モンテカルロ法と有限要素法の連成による 焼結のマイクロ‐マクロシミュレーション

Slides:



Advertisements
Similar presentations
金属微細構造体製作のための 二相ステンレスの析出相生成場所制 御 田畑研究室 B4 田中 伸 治.
Advertisements

セラミックス セラミックスの製造法 2 第 8 回 6月 11 日 ( 水). [2]セラミックスの種々の焼結法 (1)ホットプレス法(Hot Pressing:HP法)[:図 参 照] :カ-ボン製の型に原料粉末を入れ、 高周波加熱によりカ-ボン型を加熱し ながら加圧して焼結する方法 圧力:200~400kg/cm.
第2章.材料の構造と転位論の基礎. 2-1 材料の種類と結晶構造 体心立方格子( bcc ) 稠密六方晶格子( hcp ) 面心立方格子( fcc ) Cu 、 Ag 、 Au 、 Al 、 Ni 等 Mg 、 Zn 、 Ti 等 Fe 、 Mn 、 Mo 、 Cr 、 W 、 大部分の鋼 等 充填率.
円形管における3次元骨組解析への適用事例 平成16年9月17日 (株)アイエスシイ 犬飼隆義.
20. ショットの跳返りを利用した機械部品内面への ショットピーニング加工法の開発
誘電泳動現象を利用した液体クロマトグラフィー用高度濃縮分離法の開発
街区構造による風通しの変化 に関する風洞実験
スパッタ製膜における 膜厚分布の圧力依存性
セラミックス 第9回 6月18日(水) セラミックスの物性.
制約条件の確率的選択に基づく 資源追加削減法の改良 三木 光範(同志社大工) 廣安 知之(同志社大工) ○小林 繁(同志社大院)
第3章.材料の強化機構.
セラミックス 4月 18日(水)  担当教員:永山 勝久.
図表一覧.
R&D Division, Polyplastics Co., Ltd. Technical Solution Center
コンクリートと鉄筋の性質 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
セラミックス 第7回 6月3日(水) ファインセラミックスの製造法.
有限要素解析 Carl R. Schultheis.
都市環境デザイン学演習 予定 >>レポート1 1週目 2週目 3週目 4週目 5週目 6週目 6/15 6/29 7/6 6/22 7/13
しごきスピニング加工の 近似3次元有限要素シミュレーション 塑性加工研究室 明石 和繁 局部的な変形 肉厚分布を持った製品 低い加工荷重
使用限界状態 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
塑性加工の有限要素シミュレーション 豊橋技術科学大学  森 謙一郎 有限要素法の基礎 鍛造,押出し,深絞り加工への応用.
軽量材料への硬質粉末のショットライニング加工
圧力発展格子ボルツマン法による大規模気液二相流GPUコードの開発 ならびに多孔体浸潤液滴シミュレーション
セラミックス 第7回 6月4日(水) セラミックスの製造法.
SPH法を用いた重力の潮汐力効果のシミュレーション
ひび割れ面の摩擦接触を考慮した損傷モデル
結晶工学特論 第2回目 前回の内容 半導体デバイス LED, LD, HEMT 半導体デバイスと化合物半導体 種類の豊富さ、直接遷移型、
「プラズマエッチングによるレジストパターン転写実習」
セラミックス 第11回目 7月4日(水).
塑性加工 第1回 今日のテーマ 塑性変形とは(塑性変形した後どうなる?) (応力(圧力)とひずみ(伸び)、弾性変形) 金属組織と変形
大型陶磁器における鋳込み成形体の 乾燥割れ発生とその防止 塑性加工研究室 松永 一成 拡大 鋳込み成形体 ウェルドライン発生
黒体輻射 1. 黒体輻射 2. StefanのT4法則、 Wienの変位測 3. Rayleigh-Jeansの式
応力-ひずみ関係 断面積A,長さLの物体に,(軸)力Pが作用した際,ΔLだけ伸びた(あるいは縮んだ).
4章:曲げモーメントを受ける部材 キーワード:非線形挙動、断面解析、終局耐力、 等価応力ブロックによる塑性解析、
DECIGO pathfinderのための 試験マスモジュールの構造設計・解析
材料強度学の目的 機械とは… 材料強度学 外部から力を加えて、人に有益な仕事をするシステム 環境 力 材料 材料の破壊までを考える。
集積回路中における 絶縁膜に加わる熱応力の緩和
プラズマ発光分光による銅スパッタプロセス中の原子密度評価
最小 6.1.The [SiO4] tetrahedron
LEXAN PC 141R 我公司受厂家委托销售高性能塑料原粒 GE LEXAN 141R-111 141R >>> 一般射出成型用 中粘度
応力(stress, s, t ) 自由物体図(free-body diagram)において、外力として負荷荷重P が作用したとき、任意の切断面で力の釣り合いを考慮すると、面における単位面積あたりの内力が存在する、それを応力といい、単位は、Pa(N/m2) で表す。面に垂直に働く垂直応力、s と平行に働くせん断応力、
FEM勉強会 (第3回).
リングの回転成形の 近似3次元有限要素シミュレーション 塑性加工研究室 平松直登 一般化平面ひずみを用い た近似3次元FEM
5.建築材料の力学的性質(2) 強度と破壊 理論強度 実強度 理想的な無欠陥状態での強度 材料は原子の集合体、原子を引き離せば壊れる
微細ショットピーニング加工による 金属部品の機械的特性の向上
金属加工学 “材料に形を与える” 材料プロセス工学専攻 材料加工工学講座 湯川伸樹.
4章:曲げモーメントを受ける部材 キーワード:非線形挙動、断面解析、終局耐力、 等価応力ブロックによる塑性解析、
中性子ブラッグエッジ透過分光法による 引張鉄板の歪・組織のその場観察
準実大模型を用いた 都市の表面温度と気温分布 に関する野外実験
円管の口絞り加工におけるカーリング現象の 有限要素シミュレーション
(株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 6/5 @名古屋大学
Bi置換したCaMnO3の結晶構造と熱電特性
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 (状態III)
直接通電による抵抗発熱を利用した 金属粉末の半溶融焼結
対象:せん断補強筋があるRCはり(約75万要素)
純チタン板の多段深絞り加工における焼付き防止
Pb添加された[Ca2CoO3]0.62CoO2の結晶構造と熱電特性
乗用車用スチールホイールディスクの 多段プレス成形における加工条件の決定
管材のしごきスピニング加工 における加工限界 塑性加工研究室 安部洋平 ロール角度, 送り量, 肉厚減少率の影響 ロール v マンドレル
リングローリング加工における プラスティシンを用いたモデル実験
軸対称近似を用いたしごきスピニングの 有限要素シミュレーション
7 乗用車用スチールホイールの一体プレス成形法の開発
ステンレス多段深絞り容器の表面粗さの低減
大型ホイールのディスク成形における 有限要素シミュレーション 有限要素 シミュレーション 工具と素材形状の最適化 材料の歩留り向上
熱風発生装置を用いたショットピーニングによる金属薄板の部分ライニング加工 塑性加工研究室 藤岡武洋
塑性加工 第2回 今日のテーマ ・応力ーひずみ線図の正しい見方 (ヤング率はなぜ異なるのか?) (引張と圧縮は同じ?)
機械的特性向上 成形性向上 50. 加工・通電熱処理による アルミニウム合金板の機械的特性の向上 車両の軽量化 塑性加工学研究室 石黒 農
自動車ホイールのディスク成形に おける肉厚分布を持つ円環の加工 加工能率低下 図 ディスク成形 塑性加工研究室 中川原 大助 スピニング
各種荷重を受ける 中空押出形成材の構造最適化
RCはりをU字型補強した連続繊維シートによる
Presentation transcript:

モンテカルロ法と有限要素法の連成による 焼結のマイクロ‐マクロシミュレーション 塑性加工研究室  野口 寛洋 セラミックス製品 ・圧粉体の密度分布 ・粉末の収縮特性の差 不均一収縮 微視的収縮挙動 巨視的収縮挙動 有限要素法 モンテカルロ法 連成

マイクロ-マクロシミュレーション法 モンテカルロ法 有限要素法 巨視的 ひずみ速度 ひずみなし ひずみあり 均一収縮ひずみ速度 微視的組織

モンテカルロ法における微視的挙動 ポア 粉末(結晶方位64種類) 焼結モード 粒成長モード 隣接格子選択 格子の選択 ポア移動・消滅 ポアを選択 結晶方位置換 固相を選択 格子の選択 隣接格子選択 粉末(結晶方位64種類) ポア

巨視的な塑性ひずみ速度の考慮

2層圧粉円板の焼結 10℃/min 5℃/min 成形条件 成形圧力 25MPa 初期相対密度 0.5 厚さ(mm) 3.7,5.6,7.5 温度 / ℃ 保持 100 200 300 500 1000 800 1400 10℃/min 5℃/min t0 Φ25.5 粒径1.38μm 成形条件 成形圧力 25MPa 初期相対密度 0.5 厚さ(mm) 3.7,5.6,7.5

1層圧粉円板の収縮履歴 粒径の比較 1時間=500ステップ 相対密度 / % モンテカルロステップ 0.39μm,実験 1.38μm,実験 モンテカルロステップ  0.39μm,実験 1.38μm,実験 3.4セル, 計算 11.5セル,計算 3 2 4 1 焼結保持時間 / h 1000 2000 3000 4000 20 40 60 80 100 粒径の比較 実験 (μm) 計算 (セル) 粒径比 (μm/セル) 上層 0.39 3.4 0.11 下層 1.38 11.5 0.12 1時間=500ステップ

2層圧粉円板の焼結シミュレーション モンテカルロ法 軸対称粘塑性有限要素法 5ステップ 1ステップ 初期相対密度0.5 平均粒径3.4セル t0 平均粒径11.5セル Φ25.5 計算格子数:150×150 要素数:32

計算結果 微視的収縮挙動 巨視的変形挙動 平均粒径D0=3.4セル t0=5.6 計算時間:約90分 CPU:Pentium4 1.5GHz

t0=5.6mmにおける微視的組織の比較 実験 1時間保持 計算 n=105 上層,d0=0.39μm 要素17,d0=3.4セル 10セル 実験 1時間保持 計算 n=105 上層,d0=0.39μm 要素17,d0=3.4セル 10セル 1μm 下層,d0=1.38μm 要素9,d0=11.5セル

t0=5.6mmにおける断面の形状比較 初期形状 実験,1時間保持 計算,n=105 5000 10000 15000 2000 4000 6000 8000 初期形状 実験,1時間保持 計算,n=105 高さ / μm 半径 / μm t0=3.7mm 5000 10000 15000 2000 4000 6000 8000 5000 10000 15000 2000 4000 6000 8000 高さ / μm 高さ / μm 半径 / μm 半径 / μm t0=5.6mm t0=7.5mm

連成の効果 ポア移動頻度 相対密度 半径方向へのポア移動頻度 相対密度 / % 非連成 ステップ n ステップ n 100 200 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 100 200 20 40 60 80 半径方向へのポア移動頻度 相対密度 / % 連成 非連成 要素17 要素9   非連成 ステップ n ステップ n

初期厚さと反り量の関係 0.4 0.3 0.2 0.1 3 4 5 6 7 8 非連成,n=105(計算) 連成,n=105(計算) 実験 反り量 a/b 0.2 a b 0.1 3 4 5 6 7 8 初期厚さ t0 / mm

まとめ ・モンテカルロ法と有限要素法を連成させた マイクローマクロシミュレーションを提案した. ・モンテカルロ法と有限要素法を連成させた    マイクローマクロシミュレーションを提案した. ・圧縮の塑性ひずみを受けると微視的な焼結収縮が 速く進み,引張のひずみを受けると収縮が遅れる. ・2層圧粉円板の不均一収縮において,連成した方 法では,連成しない場合に比べ,反り量が小さく なり実験結果に近づいた.