研修③支援の依頼を体験しよう! 「周りの人に協力を依頼してみよう! (ロールプレイ)」
研修の流れ ①ロールプレイの場面について説明 ②この場面でどうしたらいいか?グループで話し合う。ロールプレイに出る人を決める(5分) ③ロールプレイをやってみる(各グループ5分) ④モデルの提示(5分) ⑤問題点・改善方法の検討(10分) ⑥まとめ この説明部分は、中島が担当します。 この研修は2グループずつで受けるため、 ロールプレイ1回目、2回目、それぞれグループから1名ずつ出て各2回行います。 つまり1回の研修の中で、ロールプレイは4回あります。 よろしくお願いします。
ロールプレイの場面 ①山田さん(聴覚障害あり)は建築関係の準大手企業札幌支店に就職。1ヶ月間の新人研修を終えて、福利厚生(※)を担当する部門に配属された。 ②今日は配属後初めての定例会議に参加。定例会は毎回30分程度で行っている。 (※)福利厚生とは、従業員とその家族の幸福に寄与し、生活を充実させるために設ける制度のこと。
ロールプレイの場面 ③山田さんに聴覚障害があることは伝わっており、この1週間の業務も筆談と口話で対応している。 ④山田さんは、係長に「会議の進め方について、皆さんにお願いしたいことがある」と事前に伝えてあり、5分時間をもらっている。 ⑤議題に関する資料は配布されていて、山田さん以外はすでに席に着いている。 4 4
ロールプレイの場面 ⑥会議に出席するメンバーは以下の通り。 社員A 係長。今回の会議では1番偉い人。 社員B 主任。入社8年目の中堅社員。今回の会議で1番話をする人。まとめ役。 社員C 入社5年目の先輩。入社した時から福利厚生を担当しているベテラン。全盲。 社員D 入社3年目。新人の教育担当をしている。 社員E 入社2年目。今回は議事録作成を担当。 5 5
皆さんに伝えて欲しいこと ・会議でどのような配慮をして欲しいのか? ・その配慮は具体的にどんなこと? ・自分が会議に参加するために一番良い環境は? 6 6
新人の山田さん役でロールプレイに 出る担当者も決めて下さい。 作戦タイム!(5分間) 新人の山田さん役でロールプレイに 出る担当者も決めて下さい。 作戦タイムのあと、ロールプレイを行います。1回5分程度で、進行役の磯田が流れを見ながら適当なところでカットします。 【ロールプレイ】 ・学生には、「どういう方法で話しかけるか」も決めさせます。 (たぶんいないと思いますが)声なし手話で話してきた場合には、「手話はわからない」と伝えてください。 音声だけ、身振り等の場合も、「聴覚障害者に慣れていない一般の人が理解できるだろう」というラインで、通じないと思われた場合にはそのような演技にしていただいてかまいません。
モデルを見てみましょう ・実際に企業で働いている方はどんな対応をするのか、見てみましょう。 ・自分たちが気付かなかった点、今後に生かしたい点を見つけましょう。 8 8
ポイント あなたがどんな配慮を望んでいるのか、周りの方に伝わったと思いますか? 依頼をされた人たちは、その依頼をどのように受け止めたでしょう? ロールプレイが終わった後、次のような流れで振り返りを行います。磯田が進行します。 ・ロールプレイに出た学生の感想 ・見ていた学生の感想、指摘 ・社員役のうち、依頼をされた方からの感想、意見 ・磯田:2グループでの違い、モデルの良い点、改善が必要なことの整理 ロールプレイ参加者にご意見を頂く時には手話通訳が付きます。
まとめ 会社の同僚は支援者ではありません。同じ仕事をするために、自分に必要な情報は積極的に取りに行くようにしましょう。 「配慮して欲しい」と言われても、具体的にどうしたらいいのかが分からないのです。 自分に必要なサポートを”具体的に”伝える練習を、在学中に重ねてみて下さい。 まとめとして、 今回のロールプレイのポイントとして指摘したいのは以下の点です。 ・自分が会議に参加することを具体的に考え、必要なことを伝えられたか? ・周りに協力をしてもらうことばかりを考えていないか? ・分からなかったことを何となく流していないか?
本スライドは、以下の研修会のために講師が作成した教材を元に、一部修正の上使用したものです。 本教材の著作権はPEPNet-Japanに帰属しています。 日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan) 「平成25年度 聴覚障害学生エンパワメント研修会」 研修③支援の依頼を体験しよう! 「周囲の人に協力を依頼してみよう! (ロールプレイ)」 講師:磯田恭子(筑波技術大学) 協力:井上寿枝(札幌学院大学)、竹下欣吾(北海道大学) 山本恵理(株式会社アイワード[印刷会社])