社会福祉士の将来像と本会の将来構想について (社)岐阜県社会福祉士会 会長 宮 嶋 淳

Slides:



Advertisements
Similar presentations
第7章 高齢者がいきいきと安心して 暮らせる社会の実現 前田唯衣. 介護保険制度運用 介護保険制度の創設( 2000 年 4 月) 介護保険制度の創設( 2000 年 4 月)  持続可能な制度の構築  認知症高齢者や一人暮らし高齢者への 対応  2005 年介護保険法改正.
Advertisements

人間福祉学部 准教授 宮 嶋 淳 (みやじま じゅ ん) 博 士 (ソーシャルワーク) 201 5年度 医 療 福 祉 論 (3)
シンポジウム 子どもの豊かな育ちを 支援する地域力
組織の経営学 第1章 ニモ・クルー・からあげ.
ノーマライゼーションかしわプラン策定に向けた基礎調査について
認定資格「ヘルスサイエンス 情報専門員」を取得して
スポーツプロモーション第二回 スポーツ振興・キャンペーンの紹介 発達科学部人間行動学科身体行動論コース  d 八重樫将之.
■日時 平成22年7月16日(金) ■講師 特定非営利活動法人 政策21 理事長 鎌田 徳幸
ー大学院教育課程強化に関するプログラムについてー
2012年度活動報告&ビジョン会議 2013年度戦略案&ビジョン策定 松原広美&竹内尚人
2013年6月20日(木)無料体験会・開催 会場:大阪産業創造館(大阪市中央区) 育つ社員の基礎づくり 会社・組織の未来を担う
「存在の肯定」を規範的視座とした作業療法理論の批判的検討と 作業療法・リハビリテーションの時代的意義 田島明子
【資料3】 条例検討会議について 平成28年8月30日 福岡市障がい者在宅支援課.
進化する香川大学 -地域の知の総合拠点- 2009年6月29日 一井 眞比古 KAGAWA UNIVERSITY.
情報処理学会・経営情報学会 連続セミナー第3回 情報システム構築アプローチ 主旨
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
子どもたちが発達段階に応じて獲得することが望ましい事柄
4 第3次障害者基本計画の特徴 障害者基本計画 経緯等 概要(特徴) 障害者基本法に基づき政府が策定する障害者施策に関する基本計画
近代国家における社会福祉・ 保育所の役割 土俵にのらない 哲学をもって臨む.
「カウンセリングナースの役割と 教育システム」
2012年度スクールソーシャルワーカー研修会 スクールソーシャルワーカーの 役割と専門性について
わが国のスクールソーシャルワーカーの専門性の確保と体系化に関する研究
於:大阪弁護士会館 2013年6月22日(土) 介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット 共同代表 弁護士 藤 岡 毅
アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書
Ⅲ.サービス開発の方法.
第2次総合計画 【H22~H26】 ~本市の基本的な計画
アジア系留学生に対する ソーシャルワーク教育に関する研究(2)
現行の静岡市障がい者計画・障がい福祉計画の概要
「社会福祉士の行動規範」と 本会の対応システム
シンポジウム 岐阜県における これからのソーシャルワーク
社会福祉調査論 第15回_2 第5章 倫理と個人情報保護 第7章 社会科学としての社会福祉
フランスの年金調整会議 年金調整会議は、2000年に創設された。常設の団体であり、メンバーは国会議員、経営者・労働組合の代表、専門家、国の代表である。その主たる目的は、フランスの年金制度を監視すること、年金に関連する公的政策への勧告をすることであり、専門的知識と全ての参加者による協議に基づいている。
中小企業の発展と管理会計 ~戦略とBSCに焦点を当てて~ 発表者:商学部3回生 萬徳貴久.
資料2 介護保険制度改革の方向.
スポーツ経営学 第4回目 スポーツ経営学の特徴.
ヘルスプロモーションのための ヘルスリテラシーと 聖路加看護大学『看護ネット』
第6回 社会福祉の倫理.
<校訓> つよく・あかるく・たくましく 【目指す宇佐支援学校の児童生徒像】
経営情報論B ⑬ 情報技術と社会(第11章).
2018年6月13日 沖縄大学 島村 聡 (おきなわ障がい者相談支援ネットワーク)
日本学術会議の 新しいビジョンと変革 日本学術会議
大阪府健康づくり推進条例の概要について (1) 条例制定の背景・必要性 (3) 条例案の概要 (2) 条例制定のポイント
ソーシャルワークの価値と倫理 ~国際ソーシャルワーカー連盟の議論を踏まえて~
輝いて、自宅で ~終わりよければすべてよし~
相談支援従事者初任者研修のカリキュラムの改正について
平成29年度 WPI新規拠点公募のポイント (採択数・支援規模・ホスト機関の要件 等) (研究領域) (ミッション) (その他) 1
第60回 北海道小学校長会教育研究 宗谷・稚内大会
「日本語教育 プログラム論」の提案 札野 寛子 (金沢工業大学) 2017年度日本語教育学会春季大会パネルセッション6(早稲田大学)
スイカ・クイックスイート・馬芋ん(芋焼酎)
大阪バイオ戦略2017のポイント 重点取組 主な取組 オール大阪で事業推進 規制改革 治験促進
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
別紙1:政策学部のカリキュラム ■積み上げ型政策学教育 [基本教育] [導入教育] 大学院進学
○○大学(○○県○○市) ※大学等名フォントはMeiryoUI、20ポイント
生活支援 中央研修 H26.9.4(木)~5(金) 品川フロントビル会議室 H26.9.6(土)~7(日) JA共済ビルカンファレンスホール
デジタルアーカイブ専攻 コア・カリキュラム構成の設定と学習内容・行動目標 デジタル・アーキビスト の養成 育成する人物像 入学前課題
SCS研修「高等教育における障害者支援(2)」 国際的な障害者の権利保障と教育
 認定社会福祉士(医療分野)       制度について 2010年3月30日 (社)日本医療社会事業協会   笹岡 眞弓.
様々な主体や取組みを「つなぐ」仕組みの構築
総務省の各部局について説明します 行政 管理局 行政 評価局 統計局 自治 行政局 自治 財政局 自治 税務局 消防庁
5本柱 運動推進の 時代の変化に即応した、金属運動のさらなる強化と発展の追求 勤労者に安心・安定をもたらす雇用をはじめとする生活基盤の確立
第13回 相談援助の展開と 個別支援計画.
実施地域: サービス等領域:( ⅰ)/ ⅱ/ ⅲ / ⅳ) / ⅴ)から選択 ) コンソーシアム等名称:
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
文脈 テクノロジに関する知識 教科内容に関する知識 教育学 的知識
DI者の権利擁護にかかる相談窓口とソーシャルワーク・ポリシー
内部統制とは何か.
令和元年度 商工労働施策について 施 策 目 標 主 要 施 策 基 本 姿 勢 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 海外ビジネス 創業・ベンチャー 事業承継
新しい日本の安全保障戦略ー多層協調的安全保障戦略
2019年度 すべての教職員のための授業改善研修 本研修の背景とねらい
学習指導要領の改訂 全国連合小学校長会 会長 大橋 明.
Presentation transcript:

社会福祉士の将来像と本会の将来構想について (社)岐阜県社会福祉士会 会長 宮 嶋 淳 社会福祉士の将来像と本会の将来構想について              (社)岐阜県社会福祉士会 会長 宮 嶋  淳 Ⅰ、ソーシャルワークとは何か     「定義」「倫理」「原則と基準」「機能と構造」 Ⅱ、「第一次構想案」とは何か Ⅲ、会員からの意見と疑問 Ⅳ 今後の課題

ソーシャルワークの定義 ソーシャルワーク専門職は、人間の福利の増進を目指して社会の変革を進め,人間関係における問題解決を図り、人々のエンパワーメントと解放を促していく。 ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人々がその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理はソーシャルワークの拠り所とする基盤である。

ソーシャルワークの拠り所 国際的人権宣言や規約は、共有の達成基準であり,世界で受け入れられた権利を承認するものである。こういった文書には下記のものがある。 世界人権宣言 市民権と政治的権利に関する条約 経済的・社会的・文化的権利に関する条約 あらゆる人種差別の撤廃に関する条約 あらゆる女性に対する差別撤廃条約 子どもの権利条約 先住民族や部族民に関する条約

価 値 ① 価値の枠組み 価値の構造 根本的価値~人権と社会正義 基本的人権 ・「自由」「平等」「共生・連帯」 世界人権宣言等・・7つの規約 基本的人権   ・「自由」「平等」「共生・連帯」 世界人権宣言等・・7つの規約 中核的価値~サービス(貢献) 手段的価値~誠実さと専門的力量 価値の構造 ソーシャルワーク実践との連動

価 値 ② IFSWの「人権と社会正義」 人 権: 社会正義: 自己決定の尊重 参加の権利の保障 個々の人間を全体として捉える 人 権: 自己決定の尊重 参加の権利の保障 個々の人間を全体として捉える ストレングスとエンパワーメント 社会正義: 差別への挑戦 多様性を認識する 資源の公正な分配 不正な政策や実践への挑戦

図4 倫理綱領にみられる「価値」 

倫理の着眼点 価値と思想 歴史性 普遍性 機能と構造 原則と基準 国際ソーシャルワーカー連盟 わが国のソーシャルワーク職能団体 ソーシャルワークの定義 国際的な人権規約 機能と構造 ソーシャルワーク実践の構造 原則と基準 ソーシャルワークの原則と基準

歴 史 性 国際ソーシャルワーカー連盟の視点 1976年、1994年、2002年、2004年の構造的変化 歴 史 性 国際ソーシャルワーカー連盟の視点  1976年、1994年、2002年、2004年の構造的変化 日本のソーシャルワーク職能団体の取組 日本医療社会事業協会(1961年) 日本ソーシャルワーカー協会(1969年、1986年) 日本社会福祉士会(1993年) 日本精神保健福祉士協会(1991、1995、2002年) 国際的動向との連動(2004年)

普 遍 性 社会福祉法とソーシャルワーク倫理(2000年6月) ソーシャルワークの定義の改正(2000年7月) 普 遍 性 社会福祉法とソーシャルワーク倫理(2000年6月) 措置から契約へ、上下関係から対等な関係へ ソーシャルワークの定義の改正(2000年7月) 定義における「価値・理論・実践」の明確化 ソーシャルワークの倫理-原則と基準- 人権と社会正義 専門職

機 能 と 構 造 社会福祉援助技術の統合 ソーシャルワークの展開過程 ソーシャルワークの相互作用モデル ソーシャルワークのスキル ケースワーク、グループワーク、コミュニティワーク ソーシャルワークの展開過程 インテーク、アセスメント、ケアプラン、モニタリング ソーシャルワークの相互作用モデル 「人ー環境」「人ーSWer」「環境ーSWer」 ソーシャルワークのスキル アドボカシー、エンパワメント、スーパーバイズ、 コンサルテーション

図2 ソーシャルワークのトライアングルモデル 図2 ソーシャルワークのトライアングルモデル

図3 社会福祉士事務所のソーシャルワーク

原 則 と 基 準 「人-環境」のソーシャルワークの地域展開 「理念」から「思想・哲学」へ 社会福祉基礎構造改革による福祉の地域化     (2000年6月) 第18期社会福祉・社会保障研連報告書     (2003年6月) 「理念」から「思想・哲学」へ ノーマライゼーション、インテグレーション、   ソーシャル・インクルージョン マルチカルチャリズム、コミュニタリアニズム

実践と倫理の関係 社会的認知 法的規制 自己評価 「誹謗・中傷」への防衛 「苦情・信用失墜」への懲戒 仲間の実践支援の仕組み 「資格-宣誓-実践-支援」の仕組み 「懲戒-自己洞察」の仕組み

図1 ソーシャルワーカーの倫理システム

図5 ソーシャルワークの価値と実践原則の構造 図5 ソーシャルワークの価値と実践原則の構造 

第一次構想案とは何か 第一次構想案の位置づけ  本会の将来構想のポイント 本部と支部の関係 書けなかった留意すべき事項

第一次構想案の位置づけ 社会福祉士の実践を普及させる将来構想を持ち、中長期計画を位置づけていく 中長期計画の基本的な構想(骨格)に位置づけ、年次計画における指針としていく。 10年をふり返り、その活動と運営および基本的視点を総括した上で構築 中長期的な計画に基づき獲得しようとする目標を構想 中長期的な期間にわたる本会の具体的な取組み課題や方向性を示すもの

将来構想のポイント 国際的な視点 「日本におけるソーシャルワークを担う」 本会の使命 倫理の確立 ・専門的技能の研鑽 資質と社会的地位の向上 倫理の確立       ・専門的技能の研鑽 資質と社会的地位の向上 人々の生活を権利の擁護 福祉の増進       ・組織基盤の強化 社会的活動の展開

中央と地方の関係 本 部 支 部 地方への分権・自立の促進 ソーシャルワークの基盤整備 ソーシャルワークの実践領域の拡大に向けた社会的活動 本 部 ソーシャルワークの基盤整備 ソーシャルワークの実践領域の拡大に向けた社会的活動 ソーシャルワーカーの労働条件の改善・向上 他の専門職との協働・提携体制の確立 ソーシャルワーク研究への協力・貢献 組織の方向づけ 財政基盤の構築 戦略的な広聴・広報基盤の構築 支 部 特徴ある具体的実践 実践事例の集積 地方への分権・自立の促進