Journal Club 前向きコホート b-Glucan Antigenemia Anticipates Diagnosis of

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2016/07/171 E. NANGO, MD, PhD, Tokyo-kita Social Insurance Hospital ようこそ EBM の世界へ! ~ EBM はじめの一歩~ 東京北社会保険病院 総合診療科南郷 栄秀 EBM ミニレクチャーシリーズ.
代表世話人 竹末芳生先生 兵庫医科大学 感染制御学 教授 世話人 織田成人先生 千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授 北川雄光先生 慶應義塾大学医学部 外科学(一般・消化器外科) 教授 三鴨廣繁先生 愛知医科大学 感染制御学 教授 高倉俊二先生 京都大学医学部附属病院 検査部・感染制御部.
自然気胸. 自然気胸になりやすい条件 ・喫煙者は非喫煙者に比べて気胸になりやすい。 1-12 本 本 23 本以上 ( 1 日当り)男 7 倍 21 倍 102 倍 女 4 倍 14 倍 68 倍 ・ 20 歳代前半で生じることが多い。 症状 ほとんどは安静時に生じる突然の呼吸苦・胸膜痛。
2015/6/16 聖マリアンナ医科大学 救急医学 森澤健一郎. 背景 COPD は米国で死亡原因の第 3 位 500 億 $/ 年のコストの 60% は「急性増悪」 COPD 急性増悪の死亡率は 倍 ステロイド全身投与は有用だが適量は不明 ICU 症例では一般病棟に比べてステロイド量が.
米国の外来呼吸器感染症での抗菌薬投与状況 抗菌薬投与率 普通感冒 5 1% 急性上気道炎 52% 気管支炎 6 6% 年間抗菌薬総消費量 21% 【 Gonzales R et al : JAMA 278 : ,1997 】
保健統計演習 ( 教科書 ) 橋本. 序論 第1章第1章 はじめに 臨床研究 Clinical Study 治験 Clinical Trial EBM ( Evidence Based Medicine) ← 根拠に基づいた医療 EBN ( Evidence Based Nursing)
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確率と統計 年1月7日(木) Version 3.
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Journal Club 前向きコホート b-Glucan Antigenemia Anticipates Diagnosis of Blood Culture–Negative Intraabdominal Candidiasis 前向きコホート Journal Club GIM PGY-4 Ko Matsumoto

論文の背景 真菌感染の多くは、感度が高い検査はないが、治療が遅れると致死的になる。 ICUで問題になりやすい侵襲性カンジダ感染症としてはカテ感染と腹膜炎があるが、腹膜炎は特に血液培養が陽性になりにくい。 Here comes your footer  Page 2

論文の背景 手術での検体採取も困難なことが多く、ドレーン培養は偽陽性(コロナイズ)が頻発するため確定診断が困難。 カンジダ腹膜炎の診断にβdグルカンの有効性を検証。 Here comes your footer  Page 3

Clinical Question カンジダ腹膜炎を疑う症例について、βdグルカンの感度・特異度はどの程度? 今までの指標と比べて優れているか? (カンジダスコア、Colonization index、Corrected colonization indexと比較) Here comes your footer  Page 4

論文のPECO Patient カンジダ性腹膜炎を疑う 再発性消化管穿孔 壊死性膵炎 Exposure βdグルカン測定   カンジダ性腹膜炎を疑う 再発性消化管穿孔                          壊死性膵炎 Exposure   βdグルカン測定 Comparison そのほかの検査 (カンジダスコア、Colonization index、Corrected colonization indexと比較) Outcome   診断の特異度・感度等 Here comes your footer  Page 5

再発性消化管穿孔と急性壊死性膵炎をInclude Inclusion Criteria ・腹部手術施行 ・急性膵炎 ・72時間以上ICU 再発性消化管穿孔と急性壊死性膵炎をInclude Study Design This observational FUNGINOS cohort study was conducted in ICUs of two Swiss University Hospitals (Basel, Lausanne). Consecutive patients with abdominal surgery or acute pancreatitis admitted to the ICU for 72 hours or more were screened (August 1, 2007 to January 31, 2010). Based on previous observations, those with recurrent GI tract perforation (anastomotic leakage, ischemic necrosis, recurrent GI surgery for other local complications) or acute necrotizing pancreatitis (Balthazar grade D-E) not receiving antifungal agents were included and prospec- tively studied until 2 weeks after ICU discharge Here comes your footer  Page 6

論文のPECO~Patient~ Inclusion criteria 腹部手術および急性膵炎にて72時間ICU stayの患者のうち、 再発性消化管穿孔および急性壊死性膵炎を合併した症例 Here comes your footer  Page 7

論文のPECO~Exposure~ 介入 Ⅰ:コロナイズなし →コロナイズなし かつ 感染なし=Ia(2)      →コロナイズなしも細菌性腹膜炎を比較対象としてIbとする Ⅱ:コロナイズあるが、抗真菌薬投与無 Ⅲ:コロナイズあり、IACを疑い抗真菌薬投与 Ⅳ:IACの診断 上記それぞれのβd-Glucan、カンジダスコア、Colonization index、Corrected colonization indexを測定 * コロナイズは血液以外の、喀痰、尿、創部、ドレーンからのカンジダ検出 * カンジダ腹膜炎の診断は腹腔内からの培養からカンジダ検出 Here comes your footer  Page 8

結果かな? Here comes your footer  Page 9

③ Corrected colonization index 論文のPECO~Comparison Comparison 以前の評価: ① Candida score ② Colonization index ③ Corrected colonization index Here comes your footer  Page 10

Candida Score カンジダスコアとは、「複数定着」「手術後」「重症敗血症」「高カロリー輸液」の4つのリスク因子を挙げ、「複数定着」×1点+「手術後」×1点+「重症敗血症」×2点+「高カロリー輸液」×1点で得られた合計得点に対してカットオフ値を設け、一定のカットオフ値以上であれば経験的治療を開始するという試み。 カンジダスコアのカットオフ値を2.5とした場合では、感度 81%、特異度38%となり、精度に問題あり。 (今回は3をカットオフとする) Critical Care Medicine:May 2009 - Volume 37 - Issue 5 - pp 1624-1633 参考文献 この特異度本当? Here comes your footer  Page 11

Candida Colonization Score colonization部 位 数/総 検 査 部 位 数) を検 討 し, 感 染 に移 行 する症 例 と colonization に 留 ま る 症 例 の 閾 値 は0.5とする (平 均5.3ヶ所 培 養 提 出).  感度79%、特異度39%と低い。 (今回は0.5をカットオフとする) Int J Mol Sci. 2011; 12(10): 7038–7047. Corrected Candida Colonization Score 上記の指標ではPositive predictive valueが低く、判定量培養を行い濃厚なColonizationからの指標。感度54%、特異度63%と低い。 (今回は0.4をカットオフとする) Clin Infect Dis. (2004) 39(Supplement 4): S185-S192.doi: 10.1086/421955 文献を書く!!!! Here comes your footer  Page 12

論文のPECO ~Outcome~ ColonizationのみのBG値とIAC来している患者のBG値 BG、比較指標(CS、CI、CCI)の感度・特異度の比較 BG、比較指標(CS、CI、CCI)の陽性までの期間とIAC診断までの期間の比較 BG値による治療反応性 Here comes your footer  Page 13

Method 研究デザイン 前向きコホート 情報源   前向きコホート 情報源   ICUs of two Swiss University Hospitals (Basel, Lausanne) BG測定   Fungitell on an ELx808 IU Microplate Reader     (Associates of Cape Cod, East Falmouth, MA)    →BG値は治療指標にならないように盲目化されている Here comes your footer  Page 14

Method 統計学的解析法 Student t or one-way analysis of variance test and Mann-Whitney U or Kruskall-Wallis test were used for continuous variables. Chi-square or Fisher exact test was used for categorical variables. Two-sided statisti- cal significance was set at P ¼ 0.05 まだわからん Here comes your footer  Page 15

結果 Here comes your footer  Page 16

Baseline characteristics Here comes your footer  Page 17

Data on risk *同様に各グループ毎のリスク因子の比較は不明  Here comes your footer  Page 18

各Group毎のβG カンジダのコロナイズを認めた患者と腹膜炎患者のβdグルカンの値を比べると中央値で99pg/ml vs. 253pg/ml(p<0.01)と 有意な差を認めた。 Here comes your footer  Page 19

Colonization by candida(Ⅱ)VS IAC(Ⅳ) BG≧80pg/ml(2回連続確認)は感度はCSに劣るが それ以外の項目ではCS、CI、CCIより優れる Here comes your footer  Page 20

Recurrent GI tract perforation VS Acute necrotizing pancreatitis 再発性消化管穿孔と急性壊死性膵炎のカンジダ腹膜炎を比較すると 再発性消化管穿孔の方が、BGの感度/特異度が高い Here comes your footer  Page 21

Receiver operating chrateristic (ROC) A:2回連続のBG測定での感度・特異度 B:再発性消化管穿孔での感度・特異度 C:Candida score D:Colonization index E:Corrected colonization index (A)からもBGのカットオフ値は80pg/mlが推奨される (A-B)と(C-E)のACUを比較しても、BGがそのほかの指標よりも予測能・診断能は高い Here comes your footer  Page 22

培養での診断までの期間 VS 各指標の陽性までの期間 BG:median -5 days(range,-23 to +18) CS:median -4.5days CI: median -3.5 days AF :median +1 days Here comes your footer  Page 23

BGの高値と治療反応不良の相関 (A)の4症例は治療介入したが、BGが高ければ治療反応不良 (B)の22症例はもともとBG定値が多く治療反応良好 BGが高ければ高いほど、治療反応性が低いことを示したい表ではあるが… Here comes your footer  Page 24

患者に結果を適応できるか 再発性消化管穿孔、急性壊死性膵炎ともに致死的な病態であり、常に真菌感染も考慮する BGを含め、少しでも真菌感染のリスクを考慮すれば抗真菌薬開始は妥当であり、今回の結果からもBGをもとに抗真菌薬検討することは問題ない 日本と欧米のBGカットオフ値は異なり、日本のカットオフ値は今回の結果をそのまま反映しないので、値に応じて治療介入する必要あり 症例数は十分とは言えず、さらなる研究結果が望まれる Here comes your footer  Page 25

論文のまとめ 腹部手術および急性膵炎にてICUステータスになった患者のうち、再発性消化管穿孔と急性壊死性膵炎を呈する原因にカンジダ腹膜炎がある カンジダ腹膜炎は培養陽性になりにくく診断に困難であるが、治療が遅れると致死的になる Gold standardは腹腔内からのカンジダ培養であるが、早期抗真菌薬投与のため、培養以外のパラメーターが必要 腹腔内以外からのカンジダ検出(CS、CI、CCI)およびBGはどれほどカンジダ腹膜炎の指標となるのか検討 BGが感度・特異度ともに他の指標よりも精度は高かった Here comes your footer  Page 26

Statistical Analysis Here comes your footer  Page 27

コホート研究にて、懸案の曝露は別として、曝露群と対照群は、研究開始および終了時点で、そのアウトカムに対して同じリスクを有していたか 結果は妥当か コホート研究にて、懸案の曝露は別として、曝露群と対照群は、研究開始および終了時点で、そのアウトカムに対して同じリスクを有していたか 結果は何か Here comes your footer  Page 28

結果は妥当か     自身であげられる、そのほかあげられるものはないか? Here comes your footer  Page 29

結果は妥当か   ・アウトカムは検出状況と手法は似ていたか Here comes your footer  Page 30

結果は妥当か   ・追跡は十分できていたか Here comes your footer  Page 31

結果は何か Here comes your footer  Page 32

STEP4 情報の患者への適応 結果を患者のケアにどのように適応できるか 日本で使用されている 今回の研究でもカンジダ腹膜炎患者のカンジダ血培陽性率は93%であった。 Here comes your footer  Page 33

STEP4 情報の患者への適応   結果を患者のケアにどのように適応できるか Here comes your footer  Page 34

STEP4 情報の患者への適応   結果を患者のケアにどのように適応できるか Here comes your footer  Page 35

STEP5 STEP1~4のフィードバック STEP1 問題の定式化 STEP2 情報収集 Pub Medを使用し論文抽出    Cohort研究に関して、JAMA User`s Guidesをもとに吟味 STEP4 情報の患者への適応 Here comes your footer  Page 36

本論の結論およびLimitation 【Limitation】 【論文のまとめ】 Discationの内容は Here comes your footer  Page 37

Exclusion Criteria Here comes your footer  Page 38