3.1 単一市場・単一通貨へ 3.2 中・東欧諸国のEU加盟 3.3 米欧枢軸

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第 2 章 なぜ政府は貿易に介入する のか. 1貿易政策の 実態 貿易を制限する政策 輸入関税(従量税・従価税) 輸出税 輸入数量制限 動植物検疫 輸入関税と非関税障壁 貿易を促進するような政策 輸出補助金 非関税障壁.
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c 山本 剛. はじめに ・地域主義が進展する中、東アジアはこのままで良い のかを EU を参考に考える。
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経常収支とは?  一国の国際収支を評価する基準の一つ。  この 4 つのうち、 1 つが赤字であっても他で賄え ていれば経常収支は黒字となる。 貿易収支 モノの輸出入の 差 所得収支 海外投資の収益 サービス収支 サービス取引額 経常移転収支 対価を伴わない 他国への援助額 これらを合わせたものが経常収支.
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1. Departamento de Consultoria e Assessoria
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3.1 単一市場・単一通貨へ 3.2 中・東欧諸国のEU加盟 3.3 米欧枢軸 3 EU経済 統合の新展開と米欧枢軸 3.1 単一市場・単一通貨へ 3.2 中・東欧諸国のEU加盟 3.3 米欧枢軸 mohri r

3.1 単一市場・単一通貨へーEUの経済統合とその効果 a. 冷戦体制の崩壊 近代:ヨーロッパの世界支配の発展と崩壊   産業革命と資本主義,人権と民主主義   ♪20世紀初頭 帝国主義による植民地支配 対抗する2つの流れ:  ①ソ連の社会主義,長期の繁栄,1980年代に長期停滞,市民革命と体制転換  ②アメリカ主導の,植民地体制を無効化する「自由・無差別・多角主義」 第3世界:米ソ対立を利用して経済発展を図る mohri r

3.1 単一市場・単一通貨へーEUの経済統合とその効果 b. 経済統合の進化と拡大 第2次大戦後東西ヨーロッパの対立 西欧ではイギリスは植民地依存   フランス,西ドイツは地域経済統合開始   欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)1952 EEC(欧州経済共同体)1958 大陸6カ国:仏独伊蘭白ルク  ♪関税同盟,農業共同市場1968  ♪市場統合1985-92  ♪通貨統合:99非現金分野,02ユーロ専一流通 ・EU 経済統合+外交安全保障+防衛+司法など秩序維持 ・EFTA(欧州自由貿易連合)1959 英,北欧3,瑞,墺,葡 mohri r

3.1 単一市場・単一通貨へーEUの経済統合とその効果 b. 経済統合の進化と拡大 ② EU拡大 ①1973英,デンマーク,アイルランド,②1980ギリシア,③1986スペイン,ポルトガル,1995スウェーデン,オーストリア,フィンランド,2004中央など10カ国→25カ国 関税同盟:域内関税を撤廃し,対外共通関税を設定.58年開始,68年完成→広域市場 単一市場 商品,サービス,資本,人の自由移動 1992 障壁の除去   ①物理的障壁,②技術・制度的障壁,③税(間接税)障壁 共通農業政策 ①農産物統一価格設定,②域外からの輸入農産物に可変課徴金,③過剰生産が起きると輸出補助金,④GATTUGで農産物貿易自由化合意,⑤必要資金はEC財政から mohri r

3.1 単一市場・単一通貨へーEUの経済統合とその効果 c. ユーロ流通へーー通貨統合の完成 単一通貨は経済効率を高める 規模の経済 通貨統合の4条件   ①物価安定,②低金利,為替相場安定,④低い財政赤字 マーストリヒト条約1993年発効 1999年ユーロ導入(帳簿貨幣) 11カ国(EU,スエ,デン,ギリを除く) 1998年欧州中央銀行(ECB) フランクフルト   99年金融政策,ユーロ為替相場 ユーロ専一流通2002年 ・ 単一通貨・単一金利 各国中央銀行経由の送金システム  ・ 経済・安定成長協定 mohri r

3.1 単一市場・単一通貨へーEUの経済統合とその効果 d. 通貨統合への歩み 3.1 単一市場・単一通貨へーEUの経済統合とその効果 d. 通貨統合への歩み 1970年 ウェルナー報告 加盟国間の為替変動をなくす 金ドル交換停止1971 スミソニアン合意 為替変動幅を上下2.25%に拡大 (→域内通貨間4.5%) 共同フロート体制(トンネルの中のヘビ) 相互間上下1.125%(合計2.25%) 変動相場移行&石油ショック EMS(欧州通貨制度)1979年    ・欧州通貨単位 ECU(European Currency Unit)導入バスケット通貨   ・ERM(Exchange Rate Mechanism)為替相場の固定上下2.25%   ・信用供与メカニズム EMS危機 1992・93年 変動幅を上下15%に拡大して切り抜け 米ドルのネットワーク外部性を崩せるか mohri r

3.2 中・東欧諸国のEU加盟 a. ヨーロッパ旧社会主義国の市場経済化 旧ソ連諸国1991年 独立 ロシア中核のCIS(独立国家共同体),バルト3国はEU加盟への道 中東欧10カ国:中欧5カ国は「ヨーロッパへの回帰」 カトリック東欧2(ルー,ブル)ギリシア正教 EU加盟のためのコペンハーゲン基準   ①政治的基準(民主主義,法の支配,人権,少数民族の尊重と保護),②経済的基準(市場経済,EU内競争能力),③法的基準(EC法の集積の受入れ) ・ EU25カ国へ 中東欧8カ国とキプロス,マルタ mohri r

3.2 中・東欧諸国のEU加盟 b. 欧州協定と中・東欧諸国の経済発展 欧州協定:1991~95 EUは加盟申請国との間で締結  貿易:工業品関税を段階的に廃止するFTA(自由貿易協定)  サービス・資本の自由移動,産業,環境,運輸,税制などハーモニゼーション(制度の統一) ・移行初期の混乱→GDPの下落,インフレ,緊縮政策    コメコン貿易体制の崩壊,市場制度構築に時間 ・ 中欧諸国は比較的短期間に成長軌道へ mohri r

3.2 中・東欧諸国のEU加盟 c. EUと中・東欧諸国との直接投資,貿易 3.2 中・東欧諸国のEU加盟 c. EUと中・東欧諸国との直接投資,貿易 先進国から中・東欧への直接投資と貿易 FDI受入:ハンガリー,チェコ,エストニアの順 FDI分野:繊維・衣類,電子機器,自動車など労働集約的部門と工程 評価と展望:経済改革の課題:①マクロ経済の安定,②構造改革(市場経済への法制度改革,国家介入の停止,民営化) EU加盟を導きの糸として体制転換に成功 mohri r

3.3 米欧枢軸ーEUと世界経済 日米EUの貿易対外依存度増大せず 国経3章 EU 3.3 米欧枢軸ーEUと世界経済 日米EUの貿易対外依存度増大せず EU財輸出の地域シェア:米州32.5%,欧31.0%,アジア25.1%,アフリカ7.4% アメリカの経常収支赤字補填 直投・間投 ドル高・ユーロ安 ITバブル後の世界不況 イギリスのユーロ参加? mohri r MOHRI R