5因子性格モデルによる 性格特性とプライベート空間 5因子性格モデルによる 性格特性とプライベート空間 A83090 村杉莉沙
背景 心理学におけるプライバシーは「自己又は自集団に対する他者の接近(access)を選択的に統制している状態」と定義(Altman,1975)。 ※プライバシー概念に明確な心理学的定義を与えた。
概念化されたプライベート空間は個室等の物理的な空間に固定されるのではなく、あくまで心理的機能を中心に定義される空間。 Ex)子どもが寝静まったあと母親が自分の事を出来る深夜の時間。 人が読書したり考え事をしたりする街の喫茶店の片隅のテーブル。
プライベート空間は「社会的役割から離れて、他者の目を気にせず自由に振舞える自分固有の領域(時間や空間)」と定義され、そうしたプライベート空間が3空間7機能に構造化されることを明らかにした(泊・吉田,1998a;1998b)。
3空間7機能 (泊・吉田 1998a;1998b) 1.他者の存在がなく(自分ひとりで)専有できる空間 2.共有できる空間 ①緊張解消 ②自己内省 ③課題への集中 2.共有できる空間 ④率直なコミュニケーション 3.他者への気兼ねがいらない自己解放できる空間 ⑤気分転換 ⑥情緒的開放 ⑦自己変身
泊・吉田の研究 プライベート空間7機能の測定 プライベート空間機能尺度の7つの下位尺度をそれぞれ1つの測定項目として、「ふだんどのくらい確保したいと望んでいるか(必要度)」を7段階、 「ふだんどのくらい確保できているか(確保度)」を4段階で評定させた。 性格特性の測定 Big Five尺度の5因子60項目の中から各因子に負荷の高い項目を中心に8項目ずつ選択し、計40項目使用し「どの程度自分に当てはまるか」を5段階評定させた。
性格特性5因子モデル(Big Five) 和田(1996) 外向性:話し好き、陽気な、活動的な 情緒不安定性:悩みがち、心配性、憂鬱な 開放性:独創的な、進歩的、洞察力のある 誠実性(勤勉性):計画性のある、几帳面な 調和性(協調性):温和な、寛大な、素直な
目的 性格特性5因子モデル(Big Five)とプライベート空間、3空間7機能の関係性を検証する。 泊・吉田の研究を支持し、同様の結果が得られるかどうかを検証する。
方法 調査時期:9月下旬~(予定) 調査対象者:大学生 調査方法:質問紙 プライベート空間機能尺度 Big Five尺度 フェイスシート
結果の予測 外向性の高い者ほど「共有空間」の率直なコミュニケーション機能を必要とする。 情緒不安定性の高い者ほど「専用空間」や「自己解放空間」を必要とする。
参考文献 Altman,I.(1975) The environment and social behavior. Monterey,California:Brooks Cole. 泊 真児・吉田富二雄 1999年 プライベート空間の機能と感情及び場所利用との関係 社会心理学研究 15,2 pp77‐89 泊 真児・吉田富二雄 2001年 性格特性のBig Fiveと日常活動におけるプライベート空間の7機能 社会心理学研究 16,3 pp147-158