Common Sense        No.14    社会保障費の半分が年金給付金。 年金改革の論点を学ぶ。 「少子高齢化社会の社会保障論」 田中きよむ

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1 財政-第 21 講 6. 社会保障財政 (2) 2008 年 6 月 24 日 第 1 限. 2 公的年金②  日本の公的年金制度 ( 続 )  負担と給付の現状 ( 1) 保険料 ( 率 ) (2) 国庫負担 (3) 給付額 (4) 支給開始年齢  国際比較.
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障害福祉サービスの利用者負担について. ● 障害福祉サービスの利用者負担の考え方 ~障害福祉サービスの利用者負担が変わります ~  障害福祉サービスについても、必要な人すべてが適切にサービスを利用できる制 度(普遍的な制度)を目指します。 → 介護保険や医療保険と同じように、利用した量に応じて支払う仕組み.
1 経済学-第 12 回 年金① 2008 年 6 月 27 日. 2 社会保険における年金 日本の公的年金制度  現行の制度体系  負担と給付の現状 (1) 保険料 ( 率 ) (2) 国庫負担 (3) 給付額 (4) 支給開始年齢.
厚生年金保険法 労組リーダーの知っておきたい法令 * 法の詳細部分は専門家にお聞きください 。. 日本国憲法 25条 生存権の保障 28条 労働基本権 健康保険法 厚生年金保険法 国民年金法 生活保護法 雇用保険法 労働組合法 27条 労働の権利と義務 労働基準法 労働安全衛生法 最低賃金法 すべて国民は健康で.
年金制度改革~社会保険方式~ 古賀・板津・上原・村杉. Ⅰ.年金給付と保険料納付の関連性 Ⅱ.被保険者の負担増加 Ⅲ.我々が考える社会保険方式 以上のことか ら・・・・ 社会保険方式を主張す る!!
年金制度 地域文化3回生 渡邉 裕貴. 目次 日本の年金制度の現状 日本の今後 政策提言 シミュレーション 参考文献 論点.
年金改革シミュレーション. 年金改革における主な問題点 世代間不公平 国民年金の空洞化 第三号被保険者の問題.
第 13 章 制度設定の変更が必要な 社会保障制度. 社会保障制度の重要性と それに対する根強い不安感 不景気の一因 不景気の一因 1997 年以降 かつてない不況 原因 ① 消費税率の引き上げ 原因 ① 消費税率の引き上げ ② タイや韓国を中心とした アジアの通 貨危機 アジアの通 貨危機 ③ 山一證券の経営破綻に代表さ.
公共経済学 13. 社会保険( Social Insurance ) 保険市場における政府の役割 情報の非対称性( asymmetry of information ) ⇒ 逆選択( adverse selection )
人口 1949 年 5 億 4167 万人 自然増加率 49 ~ 58 年 人口の年平均増加率 2.3 % 馬寅初『新人口論』 → 毛沢東が批判 大躍進の失敗 60 年 - 4.57 ‰ 62 年からベビーブーム 64 年計画生育委員会 産児制限 → 文革で活動停止 73 年 「晩 稀 少」 毛沢東の死(
日本人の平均余命 (60歳) 男性・・・22.70 年 女性・・・28.12 年 〈厚生労働省「平成 23 年簡易生命 表」〉
第7章 高齢者がいきいきと安心して 暮らせる社会の実現 前田唯衣. 介護保険制度運用 介護保険制度の創設( 2000 年 4 月) 介護保険制度の創設( 2000 年 4 月)  持続可能な制度の構築  認知症高齢者や一人暮らし高齢者への 対応  2005 年介護保険法改正.
公的年金 財政学(財政学B) 第 6 回 畑農鋭矢 1. 年金の分類 運営主体による分類 公的年金と私的年金 給付期間による分類 定期年金と終身年金 対象者による分類 国民年金、厚生年金、共済年金など 保険料と給付の決定方式による分類 確定給付型と確定拠出型.
年金の基礎年金部分は 全額税方式か、全額保険料か? 椎野、鈴木、篠崎、畑 全額税方式派. 我々の主張 ① 無年金者、低年金者がいな くなる! ②税方式なら将来的にも財源 調達可能! ③国民の負担が重くなる! ① 無年金者、低年金者がいな くなる! ②税方式なら将来的にも財源 調達可能! ③国民の負担が重くなる!
公的年金 (2) 賦課方式と積立方式 公共政策論 II No.8 麻生良文. 公的年金制度の経済効果 公的年金の財政方式 2 期間モデルによる分析 – 保険料,給付の比較 – 生涯での純負担 賦課方式にもたらす世代間所得移転の性 質 賦課方式の年金制度の経済効果 – 資本蓄積 – 租税としての保険料.
公的年金 (3) 公共政策論 II No.9 麻生良文. 公的年金制度改革 公的年金バランスシートと通時的予算制 約 年金純債務と暗黙の租税 年金制度改革をめぐる誤解 – 積立方式の優位性 – 「二重の負担」 – 財源調達:税と社会保険料の最適な配分? – 賦課方式も積立方式も output をどう分配する.
年金制度は、老後に安定した収入を得るために 重要な制度であるが、 65 歳以上の高齢者に占め る割合は 2030 年には 30% を超えると予想されて いる。こうした人口の急激な高齢化は、これま でと同じような形で年金制度を維持することを 難しくしており、日本の年金制度はさらなる改 革が必要とされている。
社会保障制度の在り方 地域文化論講座 c 宇山 紗. 日本の社会保障制度 <論点> 1.日本の年金制度の問題点は何か? 2.どう変えていくべきか?(他の国から学べることはな いか) 3.どこまで保障すべきか? 少子高齢化 経済の低成長 就業構造の変化 国際化 ← 22年度非正規雇用者数.
2005/2/23 長野県経営者協会 1 これからの税財政・社会保障 と 企業の対応 2005 年 2 月 23 日 日本経団連 藤原清明.
パワーポイントで学ぼう セカンドライフ マネープランサポー ター AFP 水 越 信 男. ■ セカンドライフのマネープラン ■ 目次 ● 1 ● 2 ● 3 ● 4 ● 5 ● 6 ● 7 ● 8 ● 9 ● 10 ● 11 ● 12 ● 13 セカンドライフのマネープラン 25 の質問です! 目.
1 財政-第 22 講 6. 社会保障財政 (3) 2008 年 6 月 24 日 第 2 限. 2 公的年金③  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  厚生年金と共済年金の一元化  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  未納・未加入問題.
1 経済学-第 13 回 年金② 2008 年 7 月 4 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  国民年金保険料未納問題.
0 厚生年金基金の解散について ~加入員の皆様へ~ 平成 27 年 6 月 東日本硝子業厚生年金基金.
少子高齢化社会と年金 澤崎 下村 戸田 山川 中京大学総合政策学部 大森ゼミⅱ. 労働力の枯渇 生産年齢人口の減少 参照 平成 25 年度総務省「人口統計」 現状 高齢者を労働力として活躍させよう.
1 経済学-第 14 回 年金③ 2008 年 7 月 11 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  制度上の問題点 ( 続 )  国民年金第 3 号被保険者問題  離婚のリスクと年金分割.
1 財政-第 9 講 4. 租税理論と税制改革 (3) 2008 年 5 月 13 日 第 1 限.
1 経済学-第 5 回 所得税② 2008 年 5 月 9 日. 2 所得控除 ( 続き )  配偶者特別控除  勤労学生控除 日本の所得税をめぐる議論  確定申告と源泉徴収  所得控除 納付税額計算の具体例.
欧州経済社会評議会 欧州の年金制度が 直面している 問題 Krzysztof Pater. 人工統計学的要因 年金に関する EU グリーン ペーパーお よび ホワイト ペーパー 年金制度改革の主要動向 欧州経済社会評議会.
厚生白書 各国の社会保障制度 ~スウェーデン・イギリス・アメ リカ~ 971221 波多野宏美. スウェーデン v 所得保障(年金制度) – 国民基礎年金(FP) 65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給 – 国民付加年金(ATP) 従前の所得(稼得所得の高い.
1 経済学-第 9 回 医療保険① 2008 年 6 月 6 日. 2 日本の公的医療保険  制度の目的  制度体系  給付と負担.
ゆとりある生活を送る ためには. 老後生活に対する不安 80 %以上の人々が老後生活に不安を感じています 出所:生命保険文化センター平成 16 年.
ドイツの 医師年金保険制度. 医師年金保険制度  1960 年ごろ各州医師会は医師年金保険 を創設  医師免許取得者は全員 州医師会への加入と 州医師会の年金保険への加入 が義務づけられた  公的年金と同じ賦課方式なので 4 , 5 年後には老齢年金の給付が可能に なった.
佐賀市中期財政計画 総務部財政課 平成26年12 月 平成27年度 ~ 平成33年度 1. 佐賀市を取り巻く状況 ○ 生産年齢人口(15~64歳)の減少 ⇒ 税収等の減少 ○ 高齢者人口(65歳以上)の増加 ⇒ 扶助費や医療費等の増加 ○ 合併特例措置 ⇒ 普通交付税の段階的縮減 (27年度から32年度まで)
三万円支給の是非 肯定派. 三万円支給と は?? 年金生活者等支援臨時福祉給付金 一億総活躍社会の実現に向けた、賃金引上 げの恩恵が及びにくい低年金受給者への支 援であり、給付による景気活性化の効果を 期待するもの 65歳以上の低所得者や65歳未満の障害 者基礎年金と遺族基礎年金の受給者合計1 250万人に3万円を給付する.
少子高齢化 高橋香央里 加藤裕子 松本結 海老澤優.
財政-第20講 6.社会保障財政(1) 2008年6月17日 第2限.
 公的年金・定年  引き上げの是非 小瀬村  柏嶋 阿部  藤田.
ちょっと待った! 65歳定年制 ~知ってるようで知らない雇用の話~
最低賃金1000円の是非.
3万支給の是非 否定派 〜紙崎・川北・小谷・山本〜.
公的年金制度 平成16年財政再計算 =日本アクチュアリー会年金理論研究会= 平成15年10月23日 厚生労働省年金局数理課長 坂本 純一.
社会保険ワンポイント情報 11号 在職老齢年金の仕組み 65歳以降の在職老齢年金 調整の方法 60歳未満の在職老齢年金 65歳未満の計算方法
後期高齢者医療制度に関するQ&A Q1 後期高齢者医療制度は、なぜ創設されるのですか? ○ ○
社会保険ワンポイント情報 10号 年金①65歳までの年金・「特別支給の老齢年金」 特別支給の老齢年金とは! 加給年金について 支給要件
社会保障論講義 5章「社会保障制度の積立方式への移行」医療、介護編
年金・定年引き上げの是非 否定派 棚倉 彩香 林 和輝 西山 夏穂 水田 大介.
平成18年10月1日から 療養病床に入院する高齢者の 入院時の食費の負担額が変わり、 新たに居住費(光熱水費)の 負担が追加されます
後期高齢者医療制度では、生活を支える医療を目指します。
後期高齢者は、どのような医療が受けられるのですか?医療の内容が制限されるようなことはありませんか?
現代の経済学B 橘木俊詔「ライフサイクルの経済学」第3回 第5章 消費と貯蓄 第6章 引退後の生活 京大 経済学研究科 依田高典.
高額医療・高額介護合算療養費制度の参考事例
21世紀の日本の高齢社会と年金問題 テーマ設定について パネルの手法 パネルの議論の流れ
サラリーマンのリスク 万一の時のリスク 病気・ケガのリスク 長生きのリスク ―サラリーマンのリスクは大別して3つ!― 万一の時の
松橋ゼミ          B E S T   年金制度の今とこれから                     薬師川 裕真                       金子 直広                       三又 結実.
労働運動への発信 Common Sense              号外 2011.4.29 政権を取って財源がないことに気付いたからできないものをはっきりさせる-マニュフェスト政治の破たん‥‥。 ウソの看板で票を集めた言われかねない行為に結果として加担したという自責の念すらある。
年金制度の全体像 はじめまして、今年入社した年金 給太です。 国の年金や会社の年金について、教えてもらえってことで
政策争点分析プロジェクト 2008年1月13日 G-SEC.
平成24年度の健保組合財政の健全化策について <平成24年2月9日開催の組合会で決議された事項の報告>
株式会社 〇〇〇〇 質問、相談は○○課まで 担当:○山、□田 マタニティハラスメントを防止するために
都道府県も国民健康保険制度を担うことになりました
経済学-第11回 介護保険 2008年6月20日.
都道府県も国民健康保険制度を担うことになりました
財政-第26講 6.社会保障財政(7) 2008年7月8日 第2限.
平成27年度財政運営検討W・Gとりまとめ(案)(概要)
財政-第23講 6.社会保障財政(4) 2008年7月1日 第1限.
財政-第25講 6.社会保障財政(6) 2008年7月8日 第1限.
5 エイジフリー ■課題 60歳代前半層の雇用の場の確保 2001年4月 老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げ
財政-第24講 6.社会保障財政(5) 2008年7月1日 第2限.
厚生白書 人口減少社会の到来と少子化への対応 971221 波多野宏美.
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労働運動への発信 ryo-sato@hyper.ocn.ne.jp Common Sense        No.14 2011.2.1   社会保障費の半分が年金給付金。 年金改革の論点を学ぶ。 「少子高齢化社会の社会保障論」 田中きよむ 労働運動への発信 ryo-sato@hyper.ocn.ne.jp

少子高齢化の意味すること 高齢化と少子化はメダルの裏表の関係。高齢者人口が増加しても、それと同程度に年少人口が増加するならば、人口に占める高齢者人口の比重は高まらず、高齢化は進まない。高齢者人口の増加と年少人口の減少の同時進行が人口の高齢化を促進する。 15~49歳までの年齢別出生率の合計。1人の女性が生涯において平均的に出産する子どもの数。 平均寿命(2009年) 男79.59     女86.44 〔高齢化〕 〔少子化〕 ●65歳人口が7%以上-高齢化社会(1970年) ●14%台-高齢社会(1994年) ●21%を超える社会-超高齢化社会(2009年) 年 合計特殊 出生率 1947年 4.59 1957年 2.04 1966年 1.58 1973年 2.14 1989年 1.57 1997年 1.39 2003年 1.29 2005年 1.26 2006年 1.32 2007年 1.34 2008年 1.37 2009年  人口を維持するための水準は2.08前後。 アメリカ2.09 (08)フランス1.99(09 )イギリス1.90(07)スウェーデン1.88(07)ドイツ1.37(07)イタリア1.37(07) 65歳以上の男性労働力率(2007年) 日本-29.8% アメリカー20.5% イタリア-6.1% ドイツ-5.3% (「高齢社会基礎資料」10年版、エイジング総合研究センター) 1966年は丙午 1989年1.57ショック 薄れる同居介護の基盤 少子化の原因 生活・医療水準の向上 女性の学歴・雇用・経済力の向上 結婚・出産に対する価値観の多様化 子どもの「列島財」化 出産・育児をめぐる機会費用の増加 年 65歳以上の子との同居 単身・夫婦のみ世帯 世帯平均人員 1980年 60.0% 28.1% 3.24 1990年 59.7% 2.98 2000年 49.1% 2.66 2008年 44.1% 52.0% 2.40

国民所得(賃金と利潤の総和)に対する税金+社会保険料の割合を国民負担率という。2007年は40%である。他方、社会保障費の国民所得比は24 国民所得(賃金と利潤の総和)に対する税金+社会保険料の割合を国民負担率という。2007年は40%である。他方、社会保障費の国民所得比は24.4%である。この意味は、国民所得の4割程度が保険料、税金で徴収され、そのうち6割程度が社会保障費に使われているということである。そして社会保障費の半部が年金給付金である。   実額 社会保障給付費 91兆4,305億円  (2007年度)  年金給付費 48兆2,735億円(52.8%)       医療給付費 28兆9,462億円(31.7%)       他給付費  14兆 2,107億円(15.5%)       (介護保険給付費 6兆3,727億円 7.0%) ●国民負担率   2011年度38.8% ●社会保障負担率16.8%   (10年度実績見込み)   財務省発表11.2.4時事 〔年金システムの制度分析〕 支給事由別(給付目的別) ●老齢年金-退職後の収入不足を補う。6065歳から支給。 ●障害年金-障害にともなう稼働収入の不足や支出の増加を補う。20歳以上。 ●遺族年金-主な生計稼得者の死亡に伴う収入不足を補う。配偶者、18歳未満の子。 職域別の年金の種類 ●国民年金-加入義務付けは自営業者、農林漁業従事者、20歳以上の学生。被用者で  ない立場にある成人。 ●厚生年金-民間企業労働者が加入する。 ●共済年金-公務員、私立学校教職員が加入。 被用者年金

老齢年金制度の支給開始年齢 〔基礎年金の構造〕 60歳 → 65歳 → 死亡 (給付水準) 報酬比例部分 報酬比例部分 1999年度改革→ 〔基礎年金の構造〕     60歳 → 65歳 → 死亡 (給付水準) 報酬比例部分 報酬比例部分 =現役時の給与水準に比例 1999年度改革→ 定額部分 基礎年金 1994年度改革→ =加入(納付)期間に比例 段階的廃止 20歳~59歳までの40年間 満額年金は66,008円 1986年(昭和61)から国民年金は「基礎年金」と呼ばれる。 被用者年金者(民間労働者、公務員)も国民年金に同時に加入し、20歳以上60歳未満の国民はすべて加入が義務付けられ、国民共通の基礎年金となった。 1人1年金の原則-9種類-基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金・老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金・退職共済年金・障害共済年金・遺族共済年金 厚生年金 3,444万人 共済年金 447万人 第1号被保険者-毎月、定額の保険料を自主納付。 第2号被保険者-毎月、賃金から定額の保険料が天引き。基礎年金保険料が含まれている。 第3号被保険者-第2号に扶養される配偶者。年収130万円未満、配偶者収入の1/2未満、3/4時間未満労働者。保険料納付は免除。 国民 (基礎) 年金 第1号被保険者 2,001万人 第3号被保険者 1,044万人 第2号被保険者 (3,892万人)

人口構造の変化に対応し、負担と給付をめぐる年金制度の見直しが行われた 近年の年金政策 少子化は負担人口の減 高齢化は受給人口の増 年金扶養比率(08年) 基礎年金-2.67 厚生年金-2.74 (被保険者数:受給権者数) 制度改革は ①負担の側の保険料引き上げ、②受給の側の支給繰り延べや給付抑制が焦点となった。 ●1985年(昭和60年)-基礎年金制度の導入 ●1989年-学生強制加入 ●1994年-60歳代前半の定額部分の段階的廃止 ●1999年-60歳代前半の報酬比例部分の段階的廃止 ●2004年-保険料固定方式、マクロ経済スライド方式、夫婦間の年金受給権分割制の導入 1.保険料固定方式〔2004年改革〕-保険料を将来的に固定し、その枠内で給付を抑制する。  基礎年金 13,300円(2004年度)→16,900円(2017年度)、毎年280円の引き上げ。  厚生年金 13.58%(2003年度、ボーナスからも同率徴収)→18.3%(2017年度、毎年0.354%の引き上げ、          2011年8月現在16.058%) 問題点 少子化により、「固定」された保険料自体が上方修正される可能性。 継続的な引き上げに被保険者が応じ切れるか。 給付抑制により、基礎年金が老後の生活保障機能が損なわれないか。 2.支給開始年齢の繰り延べ〔1994年改革〕-定額部分と報酬比例部分の段階的廃止された。60代前半の年金が受けられない。5年間の支給停止はそれだけ財政支出を抑制することになる。 2004年-高齢者雇用安定法。実際は経済雇用制度が多い。 老後の生活に公的責任を維持する立場から、65歳以上の定年を一般化し、年金支給開始年齢との空白期間を埋める必要がある。

4.国庫負担率の変更と年金一元化ー〔1999年改革の付則〕-基礎年金の「国庫負担率 3. 給付抑制-〔1985年改革から20年かけて実施〕〔1999年改革〕-新規受給者の5%カット、賃金スライド制廃止。物価下落率に合わせたマイナススライドの実施(2003年度から) 「保険料固定方式」と「マクロ経済スライド〕の導入により、モデル世帯の年金水準は2004年の現役世代の手取り収入の59.3%から2023年度以降、50.2%に引き下げられる。 少子化の前提が変われば、さらに給付水準が抑制される。 4.国庫負担率の変更と年金一元化ー〔1999年改革の付則〕-基礎年金の「国庫負担率 1/3を2004年までに1/2に引き上げる」と明記している。5兆8,000億円→8兆5,000億円。2009年6月 の国民年金改正法で同年から引き上げられた。 ●基礎年金全体を税方式化-報酬比例部分の改革とセット。年金のミニマム保障に対する公的責任は明確になるが、移行に相当時間がかかる。 ●報酬比例部分も含め、年金全体の一元化-民主党のマニフェストは、一元化を前提とする保険方式の「所得比例年金」をベースにして、消費税を財源とする最低保障年金(上限7万円)を補足給付するというもの。2013年度関連法案提出となる。 完全一元化は職域に関係なく負担に応じて給付が得られるという明快さがある。 最低保障年金が補足的に給付されるすべての国民に最低水準が保障される。 所得をベースとするので所得捕捉率の違いによる職域間の負担の不公平が生じる。 5.第3号被保険者制度-年金保険料負担者の拡大の方法。 肯定論 ・能力に応じた負担 ・世帯単位では専業も共働きも負担は同じ ・家庭労働の評価 批判論 ・専業主世帯は相対的に恵まれている ・免除分を共働き夫婦、独身者が負担している ・      女性の社会参加に歯止めをかけている 2004年改革で年金受給権の夫婦分割制が採用された。(報酬比例部分のみ)

6.財政方式 ●積立方式-個人の現役時の負担と将来の給付を均衡させる。自分の過去の保険料積立金とその運用益のみで将来の自分の給付を賄う。自己責任型の財政方式。 ●賦課方式-世代軸に沿って負担と給付のバランスをとる考え方。時間軸の一点を年度で切り取った場合、ある年度の高齢世代に必要な給付財源をその年度の現役世代の保険料負担ですべて賄う。世代間扶養型の財政方式。 賦課方式 少子高齢化の影響を受けない。インフレ等の不確実性への対応が困難。 老齢世代 (世代) 受給 積立方式 負担 受給 年金価値の目減りを現役に賦課できる。世代間の不公平を生じる。 負担 若年世代 (時間) 現役時 退職時 日本は積立方式で制度が発足したが、保険料を引き上げず、予想以上の高齢化で給付対象者や給付期間が増大し、賦課方式の要素が強まってきた。現在の受給世代の年金額の8割程度が現役世代からの移転による。賦課方式に重点化する形で修正された積立方式である。なお、積立金運用赤字額が12兆5,731億円である。 研究者は、基礎年金の完全税方式を前提に、報酬比例部分の賦課方式重点型から完全積立方式への転換を求める考え方が強い。基礎年金部分の公的責任(公助)を重点化しつつ、報酬比例部分を自己責任化(自助)するもの。 A : 国営、強制加入のまま積立方式とする B : 強制加入を維持するが民営化する 現役世代に「2重の負担」が生じる。

年金改革の方向 「少子高齢化の社会保障論」田中きよむ(中央法規) 年金改革の方向                              「少子高齢化の社会保障論」田中きよむ(中央法規) 年金の公共性を考えると年金の最低保障部分を確定し、国民全体に基礎年金を普遍的に保障することが必要となる。それまでの給付実績は受給権に反映させつつ、低年金者には生活保護水準がクリアできるような補足的給付を一般財源で行なうことが考えられる。 第3号被保険者制度の廃止。   第1号被保険者または第2号   被保険者に結合していく。   (同一の免除・給付算定基準   への全体的統一、低収入の場合、労使双方の負担を考慮した軽減保険料率の設定)同一労働同一賃金にもとづくパート労働者の労働条件の見直し、厚生年金の加入基準の見直しが必要。生活保護を下回る部分は補足的給付を行なう。 基礎年金部分の上乗せ給付。これから保険料を納付する世代を中心に完全積立方式に移行する。「給付調整」措置が必要である。 サラーマンと公務員-所得に応じた定率保険料が所得税の一部を年金目的税化し、給付実績にリンクした給付を行なう。   自営業者-基礎年金(最低保障年金として補足)に対する上乗せの定額負担を任意で求め、その給付実績にリンクした給付を行なう。 国民年金の納付率-60.0%(2009) 空洞化が進み、老後の最低保障生活が果たせなくなっている。 60歳単身世帯の保護基準は月額79,530円(2010年、冬期加算を除く生活扶助費)との差額を補足給付する。