2009年5月28日 熱流体力学 第7回 担当教員: 北川輝彦
p:圧力、v:比容積、R:ガス定数、T:絶対温度 4.7.1状態変化を考えるための基礎 1)完全ガスの状態方程式 pv = RT p:圧力、v:比容積、R:ガス定数、T:絶対温度 pdv + vdp = RdT (上式の全微分式) (1.6) (4.16)
4.7.1状態変化を考えるための基礎 2)熱力学の第1法則 dq = du + dw dq = du + pdv dq = dh - vdp (dw = pdvを考慮した式, du:比内部エネルギ) dq = dh - vdp (比エンタルピを用いた式,h:比エンタルピ; h = u + pv) (4.4) (4.10) (4.15)
4.7.1状態変化を考えるための基礎 3)補助関係式 dh = CpdT ; du =CvdT dw = pdv (w:系が外部になした仕事) h = u + pv (h:比エンタルピ) dh = du + pdv + vdp = du + RdT dh = CpdT ; du =CvdT Cp:等圧比熱 Cv:等積比熱 (4.9) (4.13) (4.17) (4.18)
∴Cp = Cv + R (Cp > Cvの証明) 4.7.1状態変化を考えるための基礎 Cp と Cv を ガス乗数Rと比熱比κで表す Cp:等圧比熱 Cv:等積比熱 dh = du + pdv + vdp = du + RdT dh = CpdT ; du =CvdT CpdT = CvdT + RdT ∴Cp = Cv + R (Cp > Cvの証明)
4.7.1状態変化を考えるための基礎 ∴ Cv = R / ( κ-1 ), Cp = κR / (κ – 1) Cp と Cv を ガス乗数Rと比熱比κで表す Cp:等圧比熱 Cv:等積比熱 比熱比:κ = Cp / Cv と定義 Cp = Cv + R へ代入、整理 ∴ Cv = R / ( κ-1 ), Cp = κR / (κ – 1)
4.7.3 各種状態変化の計算方法 1) 等圧変化 2) 等温変化 3) 等積変化 4) 断熱変化 5) ポリトロープ変化
4.7.3 各種状態変化の計算方法 1) 等圧変化 2) 等温変化 3) 等積変化 4) 断熱変化 5) ポリトロープ変化
3) 等積変化(仕事) 図4.12に示すように、点aからbへの状態変化がv = 一定 (dv = 0)に保たれる変化 等積変化では、系が成す仕事wabは ∫dw a b b =∫pdv = 0 wab = a
3) 等積変化(熱量) ∫dq 一方、この変化を実現するために系に加えるべき熱量qabはdv = 0であることを考慮して、 3) 等積変化(熱量) 一方、この変化を実現するために系に加えるべき熱量qabはdv = 0であることを考慮して、 ∫dq a b =∫(du + pdv) a b qab = =∫du a b =∫CvdT a b = ub - ua = Cv(Tb - Ta) R κ - 1 = (Tb - Ta)
4.7.3 各種状態変化の計算方法 1) 等圧変化 2) 等温変化 3) 等積変化 4) 断熱変化 5) ポリトロープ変化
4) 断熱変化 [ ] 図4.13に示すように、点aからbへの状態変化を断熱状態で行う、q = 一定 (dq = 0)に保たれる変化 4) 断熱変化 図4.13に示すように、点aからbへの状態変化を断熱状態で行う、q = 一定 (dq = 0)に保たれる変化 次の式で表される変化 pvκ = C (C:定数) pavaκ = pbvbκ = C κ pa pb vb va [ ] =
4) 断熱変化(仕事) ∫dw 点aからbへの断熱変化で系が成す仕事wabは、圧力pがp = C/vκで与えられることを考慮すると、 4) 断熱変化(仕事) 点aからbへの断熱変化で系が成す仕事wabは、圧力pがp = C/vκで与えられることを考慮すると、 ∫dw a b =∫pdv a b =∫ a b C wab = dv vκ b = [v1-κ] C 1 - κ = C∫ b v-κdv a a
4) 断熱変化(仕事) ここで定数Cは、pavaκ = pbvbκ = Cで与えられることを考慮して 1 4) 断熱変化(仕事) ここで定数Cは、pavaκ = pbvbκ = Cで与えられることを考慮して 1 1 - κ wab = (pbvbκvb1-κ- pavaκva1-κ) 1 κ-1 = (pava - pbvb) R κ-1 = (Ta - Tb) = Cv(Ta - Tb)
4) 断熱変化(熱量) 断熱変化を実現するために系に加えるべき熱量qabは当然、0である。 qab = 0
断熱変化 断熱変化の状態方程式が下記の式で記述されることを熱力学の第一法則、比熱比κ、比エンタルピなどを用いて証明せよ pvκ = C
4.7.3 各種状態変化の計算方法 1) 等圧変化 2) 等温変化 3) 等積変化 4) 断熱変化 5) ポリトロープ変化
5) ポリトロープ変化 圧力pと比容積vが以下の指数関係で結ばれる変化をいう(可逆変化) pvn = C 指数n:ポリトロープ指数 5) ポリトロープ変化 圧力pと比容積vが以下の指数関係で結ばれる変化をいう(可逆変化) pvn = C 指数n:ポリトロープ指数 1)~4)の状態変化はこのポリトロープ指数 の値によって一般化できる
5) ポリトロープ変化 ポリトロープ指数の値をそれぞれ以下のように設定すると、 pvn = C n = 0 : p = C ⇒ 等圧変化 5) ポリトロープ変化 ポリトロープ指数の値をそれぞれ以下のように設定すると、 pvn = C n = 0 : p = C ⇒ 等圧変化 n = 1 : pv = C ⇒ 等温変化 n = κ : pvκ = C ⇒ 断熱変化 n = ∞ : v = C ⇒ 等積変化