か?