Facebook Page 「日時計日記」 管理人: 多田 茂樹 「日時計短歌」の作り方 Ⅰ. 基礎編 明るい歌を詠もう! Facebook Page 「日時計日記」 管理人: 多田 茂樹 http://www.facebook.com/hidokeitanka
短歌とは? 白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ (若山牧水) 白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ (若山牧水) 短歌は、 五七五七七という定型の、 誰でも作れる短い詩です。 秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる (藤原敏行) 瓶にさす 藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に とどかざりけり (正岡子規)
分け隔てない歌の世界 「万葉集」には、御製、有名歌人の歌の他、「詠み人知らず」の多くの歌も載っています。 春過ぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香具山 (持統天皇) あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む (柿本人麻呂) 筑波嶺に 雪かも降らる否をかも 愛しき児ろが 衣(にぬ)乾さるかも (東歌) 「児ろ」 は 「児ら」 の東国訛り
日本人は誰でも 生まれついての 「歌詠み人」 天皇様から、文学者、芸術家、 そして名もない庶民にいたるまで、 誰もが共通の一つの形式で 詩人であることのできる民族は 日本民族の他にありません。 あなたも今すぐに 「歌詠み人」 「歌人」になれます。 いえ、それどころか、 既にあなたの本当の姿は 魂の歌を詠いあげる 「歌詠み人」 「歌人」なのです。 日本人は、歌を詠むように 生まれついているのです。
「日時計短歌」を 作りましょう 「日時計短歌」 とは 文字通り 「日時計主義」 の短歌です。 嬉しいこと 楽しいこと ありがたいこと 「明るいこと」 だけを詠んだ 明るい短歌です。 身の回りのいろいろなことを 明るい言葉で歌にすることで、 こんなにも恵まれている こんなにも祝福されている 神の子の自分を自覚し、 「言葉の力」 で周囲をも光明化する それが 「日時計短歌」 です。
日時計短歌の作り方 まず初めに、 身の回りをよく見ましょう。 青い空、 白い雲、 季節の花、 生い茂る樹木、 鳴く鳥、 伸びをする猫、 輝く太陽、 恵みの雨、 街の活気、 静かな街、 元気な子どもたち、 深い表情のお年寄り、 おいしい料理、 よくできた使いやすい道具 よく見ると、 私たちの周囲は 美しく、ありがたい 神の祝福に充ち満ちています。 そのことに注目しましょう。
例えば、梅の花をお題(テーマ)に 例えば 「梅の花」に注目してみましょう。 じっと見てみましょう。 何が見えてきますか?
最初に、五感で感じるものを 言葉にして書き出してみましょう 聴覚・臭覚・ 皮膚感覚 花と木そのもの 紅梅、 花びら、 ピンク色、 繊細なおしべ、 無骨なまでの幹、 細い小枝 小鳥の鳴き声、 馥郁たる香り、 暖かさ、 頬を撫でる風 背景 青い空、 白い雲、 散歩する人、 立ち止まって 見上げる人、 さわやかな 風景 喜びの言葉をどんどん掘り出すと、感動に 「コク」 が出ます。 それまで気付かなかったことを言葉にしてみると、急に感動してしまうこともありますよ。
次は歌を膨らませる 「連想ゲーム」です 思い出 梅から 連想されること 子どもの頃の庭、 家族での観梅、 梅干しを 作ってくれた おばあちゃん、 卒業式 天神様、 水戸黄門、 春を告げる花、 大和魂、 中心帰一 心の底まで 開いてみれば ますます イメージが 広がります。 一つ注意すること: 「きれいだな」 「暖かい」 「楽しいな」 「懐かしい」 などの 単純な形容詞を安易に使うと、歌がそれっきりになって、膨らみがなくなります。 きちんと梅を歌えば、「きれい」 「暖かい」 などは、あえて言わない方が通じるものです。
明るい言葉の材料が出揃ったら 選んで組み合わせてみましょう 明るい言葉の材料が出揃ったら 選んで組み合わせてみましょう 紅梅、 はなびら、 ピンク色、 繊細なおしべ、 無骨なまでの幹、 繊細な小枝 小鳥の鳴き声、 馥郁たる香り、 暖かさ、 頬を撫でる風 青い空、 白い雲、 散歩する人、 立ち止まって みる人、 さわやかな 風景 青空に 頬撫でる風 紅梅の 馥郁たる香り 卒業式 天神様、 水戸黄門、 春を告げる花、 大和魂、 中心帰一の シンボル 子どもの頃の庭、 家族での観梅、 梅干しを 作ってくれた おばあちゃん、 卒業式 「梅の咲くころ、卒業式だったなあ」 という思い出が歌になる
推敲で、リズムを整えましょう 青空に 頬撫でる風 紅梅の 香りただよい 卒業のとき 青空に 頬撫でる風 紅梅の 馥郁たる香り 卒業式 五七五七七のリズムは、短歌の大切な要素です 青空に 頬撫でる風 紅梅の 馥郁たる香り 卒業式 それでは、ちょっとだけ 言葉を変えてみましょうか。 青空に 頬撫でる風 紅梅の 香りただよい 卒業のとき ありゃ? 上の句は 五七五 だけど、 下の句が 七七 に なってないぞ うん、これで、リズムが整った!
もう慣れたので、 最初から 五七五七七を意識して 別の組み合わせでも 作ってみましょう もう慣れたので、 最初から 五七五七七を意識して 青い空、 白い雲、 散歩する人、 立ち止まって みる人、 さわやかな 風景 小鳥の鳴き声、 馥郁たる香り、 暖かさ、 頬を撫でる風 紅梅、 はなびら、 ピンク色、 繊細なおしべ、 無骨なまでの幹、 繊細な小枝 春告げる 紅梅咲けば 思い出す 梅干し作って くれたる祖母を 天神様、 水戸黄門、 春を告げる花、 大和魂、 中心帰一の シンボル 子どもの頃の庭、 家族での観梅、 梅干しを 作ってくれた おばあちゃん、 卒業式 おばあちゃんの思い出を歌に
よくできたけど、 ちょっと不自然な感じ それは、口語と文語が 混じってしまったから 最後に必ず推敲を きちんと推敲することが 上達の秘訣です 春告げる 紅梅咲けば 思い出す 梅干し作って くれたる祖母を 試しに、文語に揃えてみましょうか 文語 口語と文語が混じってしまうと、 歌の中でちょっとした 「喧嘩」 が生じ、 調和が損なわれます。 春告ぐる 紅梅咲けば 思ひ出す 梅干し作り くれたる祖母を 口語 よくできたけど、 ちょっと不自然な感じ それは、口語と文語が 混じってしまったから
確かに整ったけど、 なんだか 私の言葉じゃないな 気取らずに、自然に 春告ぐる 紅梅咲けば 思ひ出す 梅干し作り くれたる祖母を そうですね。 歌は自然に作るのがいいのです。 いっそ、気取らずに口語に統一しましょうか。 ああ、やっと 自分の歌らしくなった。 短歌って、おもしろい! 春告げる 紅梅咲けば 思い出す 梅干し作って くれた おばあちゃん 確かに整ったけど、 なんだか 私の言葉じゃないな
おさらいしてみましょう。 あなたはもう 「日時計歌人」です さあ、歌のできあがり! ポスティングジョイに投稿しましょう 歌の中で言葉が喧嘩しないように、 整えて調和させる 五七五七七 のリズムに整える (多少の字余りは気にせずに) その言葉を選んで組み合わせる まず断片的でいいから、言葉にしてみる うれしい、楽しい言葉を挙げてみる よ~く観察 素敵なことを発見!
歌の上達のコツ 初めは下手でもいい、 素直に、楽しく、数多く詠みましょう。 人の歌を参考にしましょう。 ヒントがたくさんあります。 正しい文法を心がけましょう。 正しい言葉遣いに 美しい 「言霊 (ことだま)」 が宿ります。 歌の先輩に推敲してもらいましょう。 「自分の歌がこんなによくなるのか」 と 見違える思いがするものです。 でも結局、なにより大切なのは、 「感動をどんどん言葉にしてみること」 これに尽きますね。