脳性麻痺児ケアーのためのタイプ別基礎講座 痙直型両まひを持つ子どものケア
痙直型両麻痺を持つ子どもとは 上半身より下半身のまひが重く、発達とともに下半身の筋肉の緊張が高くなりやすい子ども 上半身より下半身のまひが重く、発達とともに下半身の筋肉の緊張が高くなりやすい子ども 下半身に筋肉の短縮や変形を生じやすい 股関節の脱臼を起こすこともある
痙直型両麻痺を持つ子どもとは 多くの子どもが独歩やクラッチ歩行、歩行器歩行など歩行が可能となる 日常的な移動手段としては支障なく独歩を行えている子どもから車いすが主な移動手段の子どもまで個人差がある
幼児の頃はつかまり立ちや歩行を しようとしないことがある 生活の中に立位活動を取り入れ、 立位機能の発達を促す必要がある 痙直型両麻痺を持つ子どもとは 幼児の頃はつかまり立ちや歩行を しようとしないことがある 生活の中に立位活動を取り入れ、 立位機能の発達を促す必要がある
第二次成長期には身長・体重の増加により筋肉の短縮、変形来しやすい トイレや風呂で立ちにくい 長い距離を歩くのが難しい 機能低下を来してくる 日常において無理のない範囲で立位動作の定着、維持が大切
【自己管理】が大切 ・自分自身で両足の筋肉のストレッチや マッサージを行えるようになること ・場面に応じて移動手段使い分けること 両足の筋肉が短縮や変形の防止のためには 【自己管理】が大切 ・自分自身で両足の筋肉のストレッチや マッサージを行えるようになること ・場面に応じて移動手段使い分けること
物を見ること、見たものを識別、理解することの難しさ ・眼球を動かすことが難しい方向がある →追視のとき目が遅れてくる ・斜視や遠視を合併し、片目だけを 使って物を見ることが多い
学習面の問題を抱えることが多い ・授業中、見続けることが困難で、集中力散漫 ・ノートを書き写す、問題を解くのが遅い ・立体的に物を捉えにくく、奥行きが分かりにくい ・左右上下の理解が難しい ・細かい文字が読みにくく、行や言葉を飛ばして 読むことがある など
・下半身の感覚が鈍い、目からの情報処理が 難しく、姿勢が崩れていても気づかない ・歩いていて、小さな段差に引っかかったり、 物にぶつかりそうになる ・車椅子に乗って押してもらい移動すること が多く... 自分がどこにいるかが解らない どこにいるか説明できない
更衣、トイレ、入浴などの日常生活は自立する子どもが多い⇒個人差はある 細かく見ると、難しい動作があり、完全に行ったり、速く、安全に行うことは難しい ことも多い
痙直型両まひをもつ子どもは 日常生活において動作などの 運動の難しさ以外にも 学習面の難しさなど 様々な困難を抱えている 能力を引き出すためにも援助、ケアが必要
痙直型両まひを持つ 子どもの日常生活
移動・乗り移り動作 ・身体を回転、ひねる動きは苦手 ⇒乗り移りのときバランスを崩すこともあり、 介助が必要な子どももいる ⇒乗り移りのときバランスを崩すこともあり、 介助が必要な子どももいる ・乗り移り動作や移動動作を取り入れていくこと ⇒立位・歩行機能の定着・維持のために重要
車いす介助のポイント ・動き始めるとき、声掛けをしてから行うこと ・乗っている子どもの気持ちになって考える 子どもは姿勢が不安定でバランスが悪く、恐がったり、余分な緊張が入ったりする
下半身の筋肉の管理 下半身の筋肉の短縮や変形の原因 ・立位・歩行機会の減少に伴う下肢の支える力の 低下 低下 ・活動性の増加に伴い筋肉の緊張が高まる ・身長の増加など身体的成長に伴う筋肉の弾性 の低下 など
下半身の筋肉の管理 下半身の筋肉の短縮や変形の予防・ 立位機能の維持のためには ・下半身の筋肉の柔軟性を維持するホーム プログラム(ストレッチ体操など)を指導し、 定着することが重要 ・短下肢装具の適用を検討していく ・体重増加予防のためにフィットネスを行うこと も大切
学習 ・左目で手元を覗き込むように書く →左目片目で主に見るため、姿勢が崩れる ・先生の話を注意して聞き取れず、言われている →左目片目で主に見るため、姿勢が崩れる ・先生の話を注意して聞き取れず、言われている 課題が解らなくなってしまう ・筆圧の調整が難しく、鉛筆の先が折れてしまう ことが多い
学習環境の調整 ・斜面台や足が接地し、姿勢が崩れにくい椅子や 机との高さの調整などの姿勢設定 ・教科書やノートの置く位置を身体の中央の置く 机との高さの調整などの姿勢設定 ・教科書やノートの置く位置を身体の中央の置く など姿勢が崩れにくいようにする ・黒板や先生が見やすい場所(教室の中心など) に机と椅子を配置するようにする
更衣動作 ・靴下や装具の着脱の時によく後方にバランス を崩す ・見えないところのボタンなどに時間がかかる ・靴下や装具の着脱の時によく後方にバランス を崩す ・見えないところのボタンなどに時間がかかる ・シャツの背中の部分が完全に入れられない ・コーナーや壁にもたれて着替えることにより速く 着替えることができる ・手を一緒に持って、ボタン、襟、シャツの後ろを 探らせる練習 ・見えないところで細かいものを探る練習
トイレ・入浴動作 子どもの身体が大きくなるにつれて、 壁に手すりの設置 便座の大きさを工夫すること バスボードを取り入れるなど 器具を個人個人の機能に合わせて使用するなど環境を調整する必要もある
まとめ ・痙直型両まひを持つ子どもは様々な要素 の困難な問題を抱えている ・関わり方の配慮や周りの環境を整えて あげることが大切 ・痙直型両まひを持つ子どもは様々な要素 の困難な問題を抱えている ・関わり方の配慮や周りの環境を整えて あげることが大切 ・困ったときは専門職に相談していただき、 両親を含めて連携を取り合うことが重要