Bassモデルにおける 最尤法を用いたパラメータ推定

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Bassモデルにおける 最尤法を用いたパラメータ推定 大井 憲人

Bassモデルのベース

離散的なモデル 新しい消費者向け製品の初回購入のタイミングを考える上で、Bassは離散的でベースのモデルと類似な方程式を用いた。

増分採用者の期待値 t-1期に採用者でないままでいる数は、m-N(t)である。 よって、期間(t-1,t)における採用者X(t)は

OLSを用いたパラメータの推定

OLSを用いたパラメータの推定 T(時間) S(購入者数) N(累積購入者数) f(N(t-1))(推定) (f(N(t-1))-S)^2 32 39.37854 54.44289 1 50 48.80318 1.432372 2 62 82 62.64112 0.411034 3 69 144 78.29608 86.41719 4 89 213 93.76069 22.66418 5 140 302 110.662 860.7211 6 150 442 130.304 387.9332 7 128 592 141.9269 193.9578 8 122 720 144.1376 490.0713 9 842 139.6383 0.130841 10 123 982 126.5303 12.46276 11 119 1105 108.0071 120.8436 合計 1224 2231.488

OLSを用いたパラメータの推定 a= 39.3785426 b= 0.301451229 c= -0.000216601 R^2= 0.872194303 m= 7.09358E-05 q= 1.53648E-08 p= 555129.1134

OLSを用いた推定の問題点 明らかに、α1,α2,α3の代替改良が無限に可能である。(Heeler and Hustand) (2)式の左辺はN(t)の導関数であり、X(t)で表して区別すべきでない。 X(t)は採用率がピークに達する前の時間において、dN(t)/dtを少なく見積もってしまう。またピーク後は大きく見積もってしまう。

最尤法 最尤法(Maximum likelihood estimation:MLE)とは、統計学において与えられたデータからそれが従う確率分布の母集団を推測する為に用いられる方法で、尤度の概念を利用するものである。

Bassモデルへの応用 最尤推定法を用いてパラメータを推定する。 観測された標本は「最も尤もらしい状況」が起きた結果、と考えるのは推定の発想として自然である。 標本に対する尤度関数を作り、標本の値を固定し、尤度関数(対数尤度関数)を最大にするような最尤推定量(パラメータ(a,b,c))を算出すれば良い。

尤度関数の導入 F(t)の導入は省略

尤度関数の導入 (※)が適しているのは、最終的に普及購買した採用者が市場全体を占めたときである。 採用時間において無条件な確率は、c(最終普及率)を用いて表す。

尤度関数の導入 潜在採用者の総数を新たにMとすれば、実際に推定したい最終的な採用者mの値はm=cMより求めることが出来る。

尤度関数の導入 SchmittleinとMahajanが改良したモデル((4)式)は採用時の分布で始まるものであるのに対し、Bassのベースのモデル((1)式)は微分方程式を定式化したものであり、その間には違いがある。 累積分布関数の影響や予想される動作に基づいて、パラメータpとqはまだ革新と模倣の係数として解釈されるかもしれないが、最小二乗法で得られた推定値p,qを直接比べることは出来ない。

尤度関数の導入

尤度関数の導入

推定量

推定値について L(a,b,c,xt)を最大にするパラメータa,b,cの明示的な式は存在しない。 最尤推定量はHooke-Jeeves加速パターン検索(Himmelblau 1972)を使用することで得られる。 その時の制約条件は(a≧0,b≧0,0≦c≦1)である。

最尤法について 尤度関数は標本の関数なので、他の推定量と同じく最尤推定においても、標本が異なれば異なる推定量が得られる。すなわち最尤推定量は確率変数である。 最尤推定量は分散を持つので、標本の大きさや信頼区間といった標本調査の枠組みを用いた検定をすることが出来る。

推定量の漸近正規性 推定量は漸近的に正規分布従う。 小さい規模のサンプルの特性を得ることはシミュレーションを除き困難であるが、MLEの漸近正規性を用いることで可能。 パラメータa,b,cの漸近的な共分散行列を得ることで、対応するp,q,mについても発生させる。

最尤法について 通常の耐久消費財のように標本数が膨大なものには標本誤差が小さくなりすぎてしまい、実際以上に信頼度が高くなってしまう。 その他の誤差についてはモデルに組み込まれていない(口コミ効果など)で、標本数が膨大なものには不向きである。(この問題を解決したのが非線形推定法) またcは割合なのでm=cMのM(潜在採用者の総数)は何らかの方法で推定しなければならない。

参考文献 David C. Schmittlein and Vijay Mahajan/” Maximum Likelihood Estimation for an Innovation Diffusion Model of New Product”, Marketing Science, Vol. 1, No. 1 (Winter, 1982), pp. 57-78