第9週(第3章[2]) §2 資金過不足と貯蓄・投資の関係(p.49~65) Q1) 家計部門 Q2) 企業部門 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(先週ここまで) Q3) 政府部門 Q4) 海外部門 Q5) 一国全体 Q6) 制度部門別にみた資金過不足の推移 金融論(第9週)
§2 Q1)Q2)確認 ◆ 家計:収入(所得)-支出(消費+投資) =貯蓄-投資 ◆ 企業:収入-支出(経常支出+利子・配当+投資) ◆ 家計:収入(所得)-支出(消費+投資) =貯蓄-投資 ◆ 企業:収入-支出(経常支出+利子・配当+投資) ◆ 家計、企業のいずれも 貯蓄>投資・・・黒字(資金余剰)→純金融資産の増加 貯蓄<投資・・・赤字(資金不足)→純金融負債の増加
確認:経済学における「貯蓄」「投資」 ◆ 経済学における ・ 貯蓄(S)=所得(Y)-消費(C) ・ 投資(I)=投資財(資本資産)への支出 ◆ 経済学における ・ 貯蓄(S)=所得(Y)-消費(C) ・ 投資(I)=投資財(資本資産)への支出 ◆ 日常語としての貯蓄・投資 ・ 貯蓄=安全資産の保有 ・ 投資=リスク資産の保有 → 共通する部分はあるが、同一ではない。
Q3) 政府部門(財政収支) ◆ 財政収支=財政収入-財政支出 =政府貯蓄-政府投資 ◆ 財政赤字=政府投資-政府貯蓄 ・ 収入=税金+公共サービス手数料の収入 ・ 支出=政府消費+政府投資 ・ 政府貯蓄=税金・手数料収入-政府消費 (バランス・シートは省略) ◆ 財政収支=財政収入-財政支出 =政府貯蓄-政府投資 ◆ 財政赤字=政府投資-政府貯蓄 =負債(国債・地方債)の増加
補足)日本の財政(財務省HPより転載,2011年度)
Q4) 海外部門 [準備]国際収支(Balance of Payment)について 国際収支:日本の居住者と海外の居住者のモノと金のやりとりを全て記載したもの。 ・ 国際収支=経常収支+資本収支+外貨準備増減 +誤差脱漏≡0 ・ 経常収支=貿易・サービス収支 +所得収支+経常移転収支 ・ 資本収支=投資収支+その他資本収支
海外部門の資金過不足 ・海外の収入(=日本の支出) =輸出(日本の輸入)+所得の受取(日本の支払) +日本からの無償援助 =輸出(日本の輸入)+所得の受取(日本の支払) +日本からの無償援助 ・海外の支出(=日本の収入) =輸入(日本の輸出)+所得の支払(日本の受取) +日本への無償援助 ◆ 海外の収入-支出 =貿易・サービス収支+所得収支+経常移転収支 =海外の経常収支黒字=日本の経常収支赤字 (=海外の資本収支赤字) 金融論(第9週)
Q5)一国全体 ◆ マクロ経済でみたISバランス: Y=CH+CF+IH+IF+GC+GI+(EX-IM) ◆ 上の式を、貯蓄の定義式 ◆ 上の式を、貯蓄の定義式 SH+SF =(Y-T)-( CH+CF ) を用いて変形 → IH+IF+GC+GI +EX= SH+SF +T+IM → (SH-IH)+( SF-IF )+(T-G)=EX-IM ※ G= GC+GI
補足)日銀『資金循環勘定』(日銀HPより転載)
Q6)わが国制度部門別資金過不足の推移 テキストp.63(図3-5)参照 ・家計(個人)部門は貯蓄超過(黒字)、ただしそのGDP比率は1990年代以降、低下傾向にある。 ・企業(非金融)部門は1990年代初頭を境に投資超過(赤字)から貯蓄超過(黒字)に転じている。 ・政府部門は1990年代初頭まで緩やかに黒字化が進んでいたが、その後1990年代末まで急激に赤字化した。 ・海外部門は一貫して赤字(日本の貿易黒字を反映)。 ・全てを足し合わせると、事後的にはゼロになる(はず)。
第4章 直接金融の仕組み(予告) §1 直接金融と間接金融(p.69~74) Q1) 企業の発行する短期証券って何? 第4章 直接金融の仕組み(予告) §1 直接金融と間接金融(p.69~74) Q1) 企業の発行する短期証券って何? Q2) 企業の長期資金の調達手段は何? Q3) 直接金融って何?証券会社は何をしているの? Q4) 間接金融って何?銀行は何をしているの? §2 直接金融における情報の非対称性(p.74~78) §3 債券市場と株式市場(p.78~87)
準備 直接金融と間接金融[ガーレイ=ショウの区分] 準備 直接金融と間接金融[ガーレイ=ショウの区分] [直接金融] 資 金 黒字主体 赤字主体 本源的証券 (直接証券) [間接金融] 金融仲介機関 赤字主体 黒字主体 本源的証券 (直接証券) 間接証券 金融論(第9週)
来週の小テストについて(確認) ○ 時間は40分程度、20点満点 ○ 原則として期末テストの得点に全て加算 ○ 資料、電子機器等は使用不可 ○ 時間は40分程度、20点満点 ○ 原則として期末テストの得点に全て加算 ○ 資料、電子機器等は使用不可 ○ 先週配布した解答用紙を使用(メモ欄と裏面は手書きに限り書き込みをして来て良い) ○ 出題形式、各問の配点は昨年度と同じ ○ 講義第1章~第3章(p.5~68)から出題
12月8日アンケート結果 ◆ 0~5の6段階で評価 ① 講義の内容 ② 講義のレベル ③ 講義のスピード ④ 補助資料の適切さ ◆ 0~5の6段階で評価 (5:大変良い 4:ちょうど良い 3:普通 2:やや不満 1:大いに不満 0:問題外) ① 講義の内容 ② 講義のレベル ③ 講義のスピード ④ 補助資料の適切さ ⑤ 講義の評価、感想や要望(自由記述) ◆ 58名が回答
集計結果
⑤ good point ▶ 資料・過去問をもらえる ▶ 内容が適切である ▶ 学生への配慮に好感がもてる ▶ ppt資料が見やすい
⑤ bad point / request ご協力ありがとうございました。 ▶ 講義の要点を絞ってペースアップを ▶ 生徒への積極的な質問 ▶ 練習問題に解答を付けて ▶ 講義のスピードが早いときがある ▶ 具体例がもう少しほしい(2件) ▶ ハウステンボスの件を説明して ▶ 通貨の出所(裏付け?)は何なのか ▶ ppt資料に穴埋めなどを入れて ▶ ppt資料に空きスペースが少ない ▶ 問題演習を増やしてほしい ▶ 小休止として小ネタ(偉人の話)等を ご協力ありがとうございました。