システムモデルと伝達関数 1. インパルス応答と伝達関数 キーワード : 伝達関数、インパルス応答、 ステップ応答、ランプ応答

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Division of Process Control & Process Systems Engineering Department of Chemical Engineering, Kyoto University
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22 ・ 3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要 # 複雑な速度式 数値積分 (コンピューターシミュ レーション) # 単純な場合 解析的な解(積分形速度式) (a)1 次反応 1次の速度式 の積分形 [A] 0 は A の初濃度 (t = 0 の濃度.
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システムモデルと伝達関数 1. インパルス応答と伝達関数 キーワード : 伝達関数、インパルス応答、 ステップ応答、ランプ応答 2. 1 次(遅れ)系の応答 キーワード : 1 次(遅れ)系の種々の応答 学習目標 : 伝達関数、インパルス応答とステップ応答 について理解する。また、1 次系の過渡応答 特性を理解する。

システムモデルと伝達関数 1 インパルス応答と伝達関数 システム(微分方程式): 両辺をラプラス変換(初期値=0) 1 インパルス応答と伝達関数 システム(微分方程式): 両辺をラプラス変換(初期値=0) 上式は入出力関係を代数方程式で表現している。 伝達関数: 図 1 線形システム

代表的な入力信号 (単位)デルタ関数: の極限 (その他) 以下の条件を満たす関数 図 2 デルタ関数 デルタ関数のラプラス変換

単位ステップ関数: 図 3 ステップ関数 ステップ関数のラプラス変換 ランプ関数: 図 4 ランプ関数 ランプ関数のラプラス変換

応答(出力) y(t)は入力のラプラス変換と伝達関数の積を逆ラプラス変換したもの ステップ応答: インパルス応答: インパルス応答は、伝達関数 を逆ラプラス変換したもの ステップ応答は、インパルス応答 を時間積分したもの 伝達関数は、インパルス応答 をラプラス変換したもの *同様に、ランプ応答はステップ応答の時間積分となる。

入力 応答(出力) 図5(a) デルタ関数 図5(b) インパルス応答 微分 積分 微分 積分 入力 応答(出力) 図5(c) 単位ステップ関数 図5(d) ステップ応答

時間領域での応答計算 時間領域でy(t)を計算するには・・・ ・合成積(ラプラス変換の性質) ・たたみ込み積分 :インパルス応答 しないとならない。

s領域 周波数領域 時間領域 ステップ応答 微分 積分 インパルス応答 微分方程式 フーリエ 逆変換 フーリエ 変換 ラプラス 変換 周波数伝達関数 伝達関数 s領域 周波数領域

2. 1 次(遅れ)系の応答 1 次(遅れ)系の 伝達関数: インパルス応答: ) ( t g 図6 インパルス応答 ラプラス変換の基本公式

ステップ応答: インパルス応答の積分で得られるから 定常値 初期速度 ) ( t g-1 図7 ステップ応答

・ 時刻 t=T において定常値の 63.2 % になる。 ・ 初期速度のまま進めば,T 秒後 に定常値に到達する. 最終値定理 定常値 ) ( t g-1 図8 ステップ応答 ・ 初期速度のまま進めば,T 秒後 に定常値に到達する. 最終値定理 定常値 ・ 定常値は入力の大きさのK 倍になる。 :時定数 :ゲイン

種々の時定数Tに対する応答 の値 Im ) ( t g-1 Re 図9 種々の時定数 に対する応答

[ 例 1 ] 1次(遅れ)系の例 入力 出力 ラプラス変換 伝達関数: ゲイン 時定数

インパルス応答: ステップ応答: ランプ応答: ステップ応答の定常状態: の時、定常状態となる。 つまり、微分方程式で とすると