政府部門を含む閉鎖経済の乗数効果 専修大学 「経済の世界」 作間 逸雄
簡単な国民勘定（ケインズ・モデル） 出発点となるのは、部門分割のない、海外との関係のない、 簡単な国民勘定フレームワーク。 S D Y D 純付加価値 固定資本減耗 最終消費支出 資本形成 純付加価値 資本形成 貯蓄 固定資本減耗 S D Y D C I 最終消費支出 貯蓄 C S Y I
ケインズ・モデル 方程式（より適切には、恒等式）形式で Ｙ＋Ｄ＝Ｃ＋Ｉ Ｃ＋Ｓ＝Ｙ Y=C+I Ｉ＝Ｓ＋Ｄ C+S=Y 完全接合体系 I=S Ｙ＋Ｄ＝Ｃ＋Ｉ Ｃ＋Ｓ＝Ｙ Ｉ＝Ｓ＋Ｄ 完全接合体系 いずれかの式の左辺（右辺）に一度現れた変数は、もう一度右辺（左辺）に現れる。したがって、上の２つの式を右辺同士、左辺同士で足しあわせ、整理すると、三番目の式が得られる。 Y=C+I C+S=Y I=S
Ｓ＝Ｉ（Ｙ＝Ｃ＋Ｉ）は、恒等式であると同時にマクロ経済理論では、方程式でもある。 S=I,Y=C+Iは、いずれも、勘定の貸方＝借方つまりつねに成り立つ恒等式であると同時に均衡国民所得という未知数を決定するための方程式でもある。 意図せざる在庫増加 Y 計画支出 事前の支出 C+I 現実支出 事後の支出 C
乗数効果 外生（モデルの外で決まっている）投資IがΔI増加すると、均衡国民所得は、1/(1-b)×ΔI増加する。1/(1-b)がこの場合の「乗数」である。
民間部門の生産勘定（結合） 添え字Pは、「民間」。Oは、産出額、Mは、中間消費。添え字Gは、「政府」。
政府部門の生産勘定 政府は、自分で生産したもの（産出額）を自分で消費する。産出額の価値は、費用で測る。
所得・支出勘定と蓄積勘定（右：政府、左：民間） 公務員の給料 公債の発行
均衡国民所得を求める（１）
政府黒字のことを政府貯蓄と呼んでいるが、SNAの用語としては正しくない。 均衡国民所得を求める（２） 教科書によっては 政府黒字のことを政府貯蓄と呼んでいるが、SNAの用語としては正しくない。
均衡国民所得を求める（３） Y=C+I+Gの両辺からTをひくと、Y-T=C+I+G-T 変形して、 S-I=G-T 要するに、この式は上の２つの式から導出できる。
政府部門を含む閉鎖経済モデルにおける乗数
定額税・所得税