イントロダクション 田浦健次朗 TA: 河内さん,竹内さん
余談 (過去の自分を振り返って)大学でのお勧め勉強 方法・考え方 主に理系科目(数学や物理)
高校までとそれ以降で違うところ 先生の親切さ 予備校 >> 高校 >> 大学 (多分) 一つのストーリの長さ(前振りからハイライト までが長い) 高校: せいぜい「積分」 大学: 線形代数のハイライトが「Jordan標準 型」だとしたらそれまで全部が前振り
そのためにおすすめのこと ハイライトが何か, 何のための前振りなのかを 見据えて勉強する たとえばJordan標準型が導ける人はそこに至 る過程もほとんど身についているはず そうすることで「定義」「定理」の羅列に負 けない 途中の証明が少しわからなくても挫折する必 要はない
おすすめのこと あまりややこしいことを考えずに問題を解く この問題は高校までの勉強では解けなかった !と確認する ラグランジュの未定乗数法とか 高校時代より立派な定理が多いが,「定理を 味わう」だけでは身につかないのは高校まで と変わらない
おすすめのこと 教科書とは別に「心を説明してくれる」本を探 す.何がハイライトなのかわかる 森毅 現代の古典解析, ベクトル解析 物理数学の直感的方法
おすすめのこと 高校までの対応物を探して「共通のこころ」を 理解する これから積分の定義を4-5個は習います 多次元の積分, 線積分,面積分, ベクトル場 の〜 定義は定義として重要,でも積分のこころ はいつも同じ(f * dxの和) ラグランジュの未定定数法は高校の「条件付 き最大最小」の一般化
情報についてはまた今度(笑)
「情報」という教科の学び方
なぜ情報を学ぶことが重要か? コンピュータという強力な「情報処理装置」の 存在が,情報がそこまで重要な理由 そうであるが故に, あらゆる学問に共通した基礎的素養になった (実は昔から存在していた)情報という学問分 野の重要性が高まった 社会や法律と密接に関わるようになった (インターネットの普及により)誰もが日常的 にコンピュータを使うようになった
あらゆる学問の基礎的素養としての情報 シミュレーション(模擬実験) データ処理 仮説検証・反例発見 数学の証明 etc.
シミュレーション (主に)自然現象を計算機によって模擬実験する 原理: 自然現象は多くの場合微分方程式によっ て記述される その解を解析的ではなく,数値的に求める 例: 空気抵抗を受けるバネ y'' + a y' + b y = 0
データ処理・データからの発見 生物情報学 塩基配列の類似性から機能の推定や系統樹の 作成 天文学 電子化された望遠鏡(画像)データを解析して 新しい星を発見 etc.
数学の証明 例: 四色問題(地図が四色あれば塗り分けられ るという定理)の証明は何千もの場合分けそ れぞれの証明を計算機を使って行った こんな例は稀だが,プログラミングが出来れ ば証明したい仮説の反例探しをコンピュータ にやらせることは簡単にできる
情報と言う学問分野 よりよいコンピュータ(計算方式), ネットワーク (通信方式)の実現方法 より高速,より使いやすい ハードウェア,ソフトウェア,アルゴリズム(計 算方法) 「コンピュータで計算できるもの」の理論的解 明(限界) 他の学問(数学, 物理, 電子工学, etc.)を基礎とし つつ,今は他の学問の基礎になった
おすすめの学び方 「好きな分野」+プログラミングを組み合わせ る 数学の例: f(x) = 0の数値解を求める(ニュートン法) 連立一次方程式の解を求める(消去法) 物理の例: 微分方程式のシミュレーション(熱伝導, 波 動, etc.)
「実技」方面での達成目標 この授業では「プログラミング」ができるとこ ろまでは目標に入っていないが,内心それを目指 してほしい ファイルやディレクトリなど,コンピュータ がどこに情報を格納しているかをよく理解す る プログラムを実行するためにGUIだけでなく コマンドライン(端末)での実行が出来るよう になる 授業で見せるような数行のプログラムを眺め , 実行できる(コマンドライン)
「概念」方面での達成目標 将来どの分野でも必要になるであろう「プログ ラミング」をするときに戸惑わない程度のコン ピュータの「仕組み」に関する理解 情報を表現・格納する仕組み 情報の処理の仕組み ハードウェアの仕組みよりもソフトウェア, 小難しく言えば,物理的な原理よりは論理的 な原理の理解