生物学 第11回 多細胞生物への道 和田 勝.

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生物学 第11回 多細胞生物への道 和田 勝

老化も遺伝子の異常で? ビデオで見たように、早く老化が起こってしまう疾患の研究がおこなわれて、これらの病気には遺伝子の突然変異が関係することがわかってきました。

早老症の原因遺伝子 Hutchinson-Gilford症候群の原因遺伝子は、核膜のすぐ内側にある核ラミナを構成する構造タンパク質の異常によって起こることが突き止められました。

細胞の図 http://mgl.scripps.edu/people/goodsell/

細胞の図(左から1,2) タンパク質は水色、核酸はピンク、脂質は黄色 細胞膜 リボソーム

細胞の図(左から3,4) 小胞体 ゴルジ装置

細胞の図(左から5,6) ミトコンドリア

細胞の図(左から7,8) 核ラミナ 核膜と核膜孔 ヌクレオソーム

細胞の図(左から7,8) 核ラミナ 核膜と核膜孔 ヌクレオソーム

原因遺伝子 何故発症するか、理由はよくわかっていませんが、核ラミナが異常になり、核が不安定になるためだといわれています。 核ラミナにはヌクレオソームがanchoringするために重要だと考えられています。

早老症の原因遺伝子 Werner症候群の原因遺伝子は、DNAヘリカーゼと呼ばれる酵素タンパクをコードしており、染色体の安定性の維持や遺伝子修復に関与していることがわかっています。

発生のお話を 横道にそれましたが、ここで発生についてお話ししたいと思います。発生は、ずっと昔から生物学の大きなテーマでした。 最初は均一に見える卵からどうしていろいろな器官が分化して、完全な個体が生まれるのでしょうか。

真核生物の多くは多細胞 これまでは、一つ一つ細胞の構造や働きを述べてきましたが、細胞は孤立しているのではありません。 多細胞生物は、1つの受精卵が卵割(細胞分裂)によって、細胞数を増やしていきます。しかもただ単に数を増やすわけではありません。

ウニの発生Ⅰ

ウニの発生Ⅱ

陥入による肺葉の分化 ウニの場合: 16細胞期 中割球 大割球 小割球 原腸期 内胚葉 (原腸)の分化 中胚葉 (間絨織)の分化 胞胚期

カエルの発生Ⅰ

カエルの発生Ⅱ

陥入による肺葉の分化 カエルの場合:

胚葉の分化 ウニの場合もカエルの場合も、こうして 外胚葉、内胚葉、中胚葉が形成されます 外胚葉、内胚葉、中胚葉からは、それぞれ 異なる器官が分化してきます

●外胚葉からできる器官   表皮   皮膚の表皮(毛、つめ、汗腺など)、眼の水晶体、         角膜、口腔上皮、嗅上皮   神経管  脳、脊髄、脳神経、眼の網膜 ●内胚葉からできる器官   消化管(食道・胃・小腸・大腸の内面の上皮)、えら、中耳、   肺、気管 ●中胚葉からできる器官   脊索(みずからは器官を作らないが、脊椎骨や筋肉の分      化に関与する)   体節  脊椎骨、骨格、骨格筋(横紋筋)、皮膚の真皮   腎節  腎臓、輸尿管、生殖腺、生殖輸管   側板  腹膜、腸管膜、内蔵筋(平滑筋)、心臓、血管、        結合組織

受精卵から発生する 均一に見える一個の受精卵から、どうしてこのように複雑な構造と働きをもつ個体が生まれるのでしょうか。 昔から、多くの人々の知的好奇心を惹起してきた、発生(development)と分化(differentiation)の問題がここにあります。

例として眼の発生 脳から突出した眼杯が表皮に働きかけると、 表皮が厚くなり内側にくびれて水晶体に 分化します。網膜は眼杯の内側の層からできます。

水晶体(レンズ)の誘導 このように、水晶体は眼杯の働きかけによって分化します。このような働きかけによって分化することを「誘導」と呼んでいます。 ということは、誘導という現象の本質がわかればよいことになります。

誘導と分化 誘導というのは、細胞と細胞の情報交換に基づいていることになります。 横道にそれますが、細胞間の情報交換について、少し調べてみましょう。

人と人の間の情報交換 「握手」のように、直接、接触して相手に情報(敵ではない)を伝えます。

人と人の間の情報交換 言葉によって、相手に情報を提供します。

人と人の間の情報交換 言葉によって、相手に情報を提供します。

細胞間の情報交換 ヒトとヒトの間の情報交換の主な手段は言語で、それぞれの単語に意味があります。 生体では、この単語にあたるのが分子で、ここではこれを「信号分子」と呼びましょう。 一つ一つの分子に意味があります。

例えば成長ホルモン 成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるタンパク質ホルモンです。この分子の持つ意味は、「成長せよ」です。 前回お話した、手足の骨の骨端の軟骨の分裂と増殖を促し、骨を長くするように働きます。 成長期が終わり、骨端線が閉じると成長しなくなります。

例えば成長ホルモン この作用は肝臓を介しています。

成長ホルモン そのため、成長期に成長ホルモンが出すぎると、巨人症(acromegaly)になってしまいます。 脳下垂体にある成長ホルモンを作る細胞の腫瘍化が原因です。

成長ホルモン分子 これが「成長せよ」という言葉(分子)

この分子が意味ある言葉に? 人の言葉が相手に伝わるのは聴覚器官(すなわち耳)で言葉を受け取るからです。 信号分子が相手側に伝わるのは、相手に聞く耳、すなわち「受容体」があるからです。

成長ホルモン受容体 細胞の表面に生えています

成長ホルモン受容体 細胞膜

受容体に信号分子が結合 前のスライドの受容体を線で示しています。

結合すると細胞の中に、、 このように成長ホルモンがその受容体に結合すると、細胞内に「成長せよ」という意味が伝わります。 「成長ホルモン」と「成長ホルモン受容体」は、「鍵と鍵穴」の関係にあり、この組み合わせでのみ、信号が伝わるのです。

発生の不思議 発生の仕組みについては、長い間、現象を記述し、さまざまな考え方(仮説)が提出されてきました(場の考え、勾配説など)。

前生説と後生説 前生説 卵か精子に小さな大人の体制 がしまい込まれているのだと いう考え 後生説 受精卵が発生の過程でだん だんと大人の体制になっていく という考え

前生説と後生説 前生説は否定されましたが、すべての情報がDNAのかたちで精子と卵にしまい込まれているという意味では、完全に間違いというわけではありませんでした。 一方、DNAの遺伝情報が発現しても、一直 線というわけではなく、表現型にいたるまで には、その細胞がおかれた環境の影響を 受けます。

眼の発生

眼の発生 水晶体は眼杯の誘導によって表皮から分化 網膜は眼杯の内側の層から

脊椎動物の肢の発生 ニワトリの前肢 先端-基部軸、前後軸、背腹軸がある

脊椎動物の肢の発生 ニワトリ 前肢 マウス 前肢

脊椎動物の肢の発生 団扇状の肢芽(limb bud)となる 表皮のポケットができ、中に中胚葉性の間絨織細胞が入った 前肢 後肢

肢芽の模式図 青四角、黄色四角、 赤丸はそれぞれ細胞を表す

脊椎動物の肢の発生 肢芽 AERによ る肢芽の 成長 翼or後肢

ZPAが肢の前後軸を決める

脊椎動物の肢の発生 肢芽の先端にAERができることで、前肢 の先端ー基部軸ができる 別の遺伝子が、肢芽の後方(ZPA)で発現して前肢の前後軸を決める ホメオボックス遺伝子が、正しい順序で 発現して、骨(上腕骨、尺骨とトウ骨、掌骨、指骨)を正しく形成する

誘導物質が運命を決定 側板中胚葉から分泌されるFGF-10 (fibro-blast growth factor)がAERを誘導する AERからはFGF-8が分泌されて間絨織の増殖を促して肢芽を大きくするとともに、後方(ZPA)にはたらく ZPAからはShhが分泌されて、肢芽の前後軸を決める ホメオボックス遺伝子が、正しい順序で 発現して、骨を正しく形成する 参考:http://www.kawasaki-m.ac.jp/molbiol/MS1/anat98yk.html

側板中胚葉からFGF-10

側板中胚葉からFGF-10 FGF-8(fibroblast growth factor-8, chick) 10 20 30 40 50 60 1 MCKWILTNGA SAFSHLPCCC LLLLFLVSSV PVTCHDLGQD MLSPEATNSS SSSSSSFPSS 61 FSSPSSAGRH VRSYNHLQGD VRKRKLYSYN KYFLKIEKNG KVSGTKKENC PFSILEITSV 121 EIGVVAVKSI KSNYYLAMNK KGKVYGSKEF NSDCKLKERI EENGYNTYAS LNWKHNGRQM 181 FVALNGRGAT KRGQKTRRKN TSAHFLPMVV MS FGF(fibroblast growth factor 、繊維芽細胞増殖因子)は、血管系細胞の増殖や神経細胞の成長を促すペプチド群の総称で、いくつかの種類(18種類)がある。

FGF-8の発現

FGF-8もペプチド FGF-8(fibroblast growth factor-8, chick) 10 20 30 40 50 60 10 20 30 40 50 60 1 MDPCSSLFSY VFMHLFVLCL QAQVTVQSPP NFTQHVREQS LVTDQLSRRL VRTYQLYSRT 61 SGKHVQILDN KKINAMAEDG DVHAKLIVET DTFGSRVRIK GAATGFYICM NKKGKLIGKS 121 NGKGKDCVFT EIVLENNYTA LQNAKYEGWY MAFTRKGRPR KGSKTRQHQR EVHFMKRLPK 181 GHQTTEPHRR FEFLNYPFNR RSKRTRNSSA SLRP

FGF-8もペプチド 成長因子として見つかっていたFGFが、誘導物質だった。 このように、既知の物質が発生の過程で誘導物質として働く例がたくさん見つかっている。 それでは、FGFは、どのように働くのだろうか。

FGFは受容体と結合 FGF受容体(chick) 10 20 30 40 50 60 10 20 30 40 50 60 1 MFTWRCLILW AVLVTATLSA ARPAPTLPDQ ALPKANIEVE SHSAHPGDLL QLRCRLRDDV 61 QSINWVRDGV QLPENNRTRI TGEEVEVRDA VPEDSGLYAC MTNSPSGSET TYFSVNVSDA 121 LPSAEDDDDE DDSSSEEKEA DNTKPNQAVA PYWTYPEKME KKLHAVPAAK TVKFKCPSGG 181 TPNPTLRWLK NGKEFKPDHR IGGYKVRYAT WSIIMDSVVP SDKGNYTCIV ENKYGSINHT 241 YQLDVVERSP HRPILQAGLP ANKTVALGSN VEFVCKVYSD PQPHIQWLKH IEVNGSKIGP 301 DNLPYVQILK TAGVNTTDKE MEVLHLRNVS FEDAGEYTCL AGNSIGISHH SAWLTVLEAT 361 EQSPAMMTSP LYLEIIIYCT GAFLISCMVV TVIIYKMKST TKKTDFNSQL AVHKLAKSIP 421 LRRQVTVSAD SSSSMNSGVM LVRPSRLSSS GTPMLAGVSE YELPEDPRWE LPRDRLILGK 481 PLGEGCFGQV VLAEAIGLDK DKPNRVTKVA VKMLKSDATE KDLSDLISEM EMMKMIGKHK 541 NIINLLGACT QDGPLYVIVE YASKGNLREY LQARRPPGME YCYNPTRIPE EQLSFKDLVS 601 CAYQVARGME YLASKKCIHR DLAARNVLVT EDNVMKIADF GLARDIHHID YYKKTTNGRL 661 PVKWMAPEAL FDRIYTHQSD VWSFGVLLWE IFTLGGSPYP GVPVEELFKL LKEGHRMDKP 721 SNCTNELYMM MRDCWHAVPS QRPTFKQLVE DLDRIVAMTS NQEYLDLSVP LDQYSPGFPA 781 TRSSTCSSGE DSVFSHDPLP DEPCLPRCPP HSHGALKRH

FGF受容体は、、 細胞内シグナルタンパク質を活性化する 二量体型のシグナル分子が結合すると チロシンがリン酸化され

ZPAが肢の前後軸を決める

ZPAからはShh Shh(sonic hedgehog)、chick 10 20 30 40 50 60 1 MVEMLLLTRI LLVGFICALL VSSGLTCGPG RGIGKRRHPK KLTPLAYKQF IPNVAEKTLG 61 ASGRYEGKIT RNSERFKELT PNYNPDIIFK DEENTGADRL MTQRCKDKLN ALAISVMNQW 121 PGVKLRVTEG WDEDGHHSEE SLHYEGRAVD ITTSDRDRSK YGMLARLAVE AGFDWVYYES 181 KAHIHCSVKA ENSVAAKSGG CFPGSATVHL EHGGTKLVKD LSPGDRVLAA DADGRLLYSD 241 FLTFLDRMDS SRKLFYVIET RQPRARLLLT AAHLLFVAPQ HNQSEATGST SGQALFASNV 301 KPGQRVYVLG EGGQQLLPAS VHSVSLREEA SGAYAPLTAQ GTILINRVLA SCYAVIEEHS 361 WAHWAFAPFR LAQGLLAALC PDGAIPTAAT TTTGIHWYSR LLYRIGSWVL DGDALHPLGM 421 VAPAS ピンクはシグナルペプチド。C末端側のドメイン(Shh-C)がプロテアーゼ活性を持ち,自己消化により生じる約20kDaのN末端側の断片(Shh-N、水色の部分)がShhの活性を担っている。

Shh-Nは受容体と結合 Shh-Nの受容体はPatchedという(chick) 膜貫通部を12個もつ   10 20 30 40 50     60 70 80 90 100 1 MASAADALEP ESGSSTAGGG SHPVRAARSA RGRRRRSGGT RRAAAPDREY LQRPSYCDAA FALEQIAKGR ATGRRAPLWL RAKFQRLLFN LGCYIQKNCG 101 KFLVVGLLYS AFAVGLRAAN LETNVEELWV EVGGRVSREL NYTRQKIGEE AMFNPQLMIQ TPQEDGTNVL TTEALRQHLD SALQASRVHV YMYNRQWKLE 201 HLCYKSGELI TEAGYMDQII EYLYPCLIIT PLDCFWEGAK LQSGTAYLLG KPPLQWINFD PLEFLEELKK INYQVESWEE MLNKAEVGHG YMDRPCLNPA 301 DPDCPITAPN KNSTKPLDVA LVLSGGCYGL SRKYMHWQEE LIIGGTVKNS SGKLVSAQAL QTMFQLMTPK QMYEHFKGYE YVSHINWNED KAAAILEAWQ 401 RMYVEVVHQS VAQNSTQKVL SFTTTTLDDI LKSFSDVSVI RVASGYLLML AYACLTMLRW DCAKSQGAVG LAGVLLVALS VAAGLGLCSL IGISFNAATT 501 QVLPFLALGV GVDDVFLLAH AFSETGQNKR IPFEDRTGEC LKRTGASVAL TSISNVTAFF MAALIPIPAL RAFSLQAAVV VVFNFAMVLL IFPAILSMDL 601 YRREDRRLDI FCCFTSPCVT RVIQIEPQAY AENDNICYSS PPPYSSHSFA HETQITMQST VQLRTEYDPH TQAYYTTAEP RSEISVQPVT VTQDSLSCQS 701 PESASSTRDL LSQFSDSSVH CLEPPCTKWT LSTFAEKHYA PFLLKPKAKV VVIFLFLGLL GLSLYGTTRV RDGLDLTDIV PRDTREYDFI AAQFKYFSFY 801 NMYIVTQKAD YPNVQHLLYE LHRSFSNVTY VLLEGDRQLP KMWLHYFRDW LQGLQDAFDS DWETGKITYS NYKNGSDDAV LAYKLLVQTG NRAKPIDISQ 901 LTKQRLVDAD GIINPNAFYI YLTAWVSNDP VAYAASQANI RPHRPEWVHD KADYMPETRL RIPAAEPIEY AQFPFYLNGL RETSDFVEAI EKVRAICNNY 1001 TSLGIASYPN GYPFLFWEQY IGLRHWLLLS ISVVLACTFL VCALFLLNPW TAGIIVVVLA LMTVELFGMM GLIGIKLSAV PVVILIASVG IGVEFTVHIA 1101 LAFLTAIGDK NRRAVLALEH MFAPVLDGAV STLLGVLMLA GSEFDFIVRY FFAVLAILTI LGVLNGLVLL PVLLSFFGPY PEVSPACGRN RLPTPSPEPP 1201 PSIVRFALPP GHTNNGSDSS DSEYSSQTTV SGISEELHHY EATQSPGIPV HQVVVEATEN PVFARSTVVQ PESRHQSSPR LQSNPEAGTQ QVWHQGRQPK 1301 QEVREGLRPP PYRPRRDAFE ISTEGHSGPS NKDRLNHKAH SHNMRSPAFG AMGVPGSAYC QPITTVTASA SVTVAVHPAV HSHNSCRGSF PSCEEYNEDD 1401 RGMFEDPHVP FNVRCERRNS KVEVIELQDV ECEERTAGKI SE 膜貫通部を12個もつ

受容体に結合すると、、 SmoothendというGPCRを活性化する 7回膜貫通型 10 20 30 40 50 60 10 20 30 40 50 60 1 GPCWLWALAL GLALGPRRCP AAPLNASAAP PERCRRPAAC ERLRFGSCLG SALPYAHTST 61 LLAADSGSQE EAHGKLLLWS GLRNAPRCWD VIQPLLCAVY MPKCEDGQVE LPSQTLCQAT 121 RAPCTIVERE RGWPDFLKCT PDRFPEGCPN EVQNIKFNSS GQCEAPLVRT YNPKSWYEDV 181 EGCGIQCQNP LFTETEHREM HVYIAFSSVT ISCTFFTLAT FVADWRNSNR YPAVILFYVN 241 ACFFVGSIGC VAQFMDGARD EIVCRADGTM RLGEPTSNET LSCVIIFVIV YYSLMSGVIW 301 FVMLTYAWHT SFKALGTTYQ PLLGKTSYFH LITWSIPFVL TVAILAVAQV DGDSVSGICF 361 VGYKNYRYRA GFVLAPIGLV LIVGGYFLIR GVMTLFSIKS NHPGLLSEKA ASKINETMLR 421 LGIFGFLAFG FVFITFGCHF YDFFNQAEWE RSFREYVLCE ANVTIATQTN KPIPECEIKN 481 RPSLLVEKIN LFAMFGTGIS MSTWVWTKAT LLIWKRTWCR LTGQSDDQPK RIKKSKMIAK 541 AFSKRKELLR DPGRELSFSM HTVSHDGPVA GLAFDINEPS ADVSSAWAQH VTKMVARRGA 601 ILPQDVSVTP VATPVPPEER SNLWVVEADV SPELQKRSRK KKRRKKKKEE VCPERRAGLS 661 VAPLTPSSVP RLPRLPQQPC LVAIPRHRGD TFIPTVLPGL SNGAGGLWDG RRRAHVPHFI 721 TNPFCPESGS PEDEENPGPS VGHRQHNGGR RWPPEPLPGG SGVTRTRGRR AGLAPIHSRT 781 NLVNAELLDA DLDF 7回膜貫通型

受容体に結合すると、、 SmoothendというGPCRが活性化されると この後は、「外部の信号が細胞内へ、、」のところで述べた方式で、細胞内に伝えられる

ZPAが肢の前後軸を決める

肢芽で先端-基部、前-後が   決まった後に、、 Hox遺伝子群(ホメオボクス遺伝子)が働いて前肢の骨格系をつくる

肢芽で先端-基部、前-後が   決まった後に、、 Hox遺伝子群(ホメオボクス遺伝子)は順番に働いていく

アヒルの肢かニワトリの肢か

これ以外にも、、 FGFとShhが、脊椎動物の肢の発生に重要な役割を担っていることがわかったが、これ以外にも、2つの物質が重要な役割を果たしていることがわかっています。 WntとBMPです。 このように細胞同士が分子の言葉で会話をして、それぞれの細胞の運命が決まっていくのです。

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