研究テーマ 身近なホコリに含まれているものは何か? 研究テーマ 身近なホコリに含まれているものは何か? 発表者:五所川原市立五所川原第三中学校 科学部 ホコリ班 3年生 渋谷和樹 鳴海藍梨 (顧問 近村和律先生) 共同研究受入教員 : 教育学部 教授 安川あけみ (4年生 千田愛弓,3年生 前田圭香,2年生 相馬彩乃)
研究に至った理由 ホコリが出てくる原因がわかれば、ホコリが出ないようにできるのではないか。 という考えに至りました ・いくら掃除をしても出てくるホコリに、「なぜホコリは出てくるのだろう」と思ったから。 ・ホコリを出てこなくすることができるのか? と思ったから。 ホコリが出てくる原因がわかれば、ホコリが出ないようにできるのではないか。 という考えに至りました
予想 ◎実験を始める前に、私たちが考えた中身 ・糸ホコリ 砂ホコリ 土ホコリ 花粉 虫の死骸 植物の種 など ・糸ホコリ 砂ホコリ 土ホコリ 花粉 虫の死骸 植物の種 など ほかにも環境によって変わってくるのではないか と考えた
調べる方法 調べる材料となるホコリの採集(五三中) ホコリの元になりそうなもののサンプルを採集(五三中) 顕微鏡などを使った観察(弘前大学) 繊維鑑別用混合染料を使った繊維の鑑別 (弘前大学)
五三中でのホコリ採集 教室(2ー2) コンピューター室 玄関 の三カ所で採集 教室~ストーブの裏 窓のさん 床の隅 教室(2ー2) コンピューター室 玄関 の三カ所で採集 教室~ストーブの裏 窓のさん 床の隅 コンピューター室~ホウキについていたホコリ 窓のさん 玄関~下駄箱近くのホコリ 入口近くのホコリ
採集したサンプルとその中身 体操服 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ポリエステル(PET)100% 綿100% 綿 / PET混紡 制服(夏服・男女とも) ・ ・ ・ ・ ・ PET65% / 綿35%混紡 制服(冬服・男女とも) ・ ・ ・ ・ ・ PET50% / 羊毛50%混紡 セーター,ベスト,カーディガン ・ ・ 羊毛,アクリル シャツ,ブラウス ・ ・ ・ ・ ・ ・ 綿 / PET混紡 バッグ,手提げ袋 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ナイロン,PET,綿 衣服などから落ちる繊維・・・綿、ポリエステル(PET)、羊毛 アクリル、ナイロン
研究その1 観察 ! 肉眼・・・生物などが生きたまま見られ、すべての範囲にピントが合うが、小さいものが見えない 研究その1 観察 肉眼・・・生物などが生きたまま見られ、すべての範囲にピントが合うが、小さいものが見えない 光学顕微鏡・・・小さいものが見ることができるが、透けてない物の色がわかりにくい 実体顕微鏡・・・小さい物が見え、透けない物の色も見えますが、ピントを全ての物に合わせにくい SEM(電子顕微鏡)・・・高倍率で見れるし、分析装置を付けられるが、真空中なので、生物が生きたまま見れなく、視野がかなり狭くなってしまう
肉眼・実体顕微鏡での観察 肉眼での観察 実体顕微鏡での観察 繊維状のものが多い 砂や土の粒もある(特に玄関に多い) 毛髪もやはり見られた 髪の毛と小さな虫を見ることができた 実体顕微鏡での観察 繊維状のものが多い 砂や土の粒もある(特に玄関に多い) 毛髪もやはり見られた
光学顕微鏡での観察 なめらかな繊維とよじれてる繊維がある 色のついている繊維がある 羽毛のようなものも見られた キューティクルのついているものも見られた
② 繊維の鑑別 ・ ・ ・ 顕微鏡観察(標本を見てみる) ×100 羊毛:表面にキューティクル 綿:よじれ,太さが一定でない PET:太さが一定,滑らか ナイロン:太さが一定,滑らか PET,ナイロン,アクリルなど人工的に作られた合成繊維などは,このような形が基本
SEM(走査型電子顕微鏡)での観察 倍率が高くて全体は見れないが、1000倍ほど拡大できる 羊毛らしきものがある いろんな繊維が絡んでいる
(×1,500) 50 mm (×600) 100 mm 下駄箱近くのホコリには砂のようなものがくっついている 左 花粉? 右 粒子状物質? (×10,000) 10 mm (×10,000) 10 mm
100 mm 30 mm (×100) (×3,000) 左上 チョークの粉? 右上 虫の死体? 小石もみられた
② 繊維の鑑別 ・ ・ ・ カヤステイン(混合染料)による繊維の染色 繊維別の見本 植物原料の紙,綿,レーヨンは同じ色 紙 綿 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 水色~薄緑 ナイロン ・ ・ ・ ・ 緑 アセテート ・ ・ ・ クリーム~オレンジ 羊毛 ・ ・ ・ ・ ・ 緑~青緑 レーヨン ・ ・ ・ ・ 水色~ペパーミント アクリル ・ ・ ・ ・ 赤 絹 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 紺,深緑 PET ・ ・ ・ ・ ・ ・ クリーム,黄土色,オレンジ,赤茶 白い繊維,糸,布でないといけない
実際に染めてみた 染色前のホコリ コンピューター室のカーテン ・・・PETだった! 染色後のホコリ 光学顕微鏡で見た様子
顕微鏡で見えた繊維の色 染色前 : 黒,赤,白 染色後 : 黒,赤,紫,水色,黄色,緑 中学でよく見られる衣服やカーテンの 繊維と考え合わせて 水色 ・ ・ ・ 紙,綿 緑 ・ ・ ・ ・ ナイロン,羊毛 赤色 ・ ・ ・ アクリル,PET 黄色 ・ ・ ・ PET 人の衣服や部屋の中の繊維製品から出たとして矛盾はない
ホコリができる過程 空気中を浮遊 → 床に積もる → 風でまとまり絡まる <自然の風や人が動くことによる風,人からの持ち込み> 身近なホコリに含まれているものは何か? 結果のまとめ 教室のホコリについて * 布製品からの繊維・ ・ ・ ・ ・ ・ 衣服やカーテンなどから取れた繊維 * 紙の繊維 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ティッシュペーパーなどから * 土や砂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 外の土(風に舞って,人に付いて) * 生物 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 生きている虫,死骸,羽毛 *この他,毛髪,チョークの粉,花粉,粒子状物質 など 教室のホコリに比べて * コンピューター室 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 土や砂が少ない,繊維が揃っている * 玄関 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 土や砂が多い,虫や花粉が多い ホコリができる過程 空気中を浮遊 → 床に積もる → 風でまとまり絡まる <自然の風や人が動くことによる風,人からの持ち込み>
繊維には様々な特性を持ったものがあるため、繊維は日常生活には ホコリはなくせるか? 繊維を出さなくするには? 布からはどうしても繊維が出てしまい、その繊維がホコリになってしまう ・布を繊維から出来ていないものに置き換えてみる (例) 服などをレジ袋のようなツルツルしたものにする カーテンなどもプラスチック製のものにする 繊維には様々な特性を持ったものがあるため、繊維は日常生活には 欠かせないものである
紙から繊維を出さなくするには この世から紙をなくすことになるが、その場合だと ティッシュペーパー・トイレットペーパー・プリント・本・ノート・新聞・壁紙・etc・・・ これも今の生活でなくてはならないもの、なくすことはまだ出来そうにない ・砂や土ホコリなくすには 風などで入ってこないようにするために、すべてアスファルトで固める しかし、それだと植物の生える場所がなくなり、環境にもかなりの影響がかかってしまう これもできそうにない
なので、ホコリの元をなくすのは無理だという ことがわかりました 「でもホコリはなくしたい,少なくしたい」 ↓ 紙のポイ捨てはやめよう 屋外から屋内へ入ったら,服にブラシをかけよう(花粉の時期じゃなくても) 靴の泥を屋内へ持ち込まないようにしよう 掃除を楽しもう
まとめ ホコリは何でできているか ホコリの主な中身は →布繊維、砂、虫の死骸、花粉 etc… しかし ホコリをなくすことはできるか ホコリの主な中身は →布繊維、砂、虫の死骸、花粉 etc… しかし すべての中身を調べるには科学者の一生の仕事になる位の研究である ホコリをなくすことはできるか できないことは無いが、日常生活では無理だろう →クリーンルームなどが実際にあるので将来ホコリをなくせる可能性は0ではない