第6講 「人口の波」が語る日本の過去半世紀、今後半世紀

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経済入門 ⑥ 西山 茂. 第5回のポイント マクロ経済学入門 GDP と国民所得  ヒトが働く=付加価値=所得  所得の合計=国民所得  付加価値の合計= GDP 付加価値=売り上げ-原材料費 所得=消費+貯蓄  貯蓄にはプラスとマイナスあり 供給( GDP) と需要のバランスが要点.
終章 結論~迷走する経済学~ E班 堀口・石川・細野・武井・赤見・伊藤 デフレの原因はマネーサプライでもない!人工減少でもな い!ではデフレの正体は何か … この章ではその正体を含め、歴史的に見る経済低滞とデフレ の関係性、デフレの害悪、そして現在の経学の現状について も論じていく。 1.
入職率・製造業 同志社大学 経済学部 14100077 藤原由佳.  テーマの説明 入職率・製造業が何に影響するのかを分析する。  選んだ理由 自分の興味のある分野が製造業であり、どのくらいの 人が入職を求めているのか気になったため。  テーマの重要性 経済活動は需要・供給から成り立っている。
3 雇用調整 雇用調整・・・企業の労働サービス需要の量と質の変化に対応できるよ うに サービス供給量とその質的な構成を変更する施策のこ と。 数量調整賃金調整 労働者数と労働時間を削減する賃金などを削減する 新規採用削減 退職者不補充 出向・転籍 希望退職者募集 解雇 残業抑制 など 賞与の削減 ベースアップの水準削減.
09bc053j 新井友海 デフレの正体第 9 講 ではどうすればいいのか① -高齢富裕層から若者への所得移転を.
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少子高齢化 高橋香央里 加藤裕子 松本結 海老澤優.
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定年制とは 1.定年制 ①定義: 従業員が一定年齢に到達した時に自動的かつ無差別的に雇用関係を終了させる仕組みのことである。
 公的年金・定年  引き上げの是非 小瀬村  柏嶋 阿部  藤田.
21世紀のアメリカ経済 藤女子大学人間生活学部 内田 博
第2章競争戦略 梶田 真邦 桑原 雪乃 斉藤 晋世.
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拡大成長する海外市場への 販路拡大が急務 鳥取県農林水産物等輸出促進WG 2014年8月 日本貿易振興機構(ジェトロ) ©2014JETRO
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第1章 国民所得勘定.
地域社会論 第6回 Ⅵ.産業構造 11月16日.
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(景気が良くなり)ハンバーガーの需要が拡大すると
ギリシャはユーロを離脱するべきか ~肯定派~
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食糧自給率低下によって 日本が抱える危機とその対策
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前期ゼミまとめ スラックス経済.
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東アジア文化論(11/6) 『成長するアジアと日本の位置づけ』.
社会的包摂への課題 -雇用システムの変動と 若年世代に着目して-
バブル崩壊後の日本経済の 貯蓄率低下について
制度経済学Ⅰ② 4.20. DVD質問 Q1 日本経済にとり中国経済がもつ意味? Q2 中国中流世帯の特徴?
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丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2006年11月9日
 脱・フリーター社会                                      京都大学橘木研究室         
日本の経常収支黒字  → 外国に失業輸出? 高齢化の進展 → 日本の国内貯蓄超過の減少         → 日本の経常収支黒字は減少へ.
作業の説明 企業がどこかの県に進出する時の判断資料 業種は自分で決める 2組のデータからEXCELでグラフを作成→貼付
Micro Economic group 2002/7/4
財市場               マクロ班 Congratulations! 財市場.
ビジネスチャンス① ‐物流形態‐ ● 従来の物流パターン ● 近年の物流パターン
産業空洞化と低賃金化 ● 企業活動の国際化 → 先進国の産業空洞化→先進国での低賃金化 ● 日本企業の利益額: 国内生産 ≒ 海外生産
労働経済学 男女雇用機会均等法、育児・介護休業法
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公共経済学(第5講 市場メカニズムの機能と市場均衡 )
第10章 人事労務管理の変遷と展望 森谷 新実 平山 銭貫 石岡 沼倉.
<労働需供の推移に影響する要因> 企業の人事制度は、その時々の経済情勢や社会情勢によって左右される。
奈良県提出資料と参加者の意見 平成25年2月6日(水) 午後2時~ 県新公会堂
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厚生白書 人口減少社会の到来と少子化への対応 971221 波多野宏美.
2006. 9. 29 地域経済の展望と革新的企業        法政大学学事顧問               清成 忠男.
制度経済学Ⅰ③ DVD質問 Q1 日本経済にとり中国経済がもつ意味? Q2 中国中流世帯の特徴? Q3 中国市場でいかに生き残るか?
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第6講 「人口の波」が語る日本の過去半世紀、今後半世紀 第6講 「人口の波」が語る日本の過去半世紀、今後半世紀 10/22 09ba225b 小口友輔

生産年齢人口の波 近年、生産年齢人口が減少している         人数の多い終戦前後生まれの加         齢が原因 

年代別に見る生産年齢人口の波 1940年代 ・・・年齢が若いほど人数が多い時代 ・1950年代 ・・・47~49年のベビーブームにより、日    ・・・年齢が若いほど人数が多い時代 ・1950年代    ・・・47~49年のベビーブームにより、日      本史上最大数の乳幼児集団が出現。      生産年齢人口も増加

1960年代    ・・・戦時中生まれ世代の生産年齢人口が      カウントされるようになり、生産年齢人      口が増加 ・1970年代    ・・・ベビーブーム世代が成人になり、就業        者数がピークに。「人口ボーナス」を最        大限に受取れた時代。生産年齢人口も      さらに増加。

1980年代後半 ・・・団塊の世代が40歳を超え、さらに団 塊ジュニアがハイティーンを超え、さら なる生産年齢人口の増加。しかし、こ     ・・・団塊の世代が40歳を超え、さらに団         塊ジュニアがハイティーンを超え、さら       なる生産年齢人口の増加。しかし、こ       のとき住宅バブルが発生。 住宅バブルとは 親の数が二倍もいる団塊世代は親から自宅を相続できない立場にあり、マイホームの確保が人生においての大きな課題であった。そのため団塊の世代は40歳前後までになんとか頭金を貯めて、ローンを組んで自宅を買うことが多かった。このため、この時期に自宅の購入時期が集中した。しかし、顧客の中心がわずか三年間の団塊の世代に集中しているため、需要の盛り上がりは短期的であり、この世代が住宅を買い終わればこのレベルの需要はなくなる。日本人はこの住宅市場の活況を「人口の波」ではなく「景気の波」と勘違いしたために、住宅の過剰供給が発生し、バブルが起こった。

1995年頃     ・・・団塊ジュニアが一斉に就職したため、       日本史上最大の生産年齢人口を記       録。 ・2005年頃     ・・・人数が多い昭和10年代生まれの定       年退職が本格化したためや出生数の       減少により、生産年齢人口が減少し       た。

生産年齢人口の今後 日本の生産年齢人口は今後減り続けることが予想される 団塊世代が無職になる2010~15年に日本史上最大の「人口オーナス」を受ける 団塊ジュニアが高齢者になる2050年には、生産年齢人口は現在の6割に。

生産年齢人口から見る日本経済の今後 「好景気」と実態としての内需縮小が、同時に延々続くと言われている。 定年退職者>新規学卒者という状態が続く時に輸出産業が復調すると、人気のない職種では恒常的な人手不足が続き、有効求人倍率が高止まりして、数字上は「好景気」の判断材料になる。 だが、生産年齢人口は減少し続けるため、国内の大部分を占める内需型産業は恒常的に過剰供給状態になり、業績が回復せず、雇用者の所得が減り、内需が縮小し続ける。

日本の加齢に伴う人口の波は、場所の違いを問わず、すべての場所を直撃する 定年退職者>新規学卒者という状況でも、世界の景気にさえ変調がなければ輸出競争力のある商品は売れ続けるため、 「輸出に強い製造業の立地している地域は好景気、そうでない地域は不景気」という「地域間格差」が観察される。 実際は、「好景気」の勝ち組とされていた首都圏や名古屋圏でも小売販売額は伸びなかった。 日本の加齢に伴う人口の波は、場所の違いを問わず、すべての場所を直撃する

論点:人口オーナス社会に おける日本経済の成 長戦略のあり方