臨死体験 Near-Death Experience
臨死体験とは? 資料映像 『驚異の超心理世界(2)死後の領域との接点』(BBC) 『死生観の人類学(2)死を体験する』(新宿スタジオ)
臨死体験者の割合 臨死状態から生還した人の30% 全人口の5% (アメリカでの調査)
臨死体験の典型的な要素 安らぎ、喜びの感覚 身体との分離の感覚、体外離脱体験 トンネル体験 人生の回顧、走馬燈体験 境界線(三途の川など)を見る 光の体験 宇宙との合一感 死者、霊的存在との出会い 帰還の決断
資料映像:『死生観の人類学(2)死を体験する』(新宿スタジオ) 臨死体験の事後効果 資料映像:『死生観の人類学(2)死を体験する』(新宿スタジオ)
臨死体験の事後効果(1) 死後の意識の存続への信念の強化 死への恐れの低下 (自殺に対して肯定的にはならない) 超常的な体験の増加 霊的な関心や信仰心の増加 (組織宗教への関心は増加しない) 平和問題や環境問題への関心の増大
臨死体験の事後効果(2) 自己の人生の意味への理解の増加 他者からの評価への関心の低下 他者への愛や寛容さの増加 他者との競争心の低下 物質的な成功への関心の低下
臨死体験の解釈
文化的イメージ仮説 文化的に学習された天国や地獄などのイメージが死に瀕したときにあらわれる しかし、体験内容に文化差があるのは事実だが、共通性のほうが大きい また、文化的なイメージがあまりすり込まれていない乳幼児の臨死体験にも共通性がある
資料映像:『驚異の超心理世界(2)死後の領域との接点』(BBC) 子どもの臨死体験 資料映像:『驚異の超心理世界(2)死後の領域との接点』(BBC)
出生時記憶仮説 出生時に産道を通って外界へ出た記憶が再生されてトンネル体験になる(Saganなど) しかし、新生児は顔を前にして産まれてくるのではない また、帝王切開で生まれた人の臨死体験にもトンネル体験があらわれる
臨死体験の脳内現象モデル 脳が低酸素状態などのストレスにさらされるとエンドルフィンなどの神経ペプチドが分泌され、痛みを消失させ多幸感を生じさせる 解離的防衛は体外離脱体験を起こす 視覚野が低酸素状態になるとトンネル状の光が見える 同時に辺縁系が低酸素状態になると、海馬と扁桃核でてんかん様の発作が起こり、幻視、雑音状の幻聴と人生回顧が起こる
脳内現象モデルの問題点(1) 体験の個別の要素を説明するモデルはあるが体験全体を説明する一貫したモデルがない 酸素や二酸化炭素の血中濃度は(つまり、どれぐらい死に近づいたかは)臨死体験の内容に影響しない 脳の活動が完全に停止していても体外離脱などの体験が起こる
脳内現象モデルの問題点(2) 体験の超常的要素を説明するモデルがない(もしESPが存在すれば、それによって説明できる部分もある) 体験の要素と脳内の部位との間に対応関係があったとしても、脳内の変化が体験を生み出しているとは限らない。(脳の変化は異なる現実へのアクセスを可能にしているのかもしれない)
「死後の世界」仮説の間接的証拠 直接的な証拠を得るのは難しいが・・・ 「体外離脱」中に、ベッドに寝ていたのでは見えないはずのものが見える現象 体験中に出会う人物が存命中の人ではなく死者ばかりだという現象
資料映像:『驚異の超心理世界(2)死後の領域との接点』(BBC) 「体外離脱」体験の事例 資料映像:『驚異の超心理世界(2)死後の領域との接点』(BBC)