水胞性口炎 (vesicular stomatitis) 日

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水胞性口炎 (vesicular stomatitis) 日 日本獣医師会:豚 日本獣医師会:馬 病原体: ラブドウイルス科に属するウイルス。 感受性動物: 馬、ロバ、牛、豚、水牛などに感染する。緬山羊は臨床症状を示しにくい。ヒトが感染した場合、インフルエンザ様の症状を示すことがある。 発生原因: 吸血昆虫(ダニ、サシバエ、蚊、ブヨ等)によって伝播されるため、季節性が見られる。また、発生時には感染動物や汚染物との接触でも伝播する。Black Flyのなかで、水平感染する事が報告されたが、自然界の保有動物は不明。 日本獣医師会:牛 臨床症状: 潜伏期は2~4日。発熱の後、流涎や蹄・鼻、口腔内の水疱形成が見られる。2次的に食欲不振や跛行を示す。 分布: 発生はアメリカ大陸に限られている。2004~2006年にかけてアメリカ合衆国で牛および馬でのNew Jersey virusの流行が続発し、カナダとの国境沿いまで拡大した。 Black Fly

牛の唾液分泌過多 鼻端の水疱 罹患馬の舌にできた水疱 蹄や口内に水疱や糜爛ができ、症状が口蹄疫と酷似するので、牛や豚の場合類症鑑別が重要となる。発症個体の唾液や水疱液に大量の水胞性口炎ウイルスが含まれているので、飼料や飲水を汚染し、次々と感染が広がる。

アメリカコロラド州フロントレンジにおける発生状況 (1982年) 血清型別発生件数 1975~1984年 メキシコにおける牛、馬、豚などの家畜群 狂犬病ウイルスと同じ仲間のラブドウイルス科に属し弾丸状の特徴ある形をしており、RNA型の核酸を有する。南北アメリカ大陸で発生しているウイルスにはニュージャージー(NJ)型とインデイアナ(IND)型があり、IND型はさらにIND-I、IND-II、IND-IIIの3つの亜型に分類されている。 NJとINDの 混合 NJ IND 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 24 33 28 64 56 71 81 67 119 94 5 16 14 2 15 3 1 3 4 1 中央競馬会 60 92 5 1341 206 71 4.5 44.7 7.6 69 83 10 102 136 68 67.6 61.0 14.7 発症数 検査数 % 陽性数 血清疫学調査 アメリカコロラド州フロントレンジにおける発生状況 (1982年) ウシ ウマ ヒト 臨床例

舌上皮の広範な潰瘍 臨床症状 最初40℃程度の発熱があり、舌、歯齦、口唇、口蓋、蹄冠部、乳頭、包皮、耳に水疱と糜爛を形成し、著しい流涎、嚥下障害、呼吸障害、破行などを示す。特に舌や蹄冠部に現われた水疱や糜は、馬の臨床症状として特徴的な所見である。 馬の実験感染 診断: 馬では舌や蹄冠部に水疱や糜爛を形成する疾病は他になく、臨床的に診断可能。しかし、食餌性中毒で口腔内に類似の病変を現わすことがあるため、注意が必要。確定診断は、ウイルス分離や血清中の抗体の検出による。ウイルス分離は、水疱液や糜爛の病巣組織を培養細胞や哺乳マウスに接種して行う。抗体検査は発病時と回復時に採取した組血清を用いて行う。 実験馬にウイルスを接種して再現した炎症像。 蹄冠部の炎症像

2004~2006年に米国で流行 2005年からより詳細な情報提供 2000 2004 情報なし 発生報告なし この期間に報告なし 2005 1-6 2005 7-12 2006 1-6 2006 7-12 2005年からより詳細な情報提供 情報なし 発生報告なし この期間に報告なし 臨床例を確認 限られた地域で臨床例を確認 血清型 Indiana 血清型 New Jersey 血清型不明 現在流行中 2007 1-6

広がる要因=吸血昆虫? 家畜の集合施設 催し物 売買 野生動物? May 18, 2004 ~ January 14, 2005 An outbreak of Vesicular Stomatitis was confirmed on May 19 on a premises near Balmorhea, in Reeves County in west Texas. Three of 9 horses on the premises exhibited clinical signs and were seropositive for the New Jersey strain. 検疫: 想定される要因を迅速に封じ込める 広がる要因=吸血昆虫? 家畜の集合施設 催し物 売買 野生動物? 州法 検疫下の施設数 検疫が解かれた施設数 CO NM TX 計 199 80 15 294 Reeves County ウシ ラクダ科(アルパカ) ラクダ科(ラマ) ウマとウシ ウマ科(ロバ) ウマ科(ウマ) 州都 主要都市 河川 州境

2005年 ウマを主とした流行であり、動物種による感受性や排菌量の違い、飼育密度、移動の頻度や距離など、様々な要素が関わっている。 ウマ ウシ ウマ: 未検疫 発生した州 未発生の州 主要都市 水域 州境

August 17, 2006 ~ December 21, 2006: Wyoming April 27, 2005 ~ April 11, 2006 AZ CO ID MT NE NM TX UT WY Total 検疫下の施設 27 100 2 46 3 23 1 104 139 445 検疫が解かれた施設 ウマ科の陽性頭数 30 89 6 112 122 195 584 ウシ科の陽性頭数 44 40 4 54 57 202 August 17, 2006 ~ December 21, 2006: Wyoming 12 ウシ科の陽性頭数 17 ウマ科の陽性頭数 13 検疫が解かれた施設 検疫下の施設 Total WY APHIS, USA 米国では十数年周期で大きな流行が繰り返されている。馬に感染すると口腔粘膜、乳頭、蹄冠部、包皮などに水疱や糜爛を形成するが、死亡したり重度の後遺症が残ることはほとんどないとされている。

Disease is typified by oral vesicles that rupture producing ulcers. Indicate lesions also found-nose, sheath, udder, feet Photos by Drs. Brent Thompson and Fred Bourgeois

disease_pres_no_quant 世界における水胞性口炎の発生状況の推移 2005 2006 2007 2005 2006 2007 国名 前 後 国名 前 後 Belize Honduras     Bolivia Mexico     Brazil Nicaragua     Colombia Pakistan     Costa Rica Panama     Ecuador Peru     El Salvador USA     Guatemala Venezuela     2007 7-12   情報なし 過去にも報告なし この期間に報告なし 擬似症例はあるが未確定 感染はあるが臨床例なし 臨床例を確認 限定地域で感染確認 限られた地域で臨床例を確認 disease_pres_no_quant

ヒトが感染した場合、インフルエンザ様の症状を示すことがある。 健康成人にはリスクは低いが、健康弱者には問題となる。たとえば、抗毒素血清を製造する際にウマまたはヒツジが使われることが多いが、それを介してヒトが感染することはないか? γグロブリン生産過程には、酸性下でのペプシン消化、パパイン消化、硫酸アンモンやカプリル酸による沈殿、加熱凝固またはクロマトグラフィーによる分離工程があり、ウイルスは不活化ないし除去される。そのため、これまでにγグロブリンを介してヒトが感染した例は皆無である。しかし、近年の人獣共通感染症の拡大から、抗毒素の安全性査定が求められている。 Committee for Proprietary Medicinal Products Arteritis virus [EAV] Borna virus [BDV] Eastern, western, and Venezuelan equine encephalitis alphavirus [EEEV, WEEV, VEEV] Equine coronavirus [ECV] Equine foamy virus [EFV] Equine herpes viruses [EHV] Equine infectious anaemia virus [EIAV] Equine influenza virus [EIV] Equine morbilli virus (Hendra) [HeV] Japanese encephalitis virus [JEV] and Saint-Louis encephalitis virus [SLEV] Nipah virus [NiV] Salem virus [SalV] Vesicular stomatitis virus [VSV] West Nile virus [WNV] Equine rhinitis A and B viruses [ERAV and ERBV] . Equine encephalosis virus [EEV] Equine rotavirus [ERV] Assessment of the viral safety of antivenoms fractionated from equine plasma

←Erosions and exudate in the nostrils. Erosions ruptured vesicles of the gums. → ←Erosions and dried exudate on the coronary band and heel. →Hyperemia and beginning erosions on the coronary bands. ←Erosions on a teat. →Vesicles on the tongue

Long Term Antibody Study in Horses Serologic Tests CELISA Complement fixation (CF) Virus neutralization (VN) Photo by Dr. Greg Chavez

Long Term Antibody Study in Horses Colorado Infected Nov 2004 Cinnamon/Hazel Wyoming Infected Sept 2005 Red/King Photo by Dr. Greg Chavez

Complement Fixation Antibody Responses King >40 Red Cinnamon Hazel CF NJ Titer 20 Need to run samples all on same day/same test. Uncertain about specificity of 1:10 after 5 months. 10 5 1 2 3 4 5 6 7 Time (months)