看護職者へのメッセージ ~専門職として自律すること~ 看護職者へのメッセージ ~専門職として自律すること~ 平成25年4月26日(金) 副院長兼看護部長 多田美智子
本日のキーポイント 1 「自律すること」とは ・個人の自律 ・組織の自律 2 看護のジェネラリストとスペ シャリスト
価値観・人生観・看護観・倫理観 自律とは① 自分自身が何を大切に思い、何を実現し たいか(自己実現) 「自分自身を(よりよく)コントロールすること」 ↓ コントロールするためには、よりどころになるもの が必要 価値観・人生観・看護観・倫理観 自分自身が何を大切に思い、何を実現し たいか(自己実現)
何よりも行動することが重要 自律とは② ・自分の頭で考えること ・自分の判断をすること ・内省すること ・他者の意見(価値感)を取り入れること ・知識、技術のレベルアップ 何よりも行動することが重要
私のこだわり ・ベッドサイドに足を運ぶ ・自分が気持ちいいことを患者さんにも (清潔なピンとしたシーツ、寝巻き。手足の清 潔。ナースコールをなるべく押させない。患者 さんが言う前に行動する。患者さんの言うこと は基本的に信じる。セルフケアの重視。生活の リズムや睡眠の重視。等など) ・医師との橋渡し役・患者さんを代弁する
こだわりを実現するために ・個々の患者さんの状態をよく知る。関心を持つ。 ・患者さんが自分の状況をどう理解しているのか、 どうなりたいか知る。時には主治医や家族と会い 情報交換する。 ・自分本位にならないように確認する。 ・専門知識や様々な経験を積む。 ・人間的な幅を広げる。 ・情報収集以外は、基本的に 自分自身が行う。
組織としての自律 組織は、個々人の行動の積み重ね 個人の精神的な要素(動機・意欲・ 向上心)よりどんな行動をとったか が重要 組織としての自律 拠りどころ:理念、運営方針 組織は、個々人の行動の積み重ね 個人の精神的な要素(動機・意欲・ 向上心)よりどんな行動をとったか が重要
看護職・医療人である前に 組織人・社会人であること 看護職・医療人である前に 組織人・社会人であること 組織が求める人材とは 「組織理念に沿った適切な行動 (仕事) ができる人」
A看護師の場合 中堅看護師で向上心があり、認定看護師教育課程を受 験したいとの申し出があった。 その分野では、認定看護師がいないため病院としても できる限り支援したいが、「院内最初の認定看護師 としては不適格」と判断した。 <理由> ・実務以外の組織活動への貢献度が低い。 ・自己中心的な面がある、役割りモデルとしての 後輩・同僚・上司からの信頼が低い。
B看護師の場合 勤務スケジュール内示後、事前に私的な計画を立 てていたので支障があり、友人や家族に迷惑が かかるので勤務変更を希望する。 一見正当な申し出に聞こえるが、自分の利のみ主 張し、組織の一員という発想がない。
看護の力を信じる ・「看」 手と目を使って対象者を看る。 検査データや医療機器の進歩はめざましいが、 人のぬくもりは伝わらない。 ・「人々の暮らし」を見つめる。支える。 テクニックではなく、マインドをどう相手に伝 えるか。原始的な方法
看護とは 「あらゆる年代の個人、家族、集団、 地域社会を対象とし、健康の保持増 進、疾病の予防、健康の回復、苦痛 の緩和を行い、生涯を通してその最 後まで、その人らしく生を全うでき るように支援すること」
ジェネラリストの育成 ・当院の性格上、スペシャリストは必要不可欠 だが、ジェネラリストはもっと必要 ・病棟はほとんど混合 ・合併症の多い高齢患者が多い ・医師の専門性が高く、患者の全体全身が診れな い ・救命救急センターを併設している
おまけ① ・医療看護の質は、技術・医療機器・優秀な人材 より「信頼関係」に大きく左右される。 ・患者をチームの一員として認め、コミュニケー ション(双方向性)をとる。 ・相互理解のための橋渡し
おまけ② ・癒しの時間:気分転換、ストレス解消の重要性 ・自分自身をコントロール(自律)するために 必要なことを考える。
ご静聴ありがとうございました。