RMP における薬剤疫学
サリドマイドの悲劇 1954年 合成 臨床試験 1956年 市販 抗インフルエンザ薬 1957年 睡眠薬 1960年 副作用の無い万能薬
1960年10月 Kosenow 小児科学会 症例報告x2 1961年6月 McBright サリドマイドの催奇形性を Lancet に投稿したが却下される。 1961年9月 Wiedmann 特殊な奇形急増を報告 1961年10月 Lenz 四肢の特異的な奇形が急増 していることを報告 1960年11月12日 Lenz 患児の母親の言葉がヒント になり、サリドマイドと 奇形との因果関係に着目する 1961年11月15日 Lenz サリドマイド服用妊婦の 14人中13人に奇形 が見られたとして、サリドマイド 製薬会社に電話 1961年11月25日 サリドマイドの販売中止
西ドイツ:3,000人以上が犠牲に。。。 イギリス:サリドマイド販売会社は、海外からの副作用 報告を重視し、自主中止していた。 犠牲者 349人 サリドマイド販売中止後、その独特の奇形をほとんどみなく なったのは、因果関係を証明している。 それにもかかわらず、その後の裁判で、著名な医師や科学者が、その因果関係を否定した。 日本: 1962年9月ヨーロッパの販売停止 から1年遅れる。もっと中止が早ければ 100人の奇形は少なかったかもしれない。。。
アメリカ:FDA「より厳密な安全性審査なしには、 市場販売を認めない」としていた。 FDAの規制にもかかわらず、サリドマイドは1267人の アメリカ人医師により約250万錠が「薬の研究」と称して 19822人の患者に手渡されていた。 うち、3760人は妊娠可能年齢の女性で、624人は妊娠中 であったといわれる。アメリカでのサリドマイド児は17例で、 7例は国外でサリドマイドを入手していた。
FDA設立の歴史的背景 19世紀後半、アメリカでは食品がアメリカ全土に流通するようになり、一定の管理基準が必要になり1906年のpure food and drug act法が制定されます。 この法律は偽った広告や粗悪品を避ける目的でつくられたため、現在のように開発の段階から介入したり国による視察までは認めていませんでした。 しかし時が経つにつれこの法律の不備が指摘されるようになりました。
FDA設立の歴史的背景 1937年diethylene glycol を含む”sulfa drug”のシロップが人で検証されることなく市場で販売され100人以上が薬害により死亡するという悲劇が起こりました。 その後、市場に薬および化粧品が出る前に安全性試験を義務付ける法律が制定されました。 さらに医師の処方が必要な強い薬を分離したのです。また薬の宣伝に関してもFDAが関与するようになりました。
臨床試験へのRCT導入 逆に1938年の法律はかえって製薬会社の独占化を促しました。そんな中、1961年サリドマイド(鎮静剤)事件が起こったのです。 1962年より薬剤開発の曖昧さが指摘され、現在行なわれている原型ともなるべきシステムが構築されました。そして大規模randomized clinical trial (RCT) の必要性が採用されるに至ったのです。 また疾患の自然経過の除外、適切なコントロールの選択、バイアスを無くす工夫など研究デザインも重要視され治験開始前のプロトコール作成が義務付けかれたのでした。
薬物治験の指針 妥当な研究結果を得るための適切なコントロールの選択 用量比較 - randomization と患者and/or 医師のblinding を含む。 無治療群 - 疾患の性格上placebo 効果がかえって不都合な場合 他の治療群 – 既に効果的治療が知られており、薬剤無投与が倫理的に問題な場合(従来の治療薬との比較)。randomization と患者and/or 医師のblinding を含む。 他の研究との比較
薬物治験の指針 明確な調査目的 対象の選択が適当である バイアスを減らすような評価法が採られているか 確認する。通常はblinding を使用する。 対象を振り分ける方法が適当でバイアスを 生じないことを確認する。通常はrandomization によって行なわれるが、年齢、性等により層化 することはかまわない。 薬剤に対する反応性の評価系が確実に 定義され信頼できるものである。
薬物治験の指針 薬剤に対する反応性の評価系が確実に 定義され信頼できるものである。 研究の報告には適切な統計学的結果解析が 含まれていなくてはならない。この領域において 経験豊富な統計学者の参加を必要とする。
Schedule 10/22 (Mon) 10:00 – 10:30: Overview 10:30 - 11:30: ストレス下での意思決定 11:30 – 12:30: 個人で論文を読む 13:30 – 15:30: 各Team でdiscussion 15:15 – 17:30: Large group でdiscussion Company A, Company B, FDA, Academia A, Academia Bでdiscussion (次回の発表に備える)
Schedule 11/9 (Fri) 10:00 – 10:10: Overview 10:10 - 12:00: 立論 Company A, Company B, FDA (One group: 45 minutes) 13:00 – 14:00: 尋問 Academia A, Academia B (One group: 30 minutes) 14:00 – 15:00: 反駁 (One group: 20 minutes) 15:15 – 16:15: 各Team でdiscussion これからのRMPはどうあるべきか? 16: 30 – 17:30: Workshop 各チーム1-2 分で口頭発表+総括
General rules あくまでrole play である点を意識 演技ではあるが、決して相手を強く非難したり、感情的にならないこと 異なる立場の人の考え方を理解
Case
Merck はVIOXX® (rofecoxib) 選択的COX2阻害薬を市場から撤退(2004年9月30日) HP上のコメント Merck & Co., Inc. is a global research-driven pharmaceutical company dedicated to putting patients first. 心血管系イベントのリスクを増大させる可能性 http://www.vioxx.com/rofecoxib/vioxx/consumer/index.jsp
NSAIDs Cox 1 腎血流維持 胃腸粘膜保護 胃潰瘍、消化管出血、穿孔、閉塞 血小板凝集 血栓性疾患 心筋梗塞、不安定狭心症、 脳梗塞 etc. Cox 2 Cyclooxygenase 抗炎症作用 骨関節炎:リウマチなど 鎮痛作用 疼痛、月経困難 Cox 2 inhibitor
COX1: ほとんどの細胞に発現 COX2: 炎症細胞に発現 血小板 血小板 Prostaglandins Thromboxane A2 Prostacyclin (PGI2) Prostaglandins プラス マイナス 胃粘膜保護 腎血流保護 血小板活性化 &凝集 炎症 疼痛 血管拡張 相殺
抗炎症 鎮痛 COX1 & 2 阻害薬 COX1: ほとんどの細胞に発現 COX2: 炎症細胞に発現 血小板 血小板 Prostaglandins Thromboxane A2 Prostacyclin (PGI2) Prostaglandins プラス マイナス 胃潰瘍 腎障害 血小板活性化 &凝集 抗炎症 鎮痛 高血圧 相殺
抗炎症 鎮痛 COX 2 阻害薬 COX1: ほとんどの細胞に発現 COX2: 炎症細胞に発現 血小板 血小板 Prostaglandins Thromboxane A2 Prostacyclin (PGI2) Prostaglandins プラス 胃粘膜保護 腎血流保護 血小板活性化 &凝集 高血圧 抗炎症 鎮痛 普段と同じ状況なのだから血小板凝集は発生しない?
血管に炎症があれば(肥満、高脂血症などのリスク因子が存在すれば)、血小板にはCOX2が発現され、この状態に対してCOX2だけを抑制すれば、thromboxane A2 とprostacyclin のアンバランスを起こし、血小板を凝集させ得る。