Ⅰ.はじめに 1.代理店の位置付け 2.主な国庫金受払事務の概説 (1)歳入金等の受入(歳入金) (2)歳入金等の受入(国税) 1.代理店の位置付け 2.主な国庫金受払事務の概説 (1)歳入金等の受入(歳入金) (2)歳入金等の受入(国税) (3)歳出金の支払(集中払) (4)歳出金の支払(預託金経由) (5)現金の一時的な預かり (保管金、供託金) 3.主な年間のイベント
1.代理店の位置付け 国民(個人、企業) 取引官庁 日本銀行本店 統轄店 (=日本銀行本支店) 証票、報告表の提出 代理店受払額 の資金決済 計算整理した 結果を官庁に報告 各官庁別、会計別 に計算整理 証票、報告表の提出 小切手、振込請求書 国庫金振替書 代理店受払額 の資金決済 (預入・引出) ― 日銀ネットを利用 金融機関 代理店 預金店 受払額報告 振替済書 振替済通知書 統合国庫記帳システム への記帳 資金の支払い (預託金等) 資金の受入れ (歳入金等=歳入金と国税) 納入の告知 国民(個人、企業) 支払の請求 【解説】 ・日本銀行本支店、代理店に預託金、保管金等の口座を保有し、それらを通じて取引を行う官庁を「取引官庁」、そこに おいて取引を行う資格(「資金前渡官吏」や「歳入歳出外現金出納官吏」など)を有する職員を「取引担当官」と呼ぶ。 ・「各地方の国庫金出納の事務を統轄する」という趣旨から、日本銀行本支店を「統轄店」と呼ぶ。
(後述する「資金前渡官吏」、「歳入歳出外現金 出納官吏」と合わせて「出納官吏」と総称) 代理店 (注)この表示は、歳入代理店にも関係する内容が含まれることを示しています。 2.主な国庫金受払事務の概説 (1)歳入金等の受入(国民からの歳入金の受入) A官庁 *1 歳入徴収官 ①納入を指示(告知) 【解説】 ・国民(納付者)に対する歳入金の納入の指 示(告知)や、納付された歳入金の管理等 の事務を行うことが出来る資格のこと 【この資格を有する職員(例)】 ・○○省会計課長 ・△△省××地方局□□部長など 【その他】 ・事務を代理する「歳入徴収官代理」や、事 務の一部を担当する「分任歳入徴収官」、 それを代理する「分任歳入徴収官代理」が 存在 国民 ②’A官庁に直接、納付 するケース ②日本銀行本支店、代理店、 歳入代理店に納付するケース 収入官吏 (後述する「資金前渡官吏」、「歳入歳出外現金 出納官吏」と合わせて「出納官吏」と総称) 日本銀行本支店、代理店、歳入代理店 ②’’一旦納付された資金を 日本銀行本支店、代理店、 歳入代理店に払込み 【解説】 ・国民(納付者)から、歳入金の受入(収 納)の事務を行うことが出来る資格のこと 【この資格を有する職員(例)】 ・■×省経理課長 ・△○省地方●×部□□課長など 【その他】 ・事務を代理する「収入官吏代理」や、事務 の一部を担当する「分任収入官吏」、それ を代理する「分任収入官吏代理」が存在 ③払込まれた全ての資金 日本銀行本店 ④払込まれた歳入金を、一般会計・主管別、 特別会計・会計別に区分したうえで、官庁別に計理 *1)「歳入徴収官」または「国税収納命令官」(次頁)がおかれている官庁を「歳入金等取扱庁」と総称。
(2)歳入金等の受入(国民からの国税の受入) 代理店 2.主な国庫金受払事務の概説 (2)歳入金等の受入(国民からの国税の受入) A官庁 *1 国税収納命令官 ①納入を指示(告知) 【解説】 ・国民(納税者)に対する国税の納入の指 示(告知)や、納付された国税の管理等 の事務を行うことが出来る資格のこと 【この資格を有する職員(例)】 ・○○国税局長 ・△△税務署長など 【その他】 ・事務を代理する「国税収納命令官代理」 や、事務の一部を担当する「分任国税収 納命令官」、それを代理する「分任国税 収納命令官代理」が存在 国民 ②’A官庁に直接、納付 するケース ②日本銀行本支店、代理店、 歳入代理店に納付するケース 国税収納官吏 日本銀行本支店、代理店、歳入代理店 ②’’一旦納付された資金を 日本銀行本支店、代理店、 歳入代理店に払込み 【解説】 ・国民から、国税の受入(収納)の事務を 行うことが出来る資格のこと 【この資格を有する職員(例)】 ・○○国税局会計課長 ・△△税務署○○課長など 【その他】 ・事務を代理する「国税収納官吏代理」や、 事務の一部を担当する「分任国税収納官 吏」、それを代理する「分任国税収納官 吏代理」が存在 ③払込まれた全ての資金 日本銀行本店 ④払込まれた国税(消費税、法人税、所得税、関税等)を、 国税収納金整理資金口座において官庁別に計理 *1)「歳入徴収官」(前頁)または「国税収納命令官」がおかれている官庁を「歳入金等取扱庁」と総称。
(3)歳出金の支払(日本銀行本店からの集中払) 2.主な国庫金受払事務の概説 (3)歳出金の支払(日本銀行本店からの集中払) ── 代理店を経由しない事務 財務省会計センター センター支出官 ③国民の口座に対する 支払を通知 日本銀行本店 【解説】 ・全官署支出官からオンラインで依頼された国民への支払 (および官庁の口座間の資金の付替<振替>)を、一括し て処理(日本銀行本店に対して、支払を通知)すること が出来る資格のこと 一括して集中処理することから、「集中払」と呼ばれる 【この資格を有する職員<1名>】 ・財務省会計センター会計管理部長 【その他】 ・事務を代理する「センター支出官代理」が存在 歳出金 口座 ④全銀ネットを通じて 国民の口座に振込 (日本銀行本支店、 代理店) 金融機関 ②国民への支払いを決定し、 国民の口座への振込を依頼 国民の 口座 A官庁 官署支出官 (注) 【解説】 ・国民への支払いを決定することが出来る資格のこと 【この資格を有する職員(例)】 ・○○局会計課長 ・△△地方局□□部長など 【その他】 ・事務を代理する「官署支出官代理」が存在 国民 ①A官庁に対して、 支払を請求 (注)一旦国民に支払われた歳出 金のうち、歳出金口座に戻し 入れる資金を「歳出金返納金 (戻入れ)」と呼ぶ
(4)歳出金の支払(預託金口座を通じた支払) 2.主な国庫金受払事務の概説 (4)歳出金の支払(預託金口座を通じた支払) 日本銀行本店 財務省会計センター ➌A官庁の資金前渡官吏に対して、 「事前に渡す」資金を通知 歳出金 口座 センター支出官 ➋A官庁の預託金口座への入金 を決定し、通知 A官庁 日本銀行本支店、代理店 ➍預託金口座 に入金 官署支出官 ②預託金払出のための 小切手等を提出し、 国民の口座への振込 を依頼 A官庁の 預託金口座 ➊自身の預託金口座への 入金を依頼 ③振込 資金前渡官吏 (しきんぜんとかんり) 金融機関 国民の 口座 【解説】 ・センター支出官から、資金を「事前に渡して」もらい、 その資金から、国民への支払い(小口の支払いや職員 への給与払い等)を行うことが出来る資格のこと ・また、この資金を管理する口座を「預託金(センター 支出官から預託された資金)」口座と呼ぶ 【この資格を有する職員(例)】 ・○○局会計課長 ・△△地方事務所△△部長など 【その他】 ・事務を代理する「資金前渡官吏代理」や、事務の一部 を担当する「分任資金前渡官吏」、それを代理する 「分任資金前渡官吏代理」が存在 ②’’小切手 を呈示 ③’現金 払い ②’小切手を振出 国民 (注) ①A官庁に対して、 支払を請求 (注)一旦国民に支払われた資金の うち、預託金口座に戻し入れる 資金を「預託金返納金」と呼ぶ
(5)現金の一時的な預かり(保管金、供託金) 2.主な国庫金受払事務の概説 (5)現金の一時的な預かり(保管金、供託金) A官庁 日本銀行本支店、代理店 歳入歳出外現金出納官吏 A官庁の 保管金口座 ②預かった現金を返金 【解説】 ・国民から一時的に預けられた現金で あり、国として収納する資金(歳入 金)または支払う資金(歳出金)に 該当しない現金(歳入歳出外現金) の受払いにかかる事務を行うことが 出来る資格のこと 「歳入歳出外現金」には、主に、 契約保証金・入札保証金等の 「保管金」(保管金口座で管理)と、 弁済供託金・選挙供託金等の 「供託金」(供託金口座で管理)がある 【この資格を有する職員(例)】 ・○○法務局□□事務官 ・△△地方裁判所 ○○裁判所事務官など 【その他】 ・事務を代理する 「歳入歳出外現金出納官吏代理」や、 事務の一部を担当する 「分任歳入歳出外現金出納官吏」、 それを代理する 「分任歳入歳出外現金出納官吏代理」 が存在 ①-A’官庁が払込み (保管金払込書) ①-B 直接保証金を 払込み(保管金振込書) 国民 ①-A 契約保証金、入札保証金を官庁に払込み 供託書 国民 (供託する人) ①-A 供託金を 官庁に払込み ①-B 直接、供託金を 払込み(保管金払込書) ②預かった現金 を支払 国民 (供託される人) 日本銀行本支店、代理店 A官庁の 供託金口座 ①-A’官庁が 払込み (保管金払込書) ②預かった現金を支払
3.主な年間のイベント 歳入 代理店 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 受払関係等 源泉所得税(特例分)の受入れ 源泉所得税(特例分)の受入れ 国税還付金の事務繁忙期 法人税(9月期 決算法人)の受入れ 法人税(12月期決算法人)の受入れ 法人税(3月期決算法人)の受入れ 主な イベント 申告所得税の受入れ 財政融資資金の事務繁忙期 財政融資資金の事務繁忙期 (注:解説は下部参照) 両年度整理期間 取引開廃等 ◇取引開廃の事務繁忙期 ◇OCR関係帳票請求(翌年度下期分) ◇OCR関係帳票請求(翌年度上期分) 【解説】両年度整理期間とは? ・ 一会計年度は4月1日から翌年3月31日までであるが、翌年度4月1日から5月末までは、前会計年度に かかる出納を整理するため、前年度の歳入金の収納または歳出金の支出ができることとしている。 ・ この期間は、前年度分と当年度分の歳入金や歳出金が混在することとなり、両者を区別するための年度別整理 が必要となるので、例年4月1日から5月末までを「両年度整理期間」という。 両年度整理期間 27年4月1日 28年3月末 28年5月末 前年度の出納を整理するため、 27年度に属する歳入金および 歳出金の取扱いが可能 会計年度:27年度 会計年度:28年度 28年4月1日
②新旧年度別に整理するもの(①以外のもの) 歳出金(返納金戻入れ)として整理するもの 歳入 代理店 3.主な年間のイベント 両年度整理期間中に受入れた「歳入金」は、次表のとおり取扱う(注)。 (注)国税のほか、歳入金のうち日銀OCR分は、新旧両年度別の区分整理を要しない。 ①すべて新年度として整理するもの ②新旧年度別に整理するもの(①以外のもの) 旧(前)年度に整理 新(現)年度に整理 ・ 検察庁取扱にかかる法務省主管 一般会計歳入金のうち納付書上部 に 検 の表示があるもの ・ 裁判所取扱にかかる裁判所主管 一般会計歳入金のうち納付書上部 に 訴え提起等手数料 の表示が あるもの ・ 内閣府主管一般会計歳入金のうち 納付書上部に 交 の表示がある もの(交通反則金) 4月中 受入分 受入書類に記載された年度が 前年度のもの 前年度以外のもの または年度の記載がないもの 5月中 受入書類が ・現金払込書(領収控に 現 の表示あり) ・送付書(領収控に 送 の表示あり) ・領収確認書 ・国庫金振替書 であり、記載された年度が前年度のもの 左記以外のもの 「歳出金(返納金戻入れ)」は、次表のとおり取扱う。 ― 4月中受入分は、「歳出金(返納金戻入れ)」として年度別の整理が必要。 歳出金(返納金戻入れ)として整理するもの 旧(前)年度に整理 新(現)年度に整理 4月中 受入分 受入書類に記載された 年度が前年度のもの 年度が新年度のもの 5月~ 翌年3月 × (歳出金としては 整理しない) 受入期限経過後(注)に受入れた書類は「歳入金」として取扱う ⇒28頁および28-2頁参照 (注)受入書類に記載された年度の翌年度5月1日以降 歳入金として整理するもの 4月中 受入分 受入書類に記載された年度が前々年度以前のもの 5月~ 翌年3月 受入書類に記載された年度が前年度以前のもの