供血者の選択・採血 琉球大学輸血部 佐久川 廣
供血者に対する問診の目的 1 )採血によって起こりうる危険を回避し、供 血者の安全を守る 2 )輸血による感染症等の副作用を出来る限り予防し、受 血者の安全を守る 3 )供血の同意と自発的な責任ある献血であることを確 認する
感染症を有する危険のあるドナ- 基本的考え: ほとんど全ての病原微生物(細菌、ウイルス)は、感染した場合、 一過性あるいは持続性に血液中に存在する。 ウイルスに感染している可能性のあるドナ- 輸血、臓器移植を受けたことがある 入れ墨、麻薬、覚せい剤、1年以内にピアス、男性で男性と性的接触 最近ウイルス感染症を発症した者 マラリアに感染している可能性があるドナ- 海外旅行から帰ってから4週以内、 1980年以降に通算1ヶ月以上の英国居住 その他 熱のある人、急性腸炎と思われる下痢が1ヶ月以内にあった 1ヶ月以内に歯科治療、最近ワクチンや抗血清療法を受けた
HIV感染の危険のあるドナ-を発見するために エイズ検査目的の献血は、血液を必要とする患者さんの安全のためにお断りしています。 質 問 事 項 13 エイズの検査を受けるための献血ですか。 この1年間に次のいずれに該当することがありましたか。(該当する項目を選ぶ必要はありません) ① 不特定の異性と性的接触をもった。 ② 男性の方:男性と性的接触をもった。 ③ エイズ検査(HIV検査)で陽性と言われた。 ④ 麻薬・覚せい剤を注射した。 ⑤ ①~④に該当するものと性的接触をもった。 HIV感染・検査目的のチェック 14
HIV抗体陽性献血者の増加
採血基準(1) 献血の種類 400mL献血 200mL献血 血小板献血 血漿献血 1回献血量 400mL 200mL 400mL以下 年齢 18〜69歳※ 16〜69歳※ 18〜54歳※ 体重 男女とも50kg以上 男性45kg以上 女性40kg以上 最高血圧 90mmHg以上 血液比重等 血液比重1.053以上または血色素量12.5g/dL以上 血液比重1.052以上または血色素量12g/dL以上 (血漿献血は、赤血球指数が標準にある場合は 11.5g/dL以上で採血可) ※65歳以上の献血については、60~64歳の間に献血経験のある方に限る。
採血基準(2) 400mL献血 200mL献血 血小板献血 血漿献血 献血の種類 15万/μl以上 血小板数 60万/μl以下 献血の間隔 男性12週間以上 女性16週間以上 4週間以上 2週間以上※ 2週間以上 年間献血回数 男性3回以内 女性2回以内 男性6回以内 女性4回以内 血小板成分献血1回を2回分に換算して血漿成分献血と合計で24回以内 年間総献血量 400mL献血と200mL献血を合わせて 男性1200mL以内、女性800mL以内 ※血漿を含まない場合は、1週間後に血小板献血が可能になります。
輸血で伝播する感染症とその検出方法 感染症 検査項目 B型肝炎 HBs抗原、HBc抗体、NAT C型肝炎 HCV抗体、NAT HIV-1/2 HTLV-1 サイトメガロウイルス パルボウイルスB19 梅毒 検査項目 HBs抗原、HBc抗体、NAT HCV抗体、NAT HIV-1/2抗体、NAT HTLV-1抗体 CMV抗体 パルボウイルスB19 梅毒TP抗体 NAT: Nucleic acid Amplification Test (核酸増幅検査)