2007年度望月ゼミナール家計班 所得格差の問題点と解決策 2007年度望月ゼミナール家計班 所得格差の問題点と解決策 Nakamoto.R Mashima.N Mikuri.T Shimane.K
フローチャート 所得格差の現状 ↓ 若年層の所得格差拡大とその要因 所得別消費パターンの検証 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 外食 教養娯楽費 教育費 交通通信費
<結論>所得格差が拡大することにより家計の消費が変化する。よって教育の機会の不平等、国内需要、産業規模に影響を及ぼす。 <問題提起>家計における所得格差が拡大することによって どのような問題点が生じるであろうか。 その解決策として、どのようにすればよいだろうか。 <結論>所得格差が拡大することにより家計の消費が変化する。よって教育の機会の不平等、国内需要、産業規模に影響を及ぼす。 従って、国による支援の充実やターゲットを買えた事業展開を行うことが必要となる。
第1章 所得格差の現状 日本の格差の変化とその要因 世代別の格差 若年層から見た格差拡大の要因
出所:厚生労働省
若年者においてジニ係数拡大傾向 出所:厚生労働省
∴拡大傾向のある若年者から見ていく 若年者…格差拡大の傾向(特に30歳未満) →雇用形態の変化が一因 →雇用形態の変化が一因 高齢者…ジニ係数高い状況にあったが縮小傾向 →所得再分配の影響 ∴拡大傾向のある若年者から見ていく
不況に陥り企業が人件費削減のためリストラ 若年者の格差拡大の背景 1985年 プラザ合意 ↓ 金融緩和により円があふれる 1990年 総量規制 バブル崩壊 不況に陥り企業が人件費削減のためリストラ 非正規雇用を低賃金で雇い始める 非正規雇用が広がる
年々非正規雇用者の割合は増加 出所:就業構造基本調査
雇用形態の違いによる賃金の差も広がる一方 出所:就業構造基本調査
平成9年から14年にかけての収入階級度数の変化
若年層において低所得者増加、減る気配なし では、所得が違うと消費にはどのような影響があるか 非正規雇用の増大 ↓ 若年層において低所得者増加、減る気配なし では、所得が違うと消費にはどのような影響があるか 所得階級別の消費のパターンはどのように異なるのか、 特に差が大きいものについて見ていく
出所:家計調査
食料費項目別一人当たり支出 出所:家計調査 0.00 2000.00 4000.00 6000.00 8000.00 10000.00 12000.00 14000.00 16000.00 材料費 菓子類 飲料 酒類 外食 項目 支出額(円) Ⅰ 353万円未満 Ⅱ 353--477 Ⅲ 477--635 Ⅳ 635--870 Ⅴ 870万円以上 出所:家計調査
出所:家計調査 項目別一人当たり交通通信費 0.00 1000.00 2000.00 3000.00 4000.00 5000.00 6000.00 7000.00 8000.00 交通 自動車等関係費 通信 項目 支出額(円) Ⅰ 353万円未満 Ⅱ 353--477 Ⅲ 477--635 Ⅳ 635--870 Ⅴ 870万円以上 出所:家計調査
所得と消費の影響が大きなもの 食費 (主に外食費) 交通通信費(交通、自動車関係費) 教育費 教養娯楽費 次章から、これら4項目に分けて考察
交通通信費 交通費 自動車関係費
交通費・自動車関係費とは 交通費…公共輸送機関・公共輸送施設の利用料金 ex.)鉄道運賃、バス代、タクシー代、航空運賃、有料道路など 自動車関係費…自動車、オートバイなどの輸送機器の購入 金額ならびにその維持、使用のために必要な商品およびサービスに関するもの ex.)自動車・自転車購入費、ガソリン代、整備費、駐車場、保険料など
出所:家計調査
出所:家計調査
出所:家計調査
→購入費の他、維持費、燃料費が多くかかる 所得が少ない人=自動車保有率低い →購入費の他、維持費、燃料費が多くかかる ↓ 高所得者減少、低所得者増加の現状 全体の自家用車所有台数減少 (1994から2006年度で100万台減) しかし、輸出台数が増加 (1994年から2006年で400万台以上増) …ガソリン価格高騰、環境規制強化の影響 輸出によって挽回可能
教育
学歴別月間給与額
背景 ・賃金格差の拡大 ↑ 雇用の変化 ※最終学歴による雇用・賃金の格差
正規雇用、非正規雇用の推移
最終学歴別就職状況 男性 高卒 正規…68.0% 女性 高卒 正規…33.3% 非正規…32.0% 大卒 正規…67.8% 男性 高卒 正規…68.0% 非正規…32.0% 大卒 正規…67.8% 非正規…16.6% 女性 高卒 正規…33.3% 非正規…38.9% 大卒 正規…52.4% 非正規…34.2%
考察 男性・・・高卒非正規の割合 大 女性・・・正規の割合が大卒 大 結果的に、 男性→低所得 増 女性→高所得 増 賃金の差拡大
考察 ・大学に通わせるにはやはりそれなりの所得が必要なのではないか? そこで 現在の奨学金制度は? ↓ ↓ 大学への進学が増大し、雇用の違いにより賃金に差が出てしまう。大学進学が重要視されている中、低所得者の増大により今後影響が出るのでは そこで 現在の奨学金制度は?
日本の奨学金制度 日本育英会 ↓ 2004年~ 独立行政法人日本学生支援機構
日本育英会 ・無利子貸与の第一種 ・有利子貸与の第二種 ↓ バブル崩壊後 ①景気後退の中で返還率の低迷 ②経済的に奨学金を希望する学生の増加
その結果・・・ ・卒業後一定期間、教育・研究職に従事することで返還が免除される制度の廃止 有利子の第二奨学金の大幅な拡充 ・卒業後一定期間、教育・研究職に従事することで返還が免除される制度の廃止 有利子の第二奨学金の大幅な拡充 有利子貸与 1996年 全体の4分の1程度 ↓ 2006年 約3分の2
奨学金貸与人員の推移
日本学生支援機構の他に ・地方自治体…撤退進む ・学校(大学) …急激に増加 ・公益法人
結果 ・国は有利子貸与ばかりを増やし、地方自治体に代わって、大学自身が独自の奨学金を増やす努力をしている。しかしやはりまだ国からの受給者が多いのが現状。 大学進学増え、奨学金の必要増大の中有利子貸与が増大してしまっては今後の教育均等にも影響を与えてしまうのではないか?
教養娯楽費
②教養娯楽費の低下は所得格差に起因するのか ③影響のある産業 所得格差から教養娯楽費を通して産業に影響が出るのではないか ①低所得者と高所得者の割合 ②教養娯楽費の低下は所得格差に起因するのか ③影響のある産業
①所得格差の割合 (次グラフより)低所得者の増加 高所得者の減少 消費に影響を可能性がある
②教養娯楽費の低下と所得格差の関係性 低所得者 減少 ○教養娯楽費 高所得者 増加 ○高所得者が増えているので問題ないのではないか? 低所得者 減少 ○教養娯楽費 高所得者 増加 ○高所得者が増えているので問題ないのではないか? 全世帯では増加
消費支出の費目別年間収入階級別構成比
一世帯当たり年間の教養娯楽と教養耐久財支出金額
③産業への影響 ・教養娯楽耐久財 ・教養娯楽サービス→顕著な変化 変化の大きい産業に影響があるのではないか
教養娯楽サービス費
パック旅行費で大幅な減少 ↓関係の深い産業は 旅行業 パック旅行費→国内、国外共に増加している
年間のパック旅行費支出
結論 低所得者の割合が減少し、高所得者の割合が上昇することによって、教養娯楽費が低下することは所得格差に関係している。 所得格差から教養娯楽費を通じてパック旅行費、産業でいうと旅行業が影響をうける。
所得格差による外食産業への影響
現在の外食産業 現在の外食産業は国民の多様化した消費によって大きく変化している。 現在の外食産業は国民の多様化した消費によって大きく変化している。 現在所得格差が拡大する中でどのように変遷しているのか、問題点があるとしたらどのような対策が必要になるのかを考察する。
家計の外食費
収入階級別の外食費
外食産業の市場規模
最近の外食産業の動向 ・企業の統合、合併 →外食産業の競争激化の中での経営の効率や多角化などの推進 →外食産業の競争激化の中での経営の効率や多角化などの推進 ・多業種のコラボレーションによる新たなビジネス展開 →独自の商品開発、販促活動 ・海外ブランドの本格進出
・ファミレスの深刻な客離れ →支えてきた「団塊の世代」の減少 ・激安合戦の限界 →食材・人件費・家賃のコスト増加 ・人手不足、人材難の拡大 →店舗拡大に人手が追いつかない
考察 外食費は年々増加減少を繰り返しているが、所得格差(低所得、高所得者)による外食費の変化の推移は見らない。 ↓ ↓ 中位の所得者に影響があるのではないか。 ではこのような状況下で企業はどのような処置を取ればいいのか。
企業に対する対策案 質を上げた高所得者をターゲットとした事業推進 オリジナリティーの追求 ex.「クリスピー・クリーム・ドーナツ」のドーナツシアター、10円まんじゅう メディアの利用による消費者の意見の利用 ex.「食べログ」:ユーザーの評価をスタッフが徹底管理することによる詳細な情報提供 現在利用者増加中。
<結論>所得格差が拡大することにより家計の消費が変化する。よって教育の機会の不平等、国内需要、産業規模に影響を及ぼす。 従って、国による支援の充実やターゲットを買えた事業展開を行うことが必要となる。
参考文献 樋口美雄「日本の所得格差と社会階層」2003 財務省財務総合政策研究所 経済財政白書 平成18年度 統計局 国土交通省 文部科学省 樋口美雄「日本の所得格差と社会階層」2003 財務省財務総合政策研究所 経済財政白書 平成18年度 統計局 国土交通省 文部科学省 日本政策投資銀行調査部 東洋経済2007.7.7 社団法人日本フードサービス協会