卵巣腫瘍(2)悪性卵巣腫瘍 女性生殖器コース講義
卵巣は腹腔内臓器であるため細胞診を用いた スクリーニングや生検組織診による確定診断が行えない 腹水の悪性細胞が経卵管的に子宮腔吸引細胞診に 卵巣癌診断の特殊性 細胞診 生検組織診 根治手術 スクリーニング 悪性の確定診断 治療 卵巣は腹腔内臓器であるため細胞診を用いた スクリーニングや生検組織診による確定診断が行えない 腹水の悪性細胞が経卵管的に子宮腔吸引細胞診に 出現する場合がある
悪性卵巣腫瘍の年齢分布 ( 日本産科婦人科学会治療年報:2005 )
悪性卵巣腫瘍の進行期分布 ( 日本産科婦人科学会治療年報:2005 )
子宮癌・卵巣癌の年次死亡数 子宮癌・卵巣癌ともに増加 ( 厚生労働省統計 )
子宮癌・卵巣癌の年次死亡率 (%) ( 厚生労働省統計:人口 10万対 )
婦人科癌の5年相対生存率 ( 大阪府癌登録・米国 SEER )
代表的な卵巣悪性腫瘍 表層上皮性間質性腫瘍 性索間質性腫瘍 胚細胞性腫瘍 漿液性嚢胞腺癌 serous adenocarcinoma 表層上皮性間質性腫瘍 漿液性嚢胞腺癌 serous adenocarcinoma 粘液性嚢胞腺癌 mucinous adenocarcinoma 類内膜腺癌 endometrioid adenocarcinoma 明細胞腺癌 clear-cell carcinoma 最も多い 抗癌剤抵抗性 性索間質性腫瘍 セルトリ間質性腫瘍( 低分化型 ) Sertoli stromal tumor 胚細胞性腫瘍 未分化胚細胞腫 dysgerminoma 卵黄嚢腫瘍 York-sac tumor
悪性表層上皮性間質性腫瘍の年齢分布 ( 日本産科婦人科学会治療年報:2005 )
悪性性索間質性腫瘍の年齢分布 ( 日本産科婦人科学会治療年報:2005 )
悪性胚細胞性腫瘍の年齢分布 ( 日本産科婦人科学会治療年報:2005 )
卵巣癌の術前診断 卵巣は腹腔内臓器であり外部との交通がないため 術前に癌の確定診断を行うことは極めて困難 術前に癌の確定診断を行うことは極めて困難 進行卵巣癌で卵巣外進展や遠隔転移によって 腹水・胸水・表在リンパ節転移があれば 細胞診や生検組織診によって悪性の診断が可能 画像診断・腫瘍マーカーによる推定 経膣超音波・経腹超音波・MRI・CT・PETなど 悪性の確定診断は手術摘出組織でしか行えない
卵巣癌に対する標準手術 手術進行期判定のための情報 腫瘍の可及的摘出 単純子宮全摘術 + 両側附属器摘出術 + 骨盤リンパ節郭清術 単純子宮全摘術 + 両側附属器摘出術 + 骨盤リンパ節郭清術 + 大網切除術 + 傍大動脈リンパ節生検
Paclitaxel + Carboplatin 卵巣癌の術後治療 原則的に Stage IC 以上の症例は全例術後化学療法 術後化学療法の内容 表層上皮性間質性腫瘍 性索間質性腫瘍 Paclitaxel + Carboplatin ( TC ) Bleomycin + Etoposide + Cisplatin ( BEP ) 胚細胞性腫瘍
卵巣癌における妊孕能温存 十分な Informed Consent 原則的に Stage Ia で高分化型のもの 患側附属器摘出術+大網切除術+腹膜細胞診 必要に応じて対側附属器部分切除 骨盤リンパ節生検 摘出標本の検討から追加手術の考慮する
卵巣癌の臨床転帰 85 % 60 % 60 % 45 % Ia, Ib follow - up 早期卵巣癌 術後 生存 補助化学療法 術後 補助化学療法 生存 60 % 完全腫瘍 摘出 60 % 完全 消失 進行卵巣癌 不完全 摘出 寛解導入 化学療法 45 % 進行卵巣癌は予後不良
悪性卵巣腫瘍の進行期分布 ( 日本産科婦人科学会治療年報:2005 )
悪性卵巣腫瘍の進行期分布 偶然に発見されたもの 有症状で受診したもの ( 日本産科婦人科学会治療年報:2005 )
卵巣癌の早期診断 1.経膣超音波による検診 2.婦人科診察による検診 婦人科受診の機会がなければ診断不能 現時点では定期的婦人科検診のほかに 婦人科受診の機会がなければ診断不能 現時点では定期的婦人科検診のほかに 卵巣癌から女性を救命する方法はない
自習課題 1.卵巣腫瘍を良性・境界悪性・悪性に分類して 代表的な腫瘍を整理する 2.卵巣腫瘍の診断と治療を整理する 代表的な腫瘍を整理する 2.卵巣腫瘍の診断と治療を整理する 3.卵巣腫瘍に関するこれまでの知識を統合する